今回の旅の目的の一つに

 

母校での研修というのがございまして

 

母校・・・ロンドン大学なのですが

 

英国内で「ロンドン大学卒業です」というと「どこの?」と尋ねられます。

 

これはオックスフォードやケンブリッジもそうなのですが

 

ロンドン大学やオックスフォード大学というのは大学群の総称で

 

日本でいえば、日大とか東海大みたいな? ほら、浦安とか二高とか独立して運営されているでしょ?

 

伊藤博文や井上馨、夏目漱石はロンドン大学のUCL・・・

 

麻生太郎さんは確か経済系に強いLSEだったはず・・・

 

そんで、僕が卒業したのはアート系に強いGoldsmiths (ゴールドスミス)の演劇学部です。

 

もう、卒業して随分経ちますしね。

 

なんだか、不思議な気分一杯で向かったのですよ。

 

で、このゴールドスミスのあるNEW CROSSという場所なんですが

 

僕が在学していた当時は、ロンドンで一番の危険エリアだったんです。

 

銃撃戦にも遭遇しましたし

 

クラスメイトが腕を斬られたり

 

強盗にあった奴もいましたね。

 

スラム街のど真ん中にロンドン大学が建っているんですよ。

 

当時、英国の大学進学率なんて30%くらいだったはず。

 

とても限られたお坊ちゃまたち・・・・そんなんがスラムにいれば

 

そりゃ絡まれますよ。

 

当時のNEW CROSSの犯罪率って、ジュリアーニが市長になるまえのNYくらいだったはずです。

 

こんなエピソードがあります

 

学校のそばにあるパブで「日本の折り紙教えて」って言われて

 

僕、鶴とか折れないので・・・これでいい?といって

 

紙鉄砲作って

 

ぱーーーーーん!!!

 

って鳴らしたら

 

パブの中の全員がテーブルの下に隠れたとですよ(笑)

 

(ちなみに英国はアメリカと違い拳銃の所持は禁止されていて、警察官でさえ拳銃を所持していません・・・・なのに笑)

 

うっそん!!

 

その時、「ああ・・・僕は本当に危険なエリアにいるんだなぁ・・・」って実感したものでした。

 

それからね・・・

 

一番端の席に座っていたお兄ちゃんがシティーハンターのような手つきで、ジャケットの中の拳銃を握ったのは気づかなかった方向で・・・・(笑)

 

そんな場所でしたのでね。

 

歩いてくる人の歩き方を観ただけで

 

武器を持ってるか、麻薬をやっているかが分かるようになりました。

 

警視庁密着24時とか出演できそうです。

 

そんな母校ですが、オリンピックが終わって、都市開発も進み

 

何、この爽やかな青空・・・

 

 

道にフード被ったお兄さんたちが薬を売ってない!!

 

 

んで、戻ってきたよ!! 懐かしの母校!!

 

ここは数百年変わりなし・・・と思っていたら

 

何・・・この近未来のレセプション???

 

なに?この掲示板に学科のインフォメーションとかも出ちゃったりするの??

 

 

心なしか、すす汚れていた校舎も磨かれている・・・

 

 

廊下もなんか、オシャレに・・・・

 

新校舎が建ってる!!!

 

 

中庭の芝生が綺麗になってる!!!

 

いつの間にお金持ちになったんだ!!?

 

じゃあ、演劇学部なんってどうなっちゃっているんだろう!!?

 

と思い向かうと!

 

おお!看板がなんか変わっているぞ!!

 

凄い!!! 凄いよ我が演劇学部・・・・と思ったのもつかの間・・・・

 

 

え・・・?

 

汚くね・・・つーか、卒業した時のままなんだけど・・・・

 

あ・・・あった。

 

あの頃のままの掲示板・・・・

 

まじ・・・なんで、うちだけこの扱い?

 

リハスタジオも・・・校舎の片隅に・・・・(笑)

 

そして・・・

 

でた・・・この汚いドアの向こうに実技を行う教室がある

 

まだ・・・ある・・・

 

一度外へ出ないと行けない教室

 

ってか、最初これが見つけられなくてさ

 

人の聞いたら、ここを指さされて?

 

え・・・・マジ?

 

この不良のパイセンが後輩呼び出してボコるような場所に教室???

 

って思ったものでした。

 

演劇学部・・・相変わらずで、まあホッとしました。

 

研修の内容には、マジックのタネ的なものも含まれ、知的所有権があるものもあるので

 

ここでは書けないのですが

 

でも、相変わらず・・・僕はこの英国流の演出が好きだなって思いました。

 

1.怒鳴らない、怒らない、丁寧な話し方をする。

 

2.一つの言い方で通じなかったら、二つ目、三つ目といくつもの表現で役者に説明する。

 

3.でも決して自分で演じてみせない。役者はそれを真似しようとする。

 

4.目標だけ共有して、その目標への向かい方は、ある程度本人の自由に任せる。

 

5.でも、目標だけは絶対に変えない。

 

6.演出家は最終決断者であって神でない。スタッフとは平等に議論すべし

 

大学時代、徹底的に叩き込まれた6つのことは、今でも必死に守ろうとしている。

 

でも、研修の最後に7つ目が発生した気がする。

 

「最近、SNSで自分の悩みとか創作の苦しみを書き込むクリエイターがいるけど、私達はエンターテイナーなんだから、陰で泣いて、表では笑っていましょう」

 

そりゃそうね。僕らは人を楽しませるプロだものね。

 

ただね。教授。

 

今、いい人たちに囲まれて仕事していて

苦しみとか、あんまりないんですよ。

 

それだけはお伝えしておきましょう。

 

というわけで、研修会は終了!!

 

 

 

いざ日本へ・・・

 

今回吸収できたこと

 

次の作品に活かします

 

とりあえず次はフェロ☆メン