この週末は外務大臣杯、パートナーは前橋ブリッジクラブでお世話になってる数学の先生。
朝は特急あかぎに乗って一緒に四谷へ。その車両にほんと誰も乗ってなくて、よく冷えた清浄な空気が気持ちいい。
5号車で待ち合わせて早速システムの打ち合わせに入る。今回彼とは2/1GFではなくスタンダードで臨むのだ。
そもそも前橋ブリッジクラブを発見したのが3年生の夏。どんなもんかなと思って覗いたら1人上手い人がいてそれがこの先生。いつか試合出ようと思っていたらちょうどコロナで夏休み余裕が出来たらしく、ご一緒することができた。
試合前、2/1にしようか?と提案を受けたのだが、みんな2/1の中スタンダードで入賞でもしたらロックじゃないですか?と逆提案しスタンダードを採用。たしかに2/1たって色々取り決めること出てくるから、ぼくが合わせる方がいい。そう考えたがこれが大変だった。
電車が動き出し、取り決めが始まる。
"1NTリビッド後は?"
"ニューマイナーフォーシング"
"1Cに対してダイヤとメジャーは"
"up the line、44でもダイヤ優先"
"4th suitsってGFなんですか?"
"そうとも限らない"
"1Mに2NTは"
"ナチュラル"
"1Mに3Mは?"
"inv.で3枚か4枚か、サポートの枚数はわからない"
"1NTに2Sは"
"マイナーどちらかのサインオフ"
大変だぞこりゃ…
とまぁ色々あり、まずマイナーだけはフォーシングレイズが必要という結論になって、インバーテッドマイナーは採用。
あと1NTに対する55Mはぼくの採用してるシステムを受け入れてもらうことにした。
乗り換えの赤羽駅でRKCが3014と言うからさんぜろいちよん、と30回ほど唱えていたら1430でも良いよ、自然に体が動くほど使ってないしと譲ってくれ、いちよんさんぜろともう30回唱え直す。
しかしどうなるかと思ったが、このおっさんなかなか上手。十数年前は日本リーグ一部をやってたそうで、所々唸らせてくる。
"変なおじさん"
オークションはWestからフリーランで
1S 1NT;2D//
リードはCA、7が見える。
シグナルはスタンダード、こういう時カウント出す人かよくわかんないけど、カウントが出てるとまずいのでとりあえずHK。HA勝ってダミーからS2,8。ディクレアラー、小首を傾げてJに僕はQ。
うーんマジか、PdはSAxxxでダックしたな。
とりあえずHQを取るとどうやらディクレアラーシェイプは5=2=4=2。流石に落としに行かなきゃ男が廃ると思ってS5と出すと、ディクレアラーは再び小首を傾げ、クラブピッチ。CKも取って、ハイクロスラフノリで3メイクしてるところを2メイクにしてくれた。2D+1されは13/17。
クレームの瞬間ダイヤが全部きれいなのが見えたので、テーブルではスペードを切ってH3-3の下にクラブ消され4メイクされる未来があったかと思うと少しひんやりした。が、よくよく見ると実はそんなことにならず、クラブ2個は取れるらしい。多分ハート出した瞬間に3メイクは確定。ならもっと良いスコアでも良さそうだけど。
と思ってfitsシステムをのぞいてみたが、世の中は広かった。まぁこんなものかな。
これはただのおっさんじゃないな、と思ったところでこんなボード。
僕はNorth、オークションは僕からフリーランで
1D 3C*;
3D 3H;
3S 4C;
5C 6C//
*STRジャンプシフト
で、リードはC3。
ダミーで勝って、SJ流し。
利いて、HA,Hラフ。DAKでハート捨ててスペードで手に戻り7メイク。+1390はNTに負けるので7.5/17。
クレームでパートナーの手を見てびっくり。
今日は利いたから良いけど、スペードフィネス抜けてクラブ返ってきたらDAK取れず即落ち。
お昼の時に、なんでフィネス?と聞いてみた。
「ダミー見て、ハート切ってDAKとって6メイクだと思ったんだけど、A確認しないオークションしてハートを切りに行かなかったから、もしスペード抜けてもハート返って来るんじゃね?と思ったんだよ。クラブ返ってきたらごめんって笑」
いやそれはあり得るな…と思ってフルハンドを見てみる。今回WestがSQxだったとしたら、ハートリターンも正解のクラブリターンもあるけど、ダイヤ返すかも?というのが僕の感想。ディクレアラーにD1枚ないとプレイが変で、1枚あるときはEastも1枚なので、今ダイヤ出すのが最強風のディフェンス。しかもそれはメイクという。
しかし当てるおっさんほどMPで当たりたくない相手おらんな。
「ちなみにストロングジャンプシフトって、後からハート言ってもマジで4枚あると思ってくれないんじゃ」
「強いのは跳ねることに決めたから、跳ねとかなきゃかなって」
まいいかそれはそれで。
あとはリード関連。3つかな?
AQJ63
T87
64
652
オークションは自分から
P P P 1NT;
P 2C P 2S;
P 2NT* P 3NT//
*M4枚ないかも
your lead?
フルハンドは以下。
渾身のH7リードを選択。ディクレアラーはクラブ叩いてダイヤフィネスして9個でジャストメイク。
スペードリードはトリック自然とあげちゃうんだけど、かといってマイナーリードもSK取りに行くテンポあげちゃうので、このリードだけが正解。ささやかに12.5/17。
次のはロジカルシンキング。
We vul. 1st seat.
K65
Q92
KJ72
K53
オークションは自分から。1C!
置いてみてから気づく、間違えちゃった…
1C P P 1NT;
P P 2C P;
P X P 2S*//
*すこーし考えた
危ない危ない、でもなんやかや安全な展開で終えられた。
さてどれだそうか。
your lead?
これ本当に30秒考えた。
相手はパーシャルで止まってるし、パートナーは古いスタイルだから5点はあるかもしれない。だからクラブ振り込みとも限らないんだけど、仮に振り込みだった時にもう一回スローインされるかもしれない。それは最悪なのでクラブは出さないことにした。
一番振らなさそうなのはPdがHJ持ってれば一応の振り込み回避になるハート、味方に要求するものが少ない。でもローハートでいいんだっけ?
ディクレアラーのシェイプを考えてみると、4=2=4=3か4=3=3=3か、稀な4=3=4=2かのどれか。左手のハートは多分max4枚だから、ディクレアラーが2枚とするとパートナーは4枚持つことになる。
我々はニューマイナーフォーシングなので、バルのH4C5で後から2C言うくらいなら、先に1Hで4枚のハート紹介して、1NTリビッドには2Cをやめどころにしそうな気もする。そう思うとパートナーのハートの枚数は3枚、ディクレアラーのシェイプは4=3=3=3か4=3=4=2のいずれか。
この読みは2Sですこーし悩んだのとも整合性が取れて、前者なら流す?いや流さないかと言う判断だから12-14でも強い方。後者ならダイヤとスペードどっちやる?→MPだしスペードか、という感じ。この場合はCAQと、スペードのクオリティがダイヤよりも悪いあたりまで見えてくる。
で右手がハート3枚、ダミーに4枚あってパートナーにHJxxを期待するときは割とHQが優れている。例えば
ダミー
KTxx
ハンド
A8x
だったら、HQリードが最も相手を殺すだろう。ディクレアラーがAJxでパートナーがTxxでも、スローインとか違うこと考えてくれるかもしれない。
そう思って珍しいHQを選択、フルハンドは以下。
ダミー見て、ディクレアラーがハート強い時はチョンボしたか!と思ったけど、リードのHQは勝たされる。よくわからない、うん、よくわからないときは続けよう。H9,T,J,A。
ディクレアラーは自然と僕にDKxxをマークして、DA,Dx。これを上がってダイヤを返すとDQ,ラフ。なるほど、4=3=3=3強め読みで正解か。
クラブリターンはCA勝ち。SJでフィネスしてクラブ。僕のCK勝ち。ハートコンティニューはHK勝ち。クラブバック。
一応僕のシェイプは3=3=4=3に確定するんだけど、ディクレアラーはスペードを外してしまい、ディフェンスでHQ,DK,Dラフ,CK,HKとおまけのSKとって2S-1。これは15.5/17、3NTやって落ちのテーブルいくつかとプッシュ。
スコアを見ると、2Sを作られても12.5/17はありそうだ。
最後はこれ。
"ほどほどがいい"
僕はEast、NSは高校生の時から良くしてくれる親娘ペアさん。
オークションは彼女たちのフリーランでNorthから
1S 1NT;
3S 4S//
リードは、ハートと迷ったけどクラブ。C4,Q,K,A。D5→Aでダミーに入ってH2。HAで上がってCT、S5。
SA勝ってハート切って、SJをSKでオーバーテイクすると僕のSQが出てきて5メイク、4/17。
SQx当てられちゃしゃあないな、そう思ったけどこのボードは滋味深い。PdはHA勝ってすぐダイヤを出すと、DK勝って、ダミーからクラブ出したらC9勝ってダイヤで僕のSQ勝って4メイク。
スペードだしてSA勝って、ハート切ったらダミーからマイナー出して同じ展開で僕のSQ勝ちで4メイク。実は自力で4メイクに出来たのだ。
実はこれ僕がパートナーのクラブ当てちゃったのが問題で、パートナーがクラブキャッシュしたくなったから死んだのだ。もしハートリードなら、HA勝ち、スペードバック。
ここでSAと出せば同じだが、SJに抜けてもマイナーのシンプルスクイズが残るので、スペードのフィネス+マイナースクイズで無限メイク>SQポロリとした人が少し居るのだろう。
それは都合いいかもしれないが、スペードリターンの時、S4-1ブレイクでもSAは危なく、逆にCKがEastならSQ勝ってもクラブを攻められないから、D3-2ならメイクである。SA上がりで大きく得するのはSQポロリくらい。そうした人も居るだろう。
何事もほどほどがいい、ほどほどが。
と一通り書き終わって、シャワー浴びてたら気付いた。もしハートリードしてしまうと、HA勝って、地球人には難しいダイヤシフトしないとあっという間に5メイクされてしまうな。いやー渋いわ。
「だいぶ古いの引っ張ってきたねぇ、あの頃はそこそこ予選通ってたからね」
と言っていた。
この日は結局、午前はAve+、午後は疲れちゃってAve-のトータル49.47%で次の日へ。
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この日の夜は実家に帰った。実家に届いた、統計処理でブリッジのチートを発見する本を回収するためだ。
オモテ面はキモい兄さんがこっち向いてて映画泥棒的な認知的不協和を生み出すデザインか、と思ったんだけど、裏面は筆者のキモいおっさんが顔出ししてるデザインで全体的に救えない。
でも内容はなかなか面白い。
チートを見つける方法で白眉なのは、MF(mistake function) valueという考え方。
MFバリューはトーナメントに対してもペアに対しても計算されるもの。
スコアをダブルダミー基準で見て、
ディクレアラーがミスったときスコアダウン、うまく行った時スコアアップ
ディフェンスがミスった時スコアアップ、うまく行った時スコアダウン
と言う形で計算する。
そのトーナメントが、プレイはうまいけどディフェンス下手な人ばっかだとトーナメントのMFVは上がり、逆だと下がる。
で、ディフェンスチートがあるとトーナメントのMFVは下がっていくんだけど、わかりやすいのは…
数字は年度、Bはバミューダボウル、Eは欧州チーム選手権、OはWBFオープンチーム、Wがヨーロッパウィンターゲームズの略称。
縦軸はボード数、横軸はMFV。
で、矢印の前がオリジナルデータ、後がチートで捕まったドイツ人、ポーランド人、イタリア人、イスラエル人たちのボードを除いたもの。どのトーナメントにおいても見事にMFVが上昇してて、かつチートが騒ぎになった直後の2015バミューダボウルのあと、MFVは一回も1.30ラインを下回ってない。これはcheaterがディフェンスの時符号を送って有利にしていた事実と整合する。
だとか…
これも面白いか。ペアごとにMFディフェンスバリューも計算できて、数字が少ないほどディフェンスが上手と言うことなんだけど…
top87ペアのtop120ペアに対するディフェンス成績を見た時に、Buratti/Lanzarotti(2000年代に発覚)、Fisher/Shwartz、Piekarek/Smirnov、Fantoni/Nunes、Balicki/Zmudzinski(全て2015に発覚)なんかはわけわかんないくらい良いディフェンスをしてるのに対して、Helgemo/Helness、Lauria/Versace、Meckstroth/Rodwellなんかは綺麗に1-1.1のあたりに並んでたり。
に対して検挙されたペアのオフェンスのMFバリューは別に高くなくて、ディフェンスだけやたらMFV高いのはおかしくね?みたいな話を真面目に検討しているのである。他にもチートが疑われるもののまだバレてないペアの名前を伏せて出してみたりと、現代の奇書感もでてるがそこは統計で殴っていく。
統計っぽい修論を書いたものとしてはなかなか興味がそそられる本である。本の見た目がキモいこと以外は。
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試合前、実は全然寝られなかった。
家を出たのが7時前なんだけど、寝れたのは5時45分から6時半までの45分。よく寝る気になったな。
1日目のあと軽く飲んで家に帰り、風呂に入って弟とダベる。大体2時に寝て9時前に飛び起き、朝食を食べて会場へ。
すこぶる調子がいい。7時間をなんとか確保するように寝たいものだ。