今年の年明け一発目の試合。ボードはピックしてあったんだけど、あんまりうまくできなかった苦い記憶と試合直後の試験地獄に巻き込まれて記事にできていなかったものを書き起こすことに。
これはご飯の場で聞いた話。うちのテーブルは平凡にSouthの1NT オープンで3NTになり4メイクされ。でもあるテーブルでは
後悔に近い反省がメインだけど、良いボードも選んでいたみたい。一つづつ書いてみよう。IMPチーム戦、pdはfunbridgeでよく遊んでくれるKさん。
pdとの出会いはよく思い出せないんだけど、たぶん大学1年生のNEC杯の終わりの方で、これまた何かと縁のあったM田さんの家族とたぶんオーヘルをした時に同卓したのが最初ではないだろうか。
その後funbridgeが現れる前にも声をかけてもらった記憶があるけど、一番やりとりしたのはfunbridgeが出てきてから。同じチームでトーナメントを戦っている。
先に言っておくとpdは食事会@エル・アルボルへ参加せず宿へ帰ったため、翌朝試合が始まるまえにサンマルクで要点を押さえたディスカッションをしたのみである。つまり食事会でのKさんとpdのKさんは同一人物ではない。
さてハンドの話。R1#4、僕の手は
KQT9
T93
T8763
T
both vul. 3rd seat.
オークションはパートナーから
1C 1H X 2C;
2S P P 3H//
リードは、クラブもスペードも、ダイヤやハートでさえも打ちごろで、特にCTを強烈に意識しながらも、ものすごく打ちごろなSKを選択。ダミーは
74
KJ2
A52
KJ863
T1:SK,4,2,6
シグナルはUDCAなので2は良いカモン風。
plan the defense.
パートナーとディクレアラーのHCPの合計は23点なので、大体均等に分布してそう。スペードに強烈なカモンを出すからには、CAQは無くてSAはあるだろう。
S2個は勝てそうだけど、オポーネントはスペードに無駄点が無い分、スーツのエスタブリッシュでそこそこ9トリックに足りそう。特にpdがCAQを持ってないことや自分のCTグルトンが強いミドルカードであることからから、ハートを出すディフェンスはクラブがトリックになるのを座して待つことになりそう。それに、もしpdがHQxのとき、(H9を出したとしても)ハートを無敗にされるリスクがある。
だからこっちで切っていくディフェンスが良さそうなんだけど、やはりCTが邪魔してて、例えばディクレアラーがCH9xだったりすると余計なトリックを相手に与えてしまいそう。pdのダイヤを切りに行くディフェンスはどうだろうか?
例えばダイヤKxのパートナーへ向かってダイヤをだして、DK勝ち、ダイヤリターン。HAをpdが勝ってSQで僕へ渡ってダイヤラフ。これでS2H1D1Dラフで-1。これにしよう。
ということでダイヤローを選択。フルハンドは以下。
ディクレアラーはDKQを剥がしてスペード。SJ勝ってパートナーはHA、H4。ハンドで勝ってスペード切って、DAでクラブを捨ててCAで戻ってトランプ集めて4メイク。
ディフェンスをきちんと考えた人なら気づいているだろうけど、パートナーにHAかCAがある場合はクラブを出しておけば5勝出来て落ちる。ダイヤシフトは冷静さを欠いたディフェンス。
食事会にて。Tさんにこれ何リードしました?と聞いたところSKにしちゃったとのこと。即CTに変わるも、クラブシングルトンというのが理解されず、永遠にリターンされることは無かったそう。
「最初から素直にCT出せばよかった」
出来なかったことだが、僕もそう思う。ST9が無ければ7:3くらいでクラブリードを選ぶとおもうけど、"飾り"のT9が邪魔をした。
リード悪けりゃディフェンスも悪い。この試合は3日間の特に初日、全体的にアガっていて持てる力にプラスアルファをほとんど上積み出来ていない。そんなことを象徴するようなボード。
気を取り直して次へ。
R2#11
1D 1H 1NT P;
2C P 2D//
で終わってしまったそうな。ふーん。
Hさん「Northは控えめすぎるやろ!なぁ」
Kさん「2Sって言えば良かったんじゃないの」
たしかに2Sはおしゃれである。また出てこないかな。
さてつぎはこんなボード。R2#14から。
Neither Vul. 1st seat.
僕の手は
AJ85
83
A984
953
オークションはかく進む。
P 2H* 2S 2NT**;
3H P 3S 4H//
*weak
**Ogust
一度キュービッドして乗らないpdがいて、どうやら強そうな右手がいるとき4Sは、トランプが負けないにしてもその他のスーツで4敗しそうなのが固いと思ったから言わなかった。実際4Hは5メイク、4Sは2ダウン。うらは5HX=で5取り。
フルハンドは以下。
言うべきか→言うべきなど迷いの跡が見て取れる。画像が小さくてごめんなさい。#19もそこそこ面白かったけど、それはまた別の話。
これ、その場ではとてもいい選択だと思ったんだけど、食事してる時の周りの意見は(Ogustシーケンスではないもののそうだとしても)4Sを言うべきというものであった。
当然であるが、4Sはできる日もあって、出来ない日も十分保険になっているというもの。vulnerabilityによって上記どちらかの理由が強くなるため、いつでも言うというのがその場の意見。
実は食事の場でにpdはおらず、朝その話を振ってみたところpdの意見は僕と同じもので、出来なさそうな4Sを言う理由は全くないとのこと。
後で冷静になって考えてみると、べき論はさておき、普段の自分なら言っていたように感じる。なんであの時言わなかったかというのを考えると理由はおそらく3つ。
ひとつは、すごい組み慣れてるわけではないpdのジャッジを難しくさせないようにしつつ、その副次的効果として自分のジャッジを楽にしようとしたというもの。pdの力量は、僕が4Sを置いたからと言ってただちに5Hに必ずダブルをつけるような感じでは当然無い(のでダブルを置いた場合はきっちり落ちると信じてもいいはずだ)が、pdが5Hにダブルを置いた時、自分の中で迷いが生じる(つまり(そういうスタイルのpdでは無いからいらぬ杞憂なのだがそれでも)僕の分もダブってくれた可能性を考慮しなくてはならない)ことを恐れたため。また4Sを言って5Hにpdがパスをした時も、これはフォーシングでこれはノンフォーシングというパートナーシップの最も精緻なところをジャッジするのは避けたいという思いからかもしれない。心の弱さでもあるし、ある意味実践的でもある。
次のひとつは交感神経が活発になりすぎてリラックスしておらず、普段と違うジャッジをした可能性。とはいえ今思い出すと、このボードに関してはそんなことはなく、強い確信をもってパスをしたような気がする。
最後のひとつ、もしかしたらこれが一番かもしれないのだけど、ある程度練習し議論した結果pdへの共感力が生じ、「pdが持ったらこうするだろうな」という思いが生まれた可能性。
テーブルでは何事もなく普通に終わったし、前述のとおり翌朝コーヒーを飲みながらお話しした時pdが自分のテーブルでのジャッジメントを尊重してくれたことは、お互いがお互いを理解しあってる事を確認するという意味で、パートナーシップの萌芽なのかもしれない。貴重な体験をさせてくれたpdにとても感謝している
さて、食事の場に戻る。
Kさん「自分は全部言ったよ」
全部、とは?
彼はNorth、そのテーブルでのオークションは以下の通りだったそう。
2H 2S 3D(!) 3H;
P 3S 4C(!?) 4S;
P P 5H(!!!)//
出た、天才のイマジネーション。ちょっと詳細が曖昧だけど、Northが3回ビッドするにはこのシーケンスが有力な気がする。
第1の感想として、結局全部示せるオークションをオーガナイズした事について、上から目線で芸術点を加算したい。特にファーストアクションの3Dは、こういうオークションになる事を思い描いてないとできるものではない。
でも冷静に考えると、3Dから始めて全てのスーツを言おうとするのは5Hまで競ることを前提としたアクションであって、まさか6Hを見据えていたというわけでは無いだろうから、score-orientedでは無いような気がする。5Hまでやるジャッジをしたのであれば、まず即4H言って、4Sを言われたら5Hと競り直す方がXがついて儲かりそうだから。やはり彼はアーティストなのだろう。
あるいはこれは、天才なりの優しさなのかもしれない。本当に3スーツを示すことができたらpdのジャッジはとても簡単になる。オポーネントに優しくしてしまうが、同時にパートナーにも優しくするオークションを構築したということなのでは無いだろうか。
残念ながら凡人には、思いを巡らす事しかできないのだ。
これね。自分はEast。ばってんがついている。
うちのテーブルのオークションは
P 1D X 1S;
P 2C P ?
2Cは2-3メイク。
ハンドを見ればパスするのは簡単なんだけど、しかも右手はSAxxxくらいは当たり前に持っていそうなんだけど、でもオモテにいるならという思いで2S、これは-1、完璧にディフェンスすれば多分-2しそうだけど、そんなに簡単でもなさそう。
P 1D X 1S;
P 2C P 2S//
やっぱよくないジャッジだったかな、と思いハンドレコードにバツをつけて、その食事の場で聞いてみる。
Tさん「僕も2Sで-1」
同士がいた。
さっきのSKリードもそうで、勝手ながらTさんのアクションには親近感がわく。
Kさん「2C言うときは、だいたい5-5なんじゃねーの」
Tさん「いやいや、そんな事ないでしょ」
Tさんに首を振る事しきり。でもKさんのコメントに共感出来ないのは初めてだ。物の道理を考えればそんな事ないのは明らかではないか。
この話を翌朝pdに話してみた。すると彼はすぐに、このように説明してくれた。
「Tの言うことは全ての可能性を考えると当然なんだけどそれはKもわかっていて、その上でこういうアクションを取るときは5-5の可能性が一番多くて、パスがジャッジとして優れてるんじゃないかって事を言ってるんだと思うよ」
頭いい人が多いなぁ。自分のわからない他人の賢をみれるのは、ブリッジにきちんと向き合ってきて良かったことのひとつである。
1日目は検討会が濃厚であった、次の記事に続く。










