前記事、マジック・ステイマンに書いたハンド、やっぱり、Axxxx xx Kxx Kxxで1NTオープンに向かって、オープナーがスペード3枚ハート4枚なら3NTをやりたいというのは感覚として間違っているのだろうか。

一般的には、メジャーフィットの3NTをプレイする手は、両方のハンドで短いスーツにアナーやミドルカードが集中している、コントロールが少なくて1NTオープナーが4333ライクな手だから、上記のハンドは全く合致しない。

のだけど、例えばKxx KQxx Ax Axxxみたいな手に向かっては3NTがかなり優れている。これはつまりレスポンダーが10点だと点が足りないかもしれないから、10トリックよりは9トリックでできるゲームが良いということ。

メジャーへTRFされて3NTか4Mかのチョイスを1NTオープナーがするのと、フェイクスモーレンでレスポンダーが3NTをチョイスしちゃうのとどっちが良いか、についてだけ考えると、開示している情報が多い1NTオープナーより情報が少ないレスポンダーの方が3NTを決定する方が優れてるんじゃないか。


…肌感が間違ってるかもしれないことはpdも言っていて、でも我々が間違ってるとして、案外微かな差ではないかと思う。アルファブリッジ君の開発が待たれる。


さて春季リジョナル2日目はスイスラウンドスタートだったからか、あるいはインカレで遊んだ疲れからか、いまいちピリっとしない出来。こういう日は記憶に残るボードも少ないもの。少ない引き出しのなかからいくつか。



AT52
A2
KT92
J53



オークションは右手から。



1C  P 1H P;
2C X P 2H;
P ?



これはパスしていい?ダメ?









第一印象はパスして良いんだけど、ちょっと考えればこの場合はパスできる。もしpdがスペードとダイヤの強い手だったら、1HにOCするか、ダブルを置くはずだから。あと代は上がっちゃうけど、絶対フォーシングな3Cというビッドもある。



実際パスしたらpdは11点のハート6枚な手を持っていて、良い配置とディフェンスエラーに助けられ5メイクもしてしまった。



こんな感じ、あっさりしたプレイで終わってしまい反省。終わった後の麻雀で少し勝ったことだけ覚えてる感じ。


3月第3週末に行われる春季リジョナルは、割とレギュラーパートナーなMさんとブリッジ。
残念ながら1日目で敗退してしまったが、内容は充実したものであった。

そして、初日の一番の収穫はステイマンについての学びが多かったこと。



食事が終わって2人だけの反省会。パートナーがなんか言っている。



「プッシュだったけど、これは取ったと思ったんだよな」



どれですか?…なるほど。
僕は1NTオープン。パートナーの手は



K94
KQJ97
85
AQ9



plan the biding.











パートナーはステイマンから始めることにした。



1NT-2C;
2H-4C*;
4D-4NT;
5D-6H//



ディクレアラーの手は



AJ7
A865
AQ72
J8



で、DJリード、黒いフィネスは両方onなのであっという間に7メイク。実際6Hは、DQ勝つか、Dが抜けるときは黒いフィネスが両方onでメイクなので単純に62.5%メイクするオーケーなスラムだ。



「1NTオープナーがこの手でスーパーアクセプトしなくちゃスラムルーズするって、厳しいと思うんだよね」



どういうことかと言うと、1NTオープンに対してパートナーのハンドを安直にハートへTRFすると、H5枚のマイルドスラムトライがないことから、スラムトライするための次の一手は4NTしかなくなる。スーパーアクセプトをしないハンドへ向かって4NTは置かないかもしれないと思うとルーズしがちだから、Hが9枚フィットしたら6Hへ向かう戦術へ切り替えたということだ。


5枚メジャーの内容が悪いから、9枚フィットしなければ3NTをプレイしないという意味で5枚メジャー持ってステイマンするのは、見たこともやったこともある。
でもこのビッドはとてもクリエイティブだと思う。



そしてステイマンは、更に一歩深みへ。



「それとこれは、スモーレンすれば良かった」



"スモーレンすれば良かった"とは?
スモーレンってそういうものだっけ。



僕は1NTオープン。パートナーは



A8532
74
K75
K83



plan the bidding.










我々のオークションは



1NT-2C;
2D-3NT//



でハートが打ち抜かれてダウン。裏は5-3フィットの4Sメイク。



「S9枚フィットでなければ3NTの方が4Sより明らかに優れていそうでステイマンしたけど、ハートが3枚以下と分かった時点でスモーレンする事で、Sの53フィットを探しに行くべきだった。」



なるほど、これは天才。ステイマンでさえ、未知の領域があることに気づかされる。というかこの辺は、引き出しに最初から入ってないと常人には無理。



「あとこれはステイマンを拒否しようと思った。」



拒否するとは。
パートナーのハンドは



AQ2
8753
AKQ
AJ2



実際のオークションはこのハンドの2NTから始まる。



2NT-3C;
3H-4H//



で、3NTも残念ながら出来ていないが、4Hはハートで3敗とサイドで1敗する形。いわく、3Dと答えたかったとのこと。


これは分からないでもない。ハートコントラクトよりも3NTの方が優れてるかもしれない。でも待てよ?



「メジャー52持ちでスモーレンする人とステイマンをずらして答える人が向かい合うと、スモーレンでハートに4-4フィットを見つけた気になって、4-2の4Hをプレイする事態になりませんか」

「そうかもしれない笑」



一度3枚相当と評価したらずっとそう評価しつづければ、問題は起きにくいと思う。

あとは、パートナーがパストハンドであればなお良い。もし強力なハンドを持っていると、メジャー4枚がないと知らせることで、出来てるメジャースラムへのムーブをやめるパターンがあるからだ。



「これはステイマンしようかと思った」



僕は1NTオープン、パートナーのハンドは



KT85
JT9
J74
JT7



「良い8点くらいじゃない?」



パートナー、テーブルでは流石にパスを選択。
言いたいことはわかる、そうかもしれない。僕の手はインビに乗らない程度のハンドで、実際にNTは2メイクくらい。


こうやって考えるとステイマンでさえ、1つのツールに過ぎないんだなと思い知らされる。
深イイ話を聞けたので、負けてもいくらかの慰めになった。

funbridgeのブリッジエンジン、Argineの話。


IMP We Vul. 3rd seat.

J
KT94
97653
A62

オークションは正面から

1C 1S X 2S;
P P X P;
3C P 3D P;
3S P 4D//

と進み、OLはS3。

ダミーは

9862
A85
AJ8
K74

T1:S3,2,K,J
T2:S4,D3,5,6
T3:D3,2,?


{E0044C46-DB0F-42B3-8489-EF359FAE76EE}















オモテのKT2やQT2を期待してD8でフィネるのが普通のチョイスなんだけど、Argine君は一味違う。


T3:D3,2,DJ(!),4
T4:H8,2,4,J


あとはスペードを切って、DAにボスフォロー、HA,H5と出すとHQが出てくるからS1H1D1の3敗でジャストメイク。


フルハンドは以下。


{1C5744FE-8E71-45A8-881E-5E878FBA7810}


これSouthが僕のハンド、suigenとの5bd matchで出てきたんだけど、裏も全く同じ展開でプッシュ。でもなんで、自然なD8ではなくDJを出したのだろう。考えてみよう。

ちなみにArgineはD8が見えないほどアホではないことをコメントしておく。彼は明らかにDJを選択したのだ。







カードリーディング的には、DKQが特別オモテにいそうだという情報はない。むしろ、アナー1枚くらいはオーバーコールした裏にいそうだ。

おそらくこういうことだろう。Dの触り方がうまくいっても、テンポを失うとパンプに耐えられず落ちるハンドがある。例えばSouthが


AKxxx
QJx
Qx
Jxx


だと、T4DQ勝ち、T5Sxをラフ、T6,7でDKをフィネりつつ集めたとて、10勝目となるハートを開発に行く過程でどうしてもSouthへ入らざるを得ず、トランプがもうないのでスペードを打ち抜かれてしまう。


分が悪くてもダブルフィネスといえば、こういうボードを思い出した。

以前USA1のトライアルで、

?
?
xxx
Qxx

?
?
Kxx
Txx

の3NT、メジャーに8勝あってC8リード(4th best)ときた。先に終わったテーブルはCxを引いて右手のJxに負け、C5敗とオモテにいるDAを取られ-2。

後からプレイしたのはMeckstroth。コメンテーターもこれはプッシュと書きこみ、観衆の誰もがそうだなと思ったところ、正着のやCQをプレイして+12impというのを見たことがある。コメント欄が騒然となってたところ、テーブルでの会話の書き込みがあって、それが抜けるとDに変わられたらやっぱりきついから、というものであった。

USAオープンというのはまことに神々の戦いであるなぁと思ったものだ。今回のArgineのプレイはこれに匹敵するかもしれない。若干の疑問符がつくところも似ている。


さて、人間でも出す(かもしれない)DJはどういう時か。それは、T2でCリターンが来て、かつDxに左手からxが出たときである。この時ハンドのCAで勝ってD8でフィネス、DQに抜けてクラブリターンが来ると、クラブのブレークとハートのアボイダンスの仕方によるが、だいたいダメ。ここはノーテンポでD2回狩りあつめないとならない。

一応、"だいたいダメ"のハンドの全てにおいて、オモテのDKQをスプリットしてクラブに変われば落ちてる事をコメントしておきたい。
だから違うプランがオモテのDKQx&ミスディフェンスより優れる事もあるかもしれない。


まぁなんというか、Argineがチートしてないとすればヒトを超えかけているという、ちょっとひんやりした話であった。