優勝しました。長かった。

決勝トーナメントは、準決勝を予選4位の東北大と24bd*2、決勝を3位の阪大と16bd*4対戦した。予選は20bd*6ラウンドなのでそれとほぼ同じだが、精神的には本戦の方が遥かに消耗する。

内容については、派手なラウンドが多かったよう感じる。そもそも慶應チームはノーガード戦法とでもいうべきスコアの殴り合いになることが多い。勝ちが多いところを見ると相手よりたくさん殴っているようだが、何年生になっても全然安定感がない笑。

ボードというのはいつだってひとつなので殴り合いになるっていうのは意味がよくわからないが、それでも本当に最終スコアが大きくなることが多い。取られたIMPの分散を出してみたら、おそらく他大より多めにでるだろう。

東北大との準決勝はカオスだった。1stラウンドで自分が今年一番最悪な出来栄えのラウンドだったが、裏ペアが死ぬほど勝ってきてくれたのでしっかりとリードし、正気を取り戻したのちの2ndではSAのない7Sを落としたところで逆転されることはないリードを保って決勝進出を決めた。正直なところ、これほど裏ペアに感謝したことはない。

1stが裏より早く終わり、パートナーを無理やり外に連れ出して散歩。

「このラウンド、目の前に座ってるの大輔さんじゃなかった。誰やコイツって思いました笑」

素直に認めると、緊張していた。チキンどころかノミの心臓である。何年もブリッジしてきてここで緊張するか、と自分に驚いた。連日の休息不足も大いに関係あるだろう。

ひとしきり謝ったあと会場に帰還、スコアを合わせて、大量リードしていた時は思わず声が出た。

「40IMP負けなら逆転しよう、と心に決めてました」

スコアを合わせた後の、パートナーの力強い言葉である。まさか30IMPリードしているとは夢にも思わなかった。「もうこれ以上稼げないよ~」とオポーネントのテーブルから声が聞こえた。

決勝は阪大。予選をギリギリ通過した割にちゃんと決勝戦に出てくるあたり、ブリッジの神様はいるのだと思う。少し歯車が狂えば違う対戦となったかもしれないが、最後の学生選手権は誰もが予想した決勝の組み合わせとなった。16bd*4のショートマッチだったが、各ラウンド味わいが異なって楽しかった。

1stは阪大の1年生が出場し、こちらが10IMP勝った。2ndはこちらの1年生が出場し7IMP負け、3rdは普通に4IMP負けの、C/O含め0.5IMPビハインドで日を改め最終ラウンドを迎えた。この3rdラウンドが曲者で、僕のいたテーブルは僕らのサイドの圧勝ムード+30IMPという感じだったが、裏のNSもそうだったようで、殴り殴られという感じだった。

1st
35-25

2nd
20-27

3rd
40-44

4thは素晴らしい出来というわけではなかったのだが、裏が耐えてくれて少しづつIMPを積んだ結果、微勝ちで優勝した。

4th
29-21

思えばいいチームだったと思うのは、自分が出て(ダメかなこりゃ)と思ったラウンドに限って裏の攻撃力が炸裂していたことである。普段ものすごく役に立つ裏ペアかというと別にそうでも無く、内容を聞いていると少し心配にもなったが、自分のペアが稼ぐ分で勝ち分を賄えば良いので問題なかった。そしていざという時には本当に役に立つ。予選の東北大戦も、オポーネントの優秀なU21代表ペアに真面目なスコアを持って行かれて焦っていたのだが、裏ペアはU26代表がいるメインペアをフルボッコしてくれたので全く問題がなかったし、準決勝もそうだった。

(予選にて、)「オポーネントの7が2個落ちたので7を置いたら出来ました」

全く意味がわからないが、力強い言葉に安心した。

決勝戦は、4thラウンドを翌日に持ち越したのが良かった。我々はともかく裏ペアが3rdで殴られまくって消耗していたので、帰宅してちゃんと睡眠をとって仕切り直しというのがプラスに働いたように思える。4thは裏のNSが取りこぼして裏ペアがなんとか大ミスをせずに守りきった結果の8IMP勝ちのようなので、攻撃だけじゃなくスコアを守れるようになったか、成長したなと優勝の感慨もひとしおであった。

これで自分は2年夏、3年春、院1年春、2年春と10回程度出場し4度優勝したことになる。試合は一人で勝つことはできない、どころか行うこともできない。本当に後輩に恵まれたと思う、勝たせてくれてありがとう。

ハンドの話は、次の記事で予選から一つ持ってこようかと思う。慶應が最も苦戦した、対学習院戦である。




最高の予選を過ごしている。

学生選手権は東大、早稲田、学習院、阪大、名古屋、東北、慶應の7チームによる20bd*6Rd、20VPスケールの予選を行い、予選を通過した4チームが決勝トーナメントを戦う。

慶應チームはU21代表みたいなの2人、U26代表みたいなの2人に一年生の5人である。現在最終ラウンドを残して2位に10VP以上差をつけて1位。このまま行けば準決勝の対戦相手指名権を獲得できる。

{4A0D06F3-A83F-4991-AB52-2807D09C496B:01}

自分はなかなかコンディションが良く、18VP-2VPで勝った試合で観戦者に緊張してできてる4Hを落とした(メンタル弱い)位で、これはというミスが本当に無い。シニアのIさんが言っていたけど、チーム戦であっても自分が完璧なら大体勝てるっていうのは本当のことだと思う。僕にとって最後の学生選手権になるので、この調子で優勝したいところ。

慶應チームの試合の出場順の基本は、U21代表みたいなのペアと僕が固定で出て、暇な残り1人と組むスタイルでプレイしている。かわいい一年生の成長をご紹介。

僕のハンドは

Qx
AKxx
Axx
KQxx

パートナーは1年生。
オークションは僕からフリーランで

1C-2D*;2H-2NT;3D-3NT;?

2D:CフィットGF

強いのでシェイプを伝えるようにビッドしてみた。3NTで止めるのは惜しいのでコンティニュー。

1C-2D*;2H-2NT;3D-3NT;4C-4S;?

Sキューは有難いが、3NTで止めようと言われてDKない時にいいスラムがあるとは思えない。5Cと置くと、一年生は6Cにレイズ。これが流れる。

1C-2D*;2H-2NT;3D-3NT;4C-4S;5C-6C//

リードはSTで、ダミーは

Axx
x
Kxxx
KQTxx

Sxをコールしてメイク。Dも3-3だし安全なスクイズチャンスもある悪くない6Cであった。先輩が5Cで止めようといって、自分でジャッジして6Cを置ける一年生はなかなかいない。他のテーブルでは、僕の右手のルールオブテンに2点くらい足りない2Hオープンにより3NTで止まってしまった、というのを二度ほど聞いた。

「良いですね。とはいえ3Dに3Sと言わなかったり、Dのキュービッドを飛ばしたり矛盾ばっかりだけどな。」休んでたU26のほうはこういった。

そんな彼と組んだ時のボードを一つ。

僕のハンドは

Kxxxx
xx
x
AKTxx

オークションは僕から、最後の方まで介入なし。開けないという文字は我が辞書にないので1S。

1S-2H;2S-3D;3NT-4D;?

開けてしまってごめんなさい感がヤバい。

せめてフィットの多そうな4Hにプリファーすると、オークションはまだ続く。

1S-2H;2S-3D;3NT-4D;4H-5C;?

もうやめてぇー。5H。

1S-2H;2S-3D;3NT-4D;4H-5C;5H-6D;(X)

オープニングリーダー側からのダブル。もうだめだ。赤いスーツはHが少しいいくらいはもう表現しているのでパス。パートナーは6Hに直すも、それもダブられて流れる。

1S-2H;2S-3D;3NT-4D;4H-5C;5H-6D;(X)P-6H;(X)//

オープニングリーダー、長考。

「もしかしてリードなの忘れてた?」
オープニングリーダー
「いえ知ってたんですけどね!ちょっと待ってください。」

そしてOLはHx。フルハンドは以下。

{946423B0-EE2E-4F64-849E-7FE0665D8195:01}

H8リードはHJにHQ。DA、DQにKかぶせてラフ。CAKでS消してSラフ。HAへ負けに行って、何が返ってきても切って集めてジャストメイクの6Hx=+1210。

オープニングリーダー曰く、
「ダミーのHが2枚以下なの確定だから、OLをHA、HxでDKは必ず勝てる状態になりましたね。」

凹んでいる。そうして人は強くなるのだ。
ちなみにこのオープニングリーダーは、3NTになったらフィットとミドルカードが薄そうだから、ダブろうとしていたらしい。4Hに逃げられるとつくられてしまうが、そういう感性は大事にすべきだ。

ていうかあれでしょ、ビッドは1Sに2Dが自然。で2Sに3H言って、3NTには4Hくらいがこのハンドのバリューと手を示しているくらいじゃなかろうか。裏は3NT-2だったそうだが、自然と3NTを回避できるオークションでもある。

パートナー
「4Hがto playって発想がなかったんですよね!」

そうだと思ってました、とオープニングリーダー。その感性も大事にしたほうがいいと思ったりした。


この日は早慶合宿で、場所は飯田橋のユースホステル。

早慶合宿は自分が2年生の時に北村さんと早慶戦を開催して収益を上げて、儲かったら儲かったで何処と無く使いづらくなった金を使おうと企画したものだった。今回で何回目になるのだろうか?

あの頃慶応チームは、常に4人はいたものの、インカレ優勝など口にするなどとても畏れ多く、精一杯背伸びして早稲田に勝つ、現実的にはインカレ予選通過がどうかというレベルだった。2年の時の春のインカレは確か6位/10チームまで予選通過して、3-6位が2枠の決勝ラウンド出場権を争うという謎スキームだったため幸運にも予選の予選は通過したが、その辺りでケチョンと脱落した、ような気がする。当時は阪大が強く、Kがつく人が3人と東北大の悪くない1年生2人の5人チーム。東北大の下級生が出ずっぱりでKがつく人はMAX2人しかでてないのに優勝したのを覚えている。

因みにその後、僕が3年生の夏には慶応でインカレを勝ったので、やっぱりやって良かったなと思う。

そんな由緒正しい?早慶合宿のヒットボードをご紹介。

Both VUL 2nd seat 僕のハンドは

KQ6432
AJ
8543
6

オークションは右手から、

1C 1S P 2D*;3C 3S P 4H;P 4S//

2DはSのサポートレイズ、4Hはプレイの提案。僕のHはAJだけど、どうせハートは8枚フィットだろうから4Sに戻して4S by 僕。OLはC8(3rd/low)でダミーは

AT7
Q86432
KT
Q7

T1:C8,Q,K,6
T2:CA,S2,9,7
T3:D5,2,K,A
T4:DQ,4,6,T
T5:S8,2,J,A
T6:H2,K,A,5

この時点のダミーは

T7
Q8643
-
-

ハンドは

KQ643
J
85
-

で全勝する。plan the play.

右手は高校の後輩で1年生、左手は慶應の2年生。どうしたものか。

S2-2なら集めてHJキャッシュ、DラフしてHQの下に捨てるのがいいけど、本当にそれがベストプレイだろうか。

Cのブレイクは3-7風。Hは左がちょっと多く持っている。Dの4枚目が左でありさえすれば、Dを1回ハイラフしてSランで左手がH二枚とD一枚を守りきれない。DAQの取りっぷりがD3枚風でも有るし、僕はスクイズプランを選択した。

実際には右手のシェイプは2146で、集めてHJはがして、D切ってHを取った1年生の女の子は2S4メイク、僕は4S-1という切ない結果となった。

左手のH君は4枚目のCを隠して8を捨てていた。

「偶然でしょ?」
H君
「いやいやわざとですって笑。パートナー枚数わかるから、4枚目の見せる必要ないじゃないですか。」

上手になったもんだ。

そしてダミーのH君曰く
「これは、面白いですね」
「そして、もしかしていいプレイなんじゃないですか」
「オークションで、君のアーティフィシャル2Dをダブられないと、DAQxxってのわからないよね。カードの出し方も右のD長くなさそうだったし」
H君
「いや単純に、S1-3、H1、D2-4(5)、C6-7を右手に固定した時のパーセンテージプレイなんじゃないかと」

この時点ではよくわからなかったのでもう一度整理。ありうる右手のシェイプは

1147
2137
3127
1156
2146
3136

の7パターン。このうちスクイズが効くのは2137、3127、3136。

合宿時点では集めて切るパターンはS2-2しかメイクしないと考えていたが、冷静に考えてみるとH短い方がS持ってないことが条件なので、1147、2137、1156、2146でメイクする。

このうちDAQxxを持ってるとすれば2Dをダブってくれるとすると、2137は常に出来る為、

3127+3136>1156

になり、圧倒的に良さそう。もしAQxxxないと2Dダブらないよというときは、1156のみ除外されるので

3127+3136 vs 1147+2146

になる。多分だけど、

Any 1237> Any1147
Any 1336> Any1246

感はあるので、僕のプレイは悪くないように見える。そしてオークションからは1パターンも除外されない場合は

3127+3136 vs 1147+1156+2146

であるが、どうせ1156なんてほとんどなさそうで、やっぱり前者のプレイが優れていそう。H君の言う通りだったようだ。

兎も角もコントラクトは落ちたのだが、それよりも後輩の成長が著しいことに感動した。1年間くらい意味不明なブリッジをしていたH君(どちらとは言わない)もだいぶ上手になった。後輩って見ない間に成長するんだなぁ。学生選手権も、これならなんとかいけるかもしれない。