一見、素晴らしいニュースだが・・・ | 太亮の独言毒言

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日本音楽財団が保有していたストラディバリウスが、
オークションで12億円で落札され、その売上金が全て復興資金に寄付された。

落札されたバイオリンは、詩人バイロンの孫娘が一時所有していたため、
彼女にちなんで「レディ・ブラント」と名付けられた。
1721年に制作された当時からほとんど未使用で保存状態がよく、
ストラディバリウスの中でも高値が付いた。

一見、素晴らしいニュースだ。オグラさんも触れていた。

でも、果たして本当にそうなのだろうか?
僕のような門外漢が意見をするのも如何なものかと思うのだが、
現実には、日本でストラディバリウスの音色を聴ける機会が
減った事だけは事実だと思う。

ストラディバリウスは、どこか一流ヴァイオリニストの象徴のように
思われているが、現実にはヴァイオリニスト個人が保有している例は稀で、
通常上記にも出て来たように
「財団が保有し、ヴァイオリニストに貸している」
のが、ほとんどだと思う。
ヴァイオリニストは、それを使用するにあたり、使用料というか保険料を
負担する(また聞きなので間違ってたらゴメンナサイ)
当然その額は、評価額に比例する。

つまりストラディバリウス一群の値段が上がれば、
ヴァイオリニストの負担は増大するのである。

企画団体が負担してくれるようなコンサートなら良い。
必要経費だからNPOなどでも問題はないだろう。
が、しかし小規模のコンサートでは負担が大きすぎるようになりかねない。
つまり、今までは使用出来た会場で使えなくなる事は目に見えている。

そう考えると、果たしていいニュースなのかなあ?
と考え込んでしまう。

もう一つ、この「レディ・ブラント」1712年に制作され、
ほとんど未使用で保存状態も良く・・・・・。
果たしてこれも良い事なの?
「レディ・ブラント」は楽器でしょう。ほとんど未使用って悲しくね?
じゃ、今まで何のために保存されていたんでしょう?
楽器は素晴らしい奏者に出会って初めて幸せなんじゃないのかなあ?

そもそもストラディバリウスっていうヴァイオリンは、
とても癖があって、良い音を奏でるのがモノスゴ大変な楽器
なんだそうで、
それは昔のイタリアの車の操作にも似た難しさなんだそうな。
(アテフ談)

そう考えると、この「レディ・ブラント」が彼女に相応しい奏者に出会い、
その甘美な音色を発するには、相当な時間がかかってしまうんだろうなあ。
と、安に想像出来てしまう。
果たしてこれは楽器に生まれて来た彼女にとって幸せな事なのかなあ?

首を傾げてしまう門外漢がここにいる。