【がんサバイバー2年生】
私ががん罹患者になってからまもなく2年目を迎えます。
2023年3月に膀胱がんの診断を受けTURBT、BCG治療、水腎症のため尿管ステント留置手術など去年は人生の中でもかなりの経験をした1年でした。

【思い出がつまった場所へ足が向く】
昭和48年生まれの私には心のどこかで
「がんは死に至るもの」
というのが刷り込まれていて手術や検査が怖かった。術後もいつ再発してないか、知らないうちに転移してないかに怯えた。
そんな気持ちを紛らわすためなのかなんとなく少年時代を回想することが増えて治療の合間に小学校中学校時代過ごした学校や野球遊びをしていた広場へ行ったりもした。
小学中学時代通学路だった商店街。正面に校舎が見えます。

昭和の男の子は放課後といえば野球。日が暮れるまで野球に熱中したこのグランドは40年以上経った今も活躍中でした

人は弱気になると原点回帰したくなるのかも。
幼少期の懐かしさに浸りながらも「大人になりこんな形ではあるけどここに戻ってこれた」という達成感が出て治療にも前向きになれた。

【再発予防=具体的に何をしていくのか?】
ここからの記事は私が2023年春にT1G2の筋層非浸潤性膀胱がんを発症して以降、がんの再発予防として取り組んできたことを羅列してみます。
あくまで私の発症したがんに対してなので皆さんに「ぜひともこれやってみて!」と押し売りするものじゃありません。

がんの再発予防は病院での医学的治療以外は本人や家族が自主的に取り組むしかないのでどこから手をつけてよいのかわからないのが現実です。

◎これまで通りにすること
◎少し変えてみようかなということ
を私は本、ネット情報、患者会、自身の経験など様々なツールを使い再発予防としてできることを実践してみました。

ではさっそく備忘録も兼ねて書いてみます。

がんの再発予防で取り組んでいること
【食事編】
①毎朝 6時に朝食時間
◎毎日同じメニュー
(米粉パン・牛乳・ヤクルト・温かい紅茶か緑茶)

・米粉パン(腎機能を守るためたんぱく質は0.2gしか入ってないパンをアマゾンで定期購入。市販の食パン1枚には6gのタンパク質含有のためここで30分の1に抑える)

・毎朝ヤクルトカロリーハーフ65ml入り1本を飲む。
ヤクルトのホームページにはヤクルトに含まれるシロタ菌という善玉菌により表在性膀胱がんを予防できる臨床結果が出てます。
豊島病院さんHPの画像引用

・牛乳は便通がよくなるので大腸がん予防を兼ねて毎朝コップ半杯飲んでいる

・ホット緑茶か紅茶いずれかを飲む。

※朝だけでなく終日カフェイン多いコーヒーや加糖されたコーラ、ジュース、スポーツドリンクはほとんど飲まなくなる。
これはコーヒーと甘味飲料が膀胱がんの危険因子というデータに基づいて直接の予防さらには生活習慣病の予防を兼ねている。


②出勤前に必ず排便。
牛乳とヤクルト効果で毎日ほぼ飲んでから1〜2時間以内に排便あり

③昼食と夕食は必ず野菜優先のメニュー
主治医から食事制限は何も言われてないがこれまで脂肪優先だった食生活を改めて野菜優先へとチェンジ。


今までは見向きもしなかったミニトマトやレタスが好物になる。
人参やじゃがいもの根菜は肉と合わせて使う。
葉物野菜は汁物お浸しなど各野菜の特徴を料理にいかす。

献立の選択肢が多い野菜料理を作る→料理が楽しくなる→妻も協力して健康レシピが確立する→健康食への好循環が生まれる
結果、がんの予後はまだ分からないが会社の健康診断の結果は食生活改善したおかげでほぼすべて基準値内。

④決して脂肪食を禁止とはしない
ラーメン、インド・ネパールカレー、とんかつや天ぷら、回転寿司などの外食は週に2回だけ許してあげる。(1日3食として21食中の2食のみ)その時はおかわりも大盛りも自由。体重が維持できていればエネルギーチャージと考える。また上記メニューにもラーメンならもやしやにんにく、うどんならネギ多め、さつまいも天など野菜もオプションでつけて麺のスープは半分以上残す。

勉強や仕事の効率アップには息抜きが必要。食事も時には好きなだけ食べることが体力維持と日々の健康食チャレンジへの意欲となる

⑤肉類は鶏と豚こまが基本。牛とこま以外の豚はほとんど我が家のレシピには入れず。
豚ナス味噌炒めも量は控えめ
茶色の割合は肉よりごぼうと納豆に軍配上がる

これまで肉といえば牛豚の赤肉、部位なら脂身の多いロースやバラが大好きだったが今はがん予防というより生活習慣病予防のため控えている。
排便コントロールを何も考えてない時は暴食で赤肉、動物性脂肪食優先だったせいか、便が下痢のような形状、においがくさい、時間が不規則だった。
今は肉なら鶏か豚こまを野菜と混ぜた煮物炒め物がほとんどなので排便時のにおい改善、必ず朝食2時間以内に1回、普通の形状と安定している。

⑥魚もしっかりたべる
DHA(不飽和脂肪酸)を多く含むサバやブリやサワラを焼いたり煮たりして美味しく食べる。回転寿司はシャリを含めると塩分多めではあるが生で青魚やマグロが食べれるので月に1回〜2回は行く。


⑦果物は2日に1回は必ず食べる
ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、キウイフルーツ、りんご、いちご
これがうちの果物メニュー
私はがんになる前は果物をほとんど食べない食生活だった。せいぜい果物ジュースで食べた気になるぐらい。今はスーパーに入り最初はどの果物を買おうかな?というぐらいに果物が好きになった。

⑧水分は無加糖の飲み物を1日2.5リットル以上毎日続ける。
これだけは主治医から指導されており「水分をたくさん摂れば膀胱内が清潔になるので細胞付着によるがん化がしにくくなる」ということで実施中。
水分を多く摂るコツは熱すぎず冷たすぎず常温がベスト。
熱いと2杯目までいかずに終わりやすく冬は冷たい飲み物はあまり気が進まない。
私はミネラルウォーターとお茶と麦茶の500ml入をそれぞれ箱買いして常温保存しながら飲んでいる。すると意外にごくごく飲める。

⑨塩分制限はしない
糖尿病や慢性腎臓病を患っている場合1日6g以下の塩分制限が基準になるが私の腎機能e-gfrはまだ47%ある。血圧も平均で上105/下60と決して高くないので今は制限をかけていない。
そもそも塩分は野菜メインの食生活なので自ずと摂りすぎずにすむ。
サラダにかけるドレッシングをカロリー少なめ、味噌汁は減塩にして対処しているぐらい。
その分タンパク質制限は意識しており1日60g以下でコントロールしている。

⑩たばこと酒は全然飲まない
たばこは若い頃からずっと吸っていない。
お酒は大して強くないのに妻ともよく晩酌していたががんに罹ってアルコールを控えるようにしたら当然翌朝は酔いが残らないし不眠にもならない。
真夏の暑い日の仕事帰りには飲むけど冬は一切飲んでない。妻も私に合わせてくれて飲まなくなった。
これも痛風や肝臓の病気から体を守るためには続けていきたい。

世間で話題となっているゲルソン療法はやらない
ゲルソン療法は本気で取り組めばかなりの成果が期待できる。でも「食の楽しみ」が私の人生には欠かせないし肉や魚などのタンパク質も体力維持には必要と思うので控えている。

興味ある方のために簡単に載せておきます
ゲルソン療法の主なポイント
無塩食
・油脂類と動物性蛋白質の制限 
・大量かつ多種類の野菜ジュース
例)人参、国産レモン、りんご、季節の青菜などの野菜ジュースを1回226g、1日4回~13回飲む。 
 ・アルコール、カフェイン、たばこ、精製された砂糖、人工的食品添加物(着色、保存剤)などの禁止 

【生活編】
 ①毎朝5時に起床して猫に朝食を出すのがルーティン。
早起きしないとならないため前日も早寝が基本。21時半には布団に入りトイレ1〜2回。それ以外はほとんど寝ることに徹するも時々猫に睡眠を邪魔されたり…それは睡眠障害まではいかないので全然問題なし。

②仕事は上司に都度相談しながら無理のないシフトにしてもらう。
例)夜勤を外してもらう、BCG期間は注入日から3連休か4連休いただく。
体力、気力ともに体への余分な負荷をなくして心身安定した状態を維持させる。

③仕事の日は約6000〜8000歩。休みの日も同じ位歩く
がんには適度な距離のウォーキングが効果あるのが私の持論。免疫細胞の活性化、五感を使う、のどが渇いて水分摂取が進み食欲もでるため。でも休みに1万歩以上を目標にするとストイックが優先されて五感を使うことが薄れるので適度な距離を歩いている

④趣味のスーパー銭湯巡りに岩盤浴を追加。
私は元々温泉やスーパー銭湯やスパが大好き。サウナも好き。そこに岩盤浴を加えることにより「じっくりじわじわ身体の芯から温まる」ことが意識できるようになる。
また、ブラックゲルマニウムや黄土などはにおいも含めて癒やし効果がある。

⑤休日ウォーキングはできるだけ森林や水のある場所を選ぶ。

林野庁発表の記事

実験の結果森林浴を実施して1日目で早くも26%のNK細胞増加が認められたそうです。つまり近所の自然公園で2時間程度歩くだけで効果が期待できるという手軽な再発予防なのです。




⑤がん患者会への参加

がん患者会というのは「理不尽な現実を突きつけられた人たち」の集いであるとともに「認めたくない」「怒り」「絶望」を経て「受容」「治療への決意」と様々な精神の段階を経験している勇者たちの会合でもある。

私はメンバーさんの治療過程とともにメンタルの持ち方が学びになっている。

さらには仲のよくなったメンバーさんと食事に行くようになり50歳を過ぎて新たな友人ができた。がんになったことでもたらされた出会いに恵まれた。


⑥テレビ離れをして動画に移行

テレビというのは私が子供の頃は必須アイテムだったが大人になるにつれて見てもみなくてもよい番組が増えてきた。

スポーツ中継もダ・ゾーンなどの有料動画サイトに移行したしテレビは最低限見れれば良い。

CMがあり1時間番組のいちばん見たい10分のためにつけたままにして待っているのは今の時代には合ってないと私は思うので私は基本的にテレビはそこまで見ない。

その一方でYouTubeやダ・ゾーンなどは見たいテーマが必要な箇所のみ見れたりスポーツでは得点シーンだけを追っかけながら見れるので時間効率も優れている。がんになってからは時間を無駄に使いたくない心理もあると思う。


⑦旅行の計画とシュミレーションをする

夫婦で旅行に行けるのはあまおう君の留守番リミットが1泊までのため一泊二日が基本。そして日常の仕事やBCGや定期通院の合間を縫って予定するので行けるのはだいたい半年に1回ぐらい。でも旅行は計画するのが楽しみのひとつで2泊3泊でなくても予定した観光地の動画を見たりホテルを調べたりが実はとても大事な趣味の時間でもある。


⑧夫婦で月に2回程度外食へ行く

普段お互いが当たり前の生活を送っている中で外食は日帰りでのお出かけや買い物帰りなどとセットになるのでちょっとしたイベントになる。

夫婦でのありふれた毎日はすごく幸せで大事な時間、そして外食の時は病気の重い話より明るい話題になりやすく楽しい時間を送れる。


⑨活字200ページ以上ある本を月に2冊以上読む

これは今年から設定した私の目標。読書はそこまで好きではなかったが今のネット情報に頼りすぎているこの時代だからこそ小説でもノンフィクションでもよいので雑音なくじっくりと本を読むのは大事と思う。月に2冊、このままずっと生き続けていければ年25冊☓20年で500冊、30年で750冊、40年で1000冊到達。そんな壮大な目標を作るのもありですよね。ちなみに現時点では4冊読了。先は長い(笑)


ご拝読ありがとうございました。