今年の秋は忙しい。テニスは全米オープンから始まってLaver Cupもあったし、あんまり見てないけどラグビーもちゃんと見たいと思ってるし、ブリッジは高松や、それにBermuda Bowl(BB)がある。あと何気にでかい試験がある。
それは置いといて特にBBは、試合を選べば化け物たちの宴と化していて、知識欲をかき立てられるから見ない手はない。
"試合を選べば"というのは、ブリッジは本当に傍目八目ゲーなので、フルハンドさえ見えてれば基本なんでここミスるかな、というイモ祭りになってるように見えてしまうからなのだ。僕がプレイヤーより上手いと言ってるつもりは毛頭ない、そういう性質のものだから。例えば高松Aの決勝とかですらそうなんだから、もうしょうがない。集中して見る価値があるのはヨーロッパ選手権、USAのトライアル、ナショナルと、BBくらいのもんだ。
でもこれらの試合は、ここでそんなビッドする?!とかカード見えてないんだよね本当に、とか思うようなプレイ、ディフェンス、リードが見られるから眼福の限りである。それに力が拮抗したチームの対戦を見るのは本当に楽しい。
ちなみにどう観戦する試合を選べば良いかだけど、まずは好きな国、そこから好きなペアとか人を見つけると良いと思う。ユースが終わって数年もすれば、対戦した友達が出場することもある。
国で言えばUSA、Netherland、Polandあたりはいつ誰が出ても優勝しておかしくない。今回は珍しく出れなかったFranceやよく覚えてないけど事情があるらしいMonaco、Norway、Israelあたりもいい。Chinaは強いんだけど近場な上に、アルファベット表記のプレイヤーの名前が1ミリも覚えられないから、あんまり見る気が起きない。
少しツウならEnglandがおすすめ。Tony ForresterとAndrew Robsonは多分僕の生まれた頃からずーっと出てるし、強いんだけど強すぎないというか。錦織みたいで応援しがいがある。
あと多分、酒飲みながらBangladeshとかGuadeloupeとかMoroccoとか観戦するのも楽しそう。間違っても応援してはいけない。ていうかそもそも中継されない。大体Guadeloupeがどこにあるか知ってる?僕は知らない。
プレイヤーは色々いるからデータムとか見ながら当たっていけばいい。
でもとりあえず見ちゃうペアや人があって、例えばUSAのRodwell-Meckstroth、Rosenberg、Zia、ItalyのVersace、Bocchi、Madala、PolandのKalita-Nowosadzki、NetherlandのNab-Drijver、Muller、今回はいないけどHelgemo-Helnessあたりは優先してチャンネルを回す事にしてる。
複数人出てたら?それはもう大忙し。場合によっては捨て垢使って別のデバイスでログインする。
あとは解説ちゃんとしているテーブルが良いと思う。内容についてもそうだし、彼らの雑談なんかも面白い。英語にアレルギーがなければ。
さて今年のBBは中国の武漢でやってるから、遅くまで起きている必要もない。個人的には時差が5時間くらいあるところでやってくれると、夜間に適当に見ればよくなるからよりうれしいのだが、まぁ贅沢は言ってられない。a.m.3:00に最終ラウンド開始とかよりよっぽどまし。
今日の時点でBBは、SFの2日目まで終わっている。BBO中継は基本的にUSA1(Nickell)と、今年はシニア(d'Orsi cup)でやっているMichael Rosenbergを気が向いたら眺めているのだけど、シニアのほうはQFで敗退なので実はちゃんと見ていない。
USA1のほうはラウンドロビンをMeckstroth-Rodwellのペアがデータム1位をたたき出してチームも首位通過しQFへ。QFは16bd×3ラウンドを2日。
USA1はラウンドロビンで、15-5くらいで勝っていたEnglandを指名するも、day1の時点で55-118の60imp負けくらい。
こりゃだめか、と思ったらそこから奇跡の追い上げでday2のR5にほぼ追いつき、最終ラウンドで183-162とEnglandを置き去りにしてSF進出を決める。これは初日のR3くらいからほとんど見たけど本当に凄かった、特に2日目。
Englandがリードを取るところからUSA1が盛り返すまで凄いボードはたくさんあったんだけど、そういうのは公式のBulletinとかに譲ることにして、僕は昨日あったSF1日目の3ラウンド目、Poland戦からボードを一つ書いてみよう。
これをやってたのは大体夕方から夜のころ。僕はPC開きながら葱油拌面を食べながら観戦していたと思う。これは中華麺、醤油、砂糖、葱、油から構成される神デブ食である。バカしか食べない、そしておいちい。今夜も食べようかな。
K9753
94
T8
A972
AJ82
A862
AJ5
K4
4S by下、プレイヤーはMeckstrothとKalita。
OLは、Meckstrothのテーブルでは右にrelayの3Hをダブられて、Kalitaのほうではダブられることなく、同様にHJリード。
そこそこ出来そうだよね、どうプレイする?
…ここからじゃドラマは始まらない。まずはKalitaのプレイから見てみよう。
彼はリードを初巡ダックしてハートコンティニューを勝ち。SAをとると右手がショーアウト(C3ディスカード)してS4-0ブレイクを発見する。3巡目のハートを出すと左手はフォローしてダミーのS5でラフ、右手からはHK。
CA、CKで手に戻り(左手は2巡目にCJフォロー)、さらにH8。左手はD2捨ててダミーのS7でラフ。DT、DKカバー。DA勝ってS2。STが差し込まれてSK勝ち。D8と出すもWestのD9かDQに勝たれて、SQ,S6と出されると手のダイヤを負けざるを得ないのでS1H1D2をディフェンダーで集めて-1。フルハンドは以下。
4-0を当てたまでは良かったんだけどね、なかなかね。さて裏ではどうなっただろう。
MeckstrothはHJをHAで即勝ってH2→H9。EastはHQで勝ってC6。
これは4th bestじゃなくて多分ダイレクトカウント(逆)。リードでも奇数枚はハイロー、偶数枚はローハイと出す。ちなみにローダブルトンはローから出す。
それはさておきCK勝ってSA。ここでS4-0ブレイクを確認(右手はC3をディスカード)。
H8。HTフォローをS5でラフしてD8を流してみる。
D9のチャイニーズフィネスは成立せず、West勝ってD2リターン。DA勝ち、CA勝ち、C7をS8でラフするとSTに勝たれる。
ここでDQを返すとNorthでラフするも、WestのSQ6をフィネスするダミーエントリーがないのでS1H1D1とクラブのオーバーラフをディフェンダーで取って-1。スコアはプッシュ、コメンテーターも特に詳細なメイクダウンについて言及することはなかった。
KalitaとMeckstrothはS4-0を確認した後、本質的にDKQオンサイドを期待したプレイを選択した。MeckstrothはD8を出したところ、仮にDKQが表にいたとしたらスプリットするだろうと考えて、DJを引くのではなくチャイニーズフィネスプランに切り替えたがうまくいかなかったと推測される。
これはBBOのハンドエディターから。DKQが表ならどうなるの?
仮にDKQが表でアナ―をスプリットしてきたら、DA勝って、S2。STを差し込んできたらSKで勝って、ダイヤを出すともうEastはやることがない(のでよく考えてみよう)。ちなみにこの配置ならDA取らなくても大丈夫。
ちなみにKalitaのDTについて、実際はDが手出しになる展開で落ちていくのでD8のほうが良いかと思ったが、DKQのオンサイドを期待しているならダックすれば即できだし、DA上がったとしてもよくよく考えるとメイクしている。味わうように、こちらのパターンのハンドも置いておく。
でまぁ僕は、無理だよなこの4S。出来やしないだろうと思ってダブルダミー解析に掛けたわけなんだけど、いやこれがね、実はできてるんですね。
しかも、どっちも割と惜しい。
多分Meckstrothの流れのほうが考えやすいので、そちらで考えてみよう。
【復習】
HJリード、HA勝ってH2。EastはHQ勝ってC6、CK、SA、Hラフと来てNorthは次に出すカードを選ぶ状況。
まだメイクするという、残りの8枚はこちら。
double dummy問題。さてどうする?MeckstrothはD8を選んだわけだけど・・全部見えてれば簡単だよね。
正解はCA、CをS8かJでラフ。これをWestがオーバーラフすると、返すものがスペードとダイヤしかない。
今までの話から、ダイヤを返すとDを1つ増やしてだめな展開になりそうなので、スペードを返すとそのままスペードを狩り上げられる。残り4枚の状況は以下。
ここでS9を出すと、Eastはどれを捨ててもディクレアラーサイドに1トリック増やされつつ、しかもWestにしか入らない形となる。うわーこれは美しいスリースータースクイズ。
実はMeckstroth、クラブのカウントとCJのポロリからクラブの配置が、3HへのダブルからHの配置がわかっていたので、ダイヤが1枚表にいればメイクするこのプランを選ぶことはできたかもしれないのだ。いやーでも、これメイクしたら失禁しちゃうな。
ちなみにKalitaのほうでは7枚残しの時点までメイクしている。
実際はここでDTと出したわけだけど、ここでクラブをS8かJでラフしに行けば、さっきと全く同じ展開が生まれたわけだ。いやーこれメイクしてたら本当に怖い話。
でもね、もっと怖い話があるんですよ。
…Kalitaはハートを1巡ダックして、HA勝って、SA取って4巡目にハートをラフしたんだけど、その時EastのRobert LevinはHKを捨てている訳です。誰もがHQを持っていることを知っているのに。Kalitaにはこれが、DKQ示唆に見えたのではないでしょうか。
Kalita的には、もともとDアナーが1枚Eastにあるのは期待しているものとすると、もう1枚あるかどうかは50-50なわけ。
…さてこの状況を誘発したのはLevinさんですが、彼にはどこまで見えていたのでしょう…?
もうちょい怖い話、して良いですかね。
KalitaはC5-2だと思ってるなら、Dが表にKQあるとすると、7枚残しの時点でEastにHKQとDKQとCQの12点あるから、ちょっと変かなと思ってくれると思うんです。0445ならシステム次第でなにがしかのOCができるかもしれないし。
でもT3でSA取った時Levinが捨てたのはC5だよね。D示唆はHKでできるから、ここではリバースカウントを出しているとKalitaが推測してるとしたら、Kalita目線でEastのハンドは
-
KQxx
KQxxx
xxxx
になりませんか。
OK、WeinsteinとLevinはナチュラリストなことで知られているから、0445の12点も介入の余地がなかったかもしれない。じゃあもっとリアルに、T3のSA取った時のC2ディスカードと、HKがDKQを持っていると示唆してるとKalitaが読んでいるとしたら…?
HKのシグナルは、パートナーには伝わってディクレアラーはミスリードされてるっていうだけの話かと思ったら案外深い。
多分最後に書いたC2とHKがDKQオンサイドプランを誘ったというのは、多分当たってると思う。あとLevinはワンチャンミスリードを狙って適当に捨てただけに近いと思う、流石に。
でもDKQ両方表の場合でもスリースータースクイズは発生するから、それでもKalitaさんはクラブをS8かSJで切りに行くべきだったと思うんです。そこが見えてなかったのは確実、皆さんもトランプの4-0ブレイクを見つけたら、トランプ短い方のスリースータースクイズを探しに行きましょう。
さてこれメイクしたテーブルあるのかな、とおもってリザルトを探しに行くことに。
BBO中継されたテーブルはダメだけど、BBの裏のSF、Norway v Netherlandはなんと両方で作っていた!NorwayはBoye Brogeland、NetherlandはBauke Mullerが座っている。どちらもすごく上手だから、マジで作ってるかもしれない。
すげーと思って調べてるとVenice Cupでも、対戦しているEnglandとSwedenはともにメイク(裏のSFはともにダウン)、d'OrsiはNetherlandとEnglandでNetherlandだけメイク、IndiaとDenmarkはDenmarkだけメイク、Mixedは全落ちと、6/16のテーブルでメイクしている。
でもなー、S4-0を正しく見つけるくらいなら僕でもできそうだしなー、ダイヤを誰かが間違って出しちゃえばできちゃうもんなー。
BulletinにSFの記事が出るのは明日だから、明日サイトをのぞいてみよう。もしかしたら取り上げられてるかもしれない。
(追記)
→やっぱり記事になっていた。p21、Norway v Netherland。ともにHリードを示唆されてSouthの4S。
Mullerは、HJリードをダック、HA勝って、SAで4-0を発見。CK、ハートラフ、CA、クラブ→S8でラフからのスリースータースクイズと上に書いたような進行だったそうだ。NorwayのBrogelandはまたこれがヤバくて、HJリードをHAで勝ち、HxをHQ勝ち、CリターンをダミーのCA勝ってD8→DJはDQに負け。クラブリターンをCKで勝って、ハート切ってDA、Dラフ。この時点では残り5枚で
K97
-
-
92
AJ82
8
-
-
現時点でH1D1を負けている6勝2敗。
Westにはスペード4枚とダイヤが残っていて、ダミーからC2→S8でラフとするとWestはよさげなリターンがない。実際はスペードリターン勝って、SJと出して、クロスラフで終了のようだ。ハイクオリティなプッシュ。
















