今年もあと2日ですね。

 

今年も色々なことがありました。

 

去年の今頃は、ゴーストクラブもまだこの世に生まれていなかったし

 

義経千本桜も

 

ブラックプリンスもホムンクルスもありませんでした。

 

来年は、何を生み出せるでしょう。

 

愉しみで仕方ありません。

 

人生は旅だと言います。

 

ならば僕の旅というものは

 

嵐からスタートしたもので

 

この船はなかなか丈夫です。

 

そうそう、万葉集の中で一番好きなうたがあります。

 

大船(おほぶね)に、楫(まかぢ)しじ貫(ぬ)き、この我子(あこ)を、唐国(からくに)へ遣(や)る、祝(いは)へ神たち

by光明皇太后

 

唐国へやる・・・ってのは遣唐使のことです。

 

歴史の教科書にはサラッと・・・紹介されますが

 

当時の航海技術で中国へ行くのは無謀

 

今でいえば、月へ行くより危険が一杯・・・だって、まだ宇宙で死んだ人いませんからね。

 

当時、船旅といえば、無事に戻ることの方が難しかった。

 

それでも、国のために多くの人が唐国へ渡り、国益のために多くを学んで戻ってきた

 

「大船(おほぶね)に、楫(まかぢ)しじ貫(ぬ)き」

巨大な船に機材を沢山装着して・・・

 

「この我子(あこ)を、唐国(からくに)へ遣(や)る」

いまから、この大切な子(遣唐使)を唐国へ送る

 

「祝(いは)へ神たち」

で・・・ここの訳なのですが

 

文学の先生たちの訳だと「どうか、神々よお守りください」となっているのですが

 

僕は違うと思う。

 

そもそも万葉集は、「ますらをぶり」と呼ばれる荒々しさも特徴

 

僕はね・・・これ、光明皇太后が神々に対して、むしろ命令していると感じるんです。

 

大船(おほぶね)に、楫(まかぢ)しじ貫(ぬ)き、この我子(あこ)を、唐国(からくに)へ遣(や)る、祝(いは)へ神たち

 

「国のために、死を覚悟してこの子たちは今から危険な大海原へ漕ぎ出すのです。これを守らずして、何が我が国の神か・・・祝へ神たち・・・・」
 
そう天を睨みつけたような
 
そういう凄まじさをこの歌から感じるんです。
 
よく可愛い子には旅をさせろ・・・などといいますが
 
旅をさせる親心とは・・・慈しみと同時に、このような凄まじさもあるのでしょう。
 
僕らも
 
僕らの両親も
 
そのまた両親も
 
「祝へ神たち」と天を睨みつけたことでしょう
 
終わらぬ船旅
 
来年も続けようではありませんか
 
皆様 良いお年を!