どっちが良いとかは言い切れないんだけどね。正味。
もう30年もこの業界にいる訳で、この業界の変遷っていうのも
そりゃモノスゴイイキオイで変化して来た訳で・・・。
たとえば、僕がデザイン業界に入った頃は、T定規で台紙を作成して
雲形定規や円形定規などを使って、烏口やロットリングを使い、
アイコンもひとつひとつ手描きでこさえていた。
デバイダやコンパスで垂直平行を確認し、
文字はQ数スケールで写植屋さんに発注して、それにペーパーセメントを塗り、
切り貼りして版下を作り、モノによっては暗室にこもって紙焼きをして、
写真も暗室に入ってアタリをとり、そういう膨大な時間を費やして
印刷物を作っていた。
イラストもアナログだったから色鉛筆の絵なんてなかなか使ってもらえず、
もちろんフォトショップなんてモノもなかったからレイヤーなんてモノも
厚トレで複数版下にするくらいしか出来なかったのである。
納品にもオンラインなんてモノはないから電車で運ぶ。
B全の絵の納品なんてのは、自分も大変だったが
周りにもずいぶん迷惑だったと思う。
そういう時代から一挙に今の時代に飛んでいる。
今は仕事をしても最初から最後まで顔を合わせない。なんてことも間々あるし、
マックもソフトもネット環境も飛躍的に進歩を遂げている。
気がつけば、仕事部屋に三角定規も見当たらないし、暗室なんてものもない。
でも僕のベースは昔のままである。気持ちも作るモノに対しての意気込みも。
昔は不自由だったから、何より段取りが大事だった。それが作業効率に直結した。
僕はその能力が認められて同世代の奴らより早くADの名刺を持たせてもらった。
その感覚は今も同じなのである。
何も急いで生きようって話じゃない。
でも、便利になった今でも段取りは、だからこそ大事だと言っている訳。
クラウドという考え方もある。どちらかが仕事をしている間はどちらかはお休み。
じゃなくて、その時間に出来る事をしておいて欲しいのである。
僕は仕事が速い!とよく言われる。いや、早いんじゃないのよ。
始まる前に段取りしてるだけ。どうしたら一番合理的なやり方か?
今でも試行錯誤しているだけ。そこが理解出来ないと
あっという間に時代に取り残される。そう思うんだけどねえ。