【2月13日】
抗がん剤や放射線の副作用って具体的に何でしょう?
がん治療は闘病中の方、サバイバーの方問わず副作用や周辺症状との闘いあるいはお付き合いを余儀なくされるケースが多いと思います。
強めの抗がん剤や放射線治療のほうがご本人はもちろんですがご家族、親族、友人知人、職場仲間も目に見えて分かる副作用の厳しさ、つらさを共有できることでしょう。
いっぽうで本人だけにしか分からないような「目に見えない副作用・周辺症状」もあります。
私はがん患者会に参加しているため闘病中の方、サバイバーの方の副作用を色々知りました。
やはり腫瘍のできた場所にもかなり影響を受けるようです。
その中でいちばん多い副作用は抗がん剤、放射線により手や足がしびれる、冷える症状です。
個人差があるので日常生活への影響度は判断できませんが手足のしびれ、冷えはたとえば自宅で冷蔵庫から冷えた麦茶のボトルを取り出してコップにつぐ動作でさえ「冷たすぎて麦茶のボトルがつかめない」「手がこわばりうまくつげない」レベルまでいく場合もあります。
そんな副作用に苦しむことより日常のQOL(生活の質)を優先させたいため抗がん剤を途中で中止した、休止したという方に対して私は「それでもなんとか副作用を受け入れて治療がんばりましょうよ!」という言葉は決してかけられません。
他には皮膚の発疹が全身にできたり排泄面での頻尿、頻便などもあります。咽頭、食道などへ放射線照射を行うと唾液が出にくい、味覚が分かりづらいという症状もあります。
一般的に有名な抗がん剤副作用は「吐き気」「抜け毛」でしょうが他にもたくさんの副作用があるということです。
サバイバーの方は少し落ち着いた心理状態で周りの皆さんに話せると思われますが闘病中の方は副作用のことは自分の中にしまってしゃべりたがらない方も多いと個人的には感じます。
なぜなら副作用は自分自身でしか体感できないことでありいくら身近な方がそばにいても痛い、つらい、かゆいという状態を理解してもらうのみで体感している痛みを分け合うことは不可能だからです。
例えるなら出産の際の陣痛をご主人が「妻がとても痛がっている」と理解し思いを共有することはできても「身体のどこがどれだけ痛いのか?具体的には分からない」のと同じじゃないかなと。
私でいえば妻に「副作用の痛みがある」「熱が39℃近くあってだるい」「おかゆ作ってほしい」とは伝えます。決して心配させないようなウソはつきません。
でも自分から伝えるのはほぼその1回で逐一報告にはしません。
あとは妻から聞かれれば答えるか症状が変わったら伝えるのみです。
それは大人だからだと思うし痛みを何度訴えても妻や医師が自分の副作用をすぐに緩和するのは不可能とお互い分かっているからです。
もちろん度を超えた副作用ならば受診や救急要請も必要になるので逐一報告も大事ですが自宅療養での副作用はそこまでにはならないのがほとんどです。
【膀胱がんBCG治療の副作用】
私は自身の副作用しか具体的に話せないためBCG治療の副作用をお伝えします。
基本的にBCG膀胱注入療法の副作用は注入当日か当日夜間にいちばん強く出ます。
免疫細胞が膀胱内に入ったBCG(弱毒した牛の結核菌)という異物への攻撃が強くなり炎症反応による頻尿、排尿痛などの膀胱炎症状。撃退されたがん細胞が血管ごと剥がれて尿道から排泄される血尿、免疫細胞が全身に危険のサインを出してくれることで起きる熱発、発汗。これらの副作用は私も経験しました。
ほとんどのBCG治療患者さんがどれかしら出てくるのではないでしょうか?
特につらいのは排尿痛。
やはりかゆい、だるいこと以上に痛いのはつらいですね。
BCG療法の完走率が15%しかないのはほとんどの方が排尿痛に悩まされて撤退の選択をするのだろうと私は思っています。
トイレ回数はやたら多いのに(1日換算でひどい場合は60回以上。私もTURBTの合併症にあたる前立腺炎で経験しました)おしっこを出しても痛いだけで尿は50ccも出てこない。水を飲んだりロキソニンで痛み軽減を図っても効かない時は全然効かない。
これも個人差がありますが私も3クール目で39℃の高熱が出て排尿痛がピークの時は「次はパスしたいな」と本気で思いました。
「何としてもがんを克服したる!」の信念を貫くために標準治療を完遂させることより平穏な精神と体調になって痛くないおしっこを優先したい心境。
私はブログでもリアル生活でもポジティブにしているつもりですがそんな人間でも副作用が強いとメンタルがふらついてきます(^_^;)
【ずっと続いている副作用】
膀胱がん再発予防のBCG維持療法の3クール目(通算12回膀胱注入)を終えてから2週間が経過しました。
3クールでは副作用が本格化してきて2度の高熱に強めの膀胱炎症状が出ました。
今は通常の身体に戻ってきましたが副作用がゼロになったとはいえないです。
長いスパンでみれば第1クールから出た副作用が今も残っています。
排尿面では去年4月に膀胱腫瘍のTURBT切除手術を受けてから排尿時の痛みがBCG第1クールが終わる7月まで続きました。
痛みが改善した8月以降今に至るまでトイレでのおしっこは「いつ急に痛みがまた来るか分からない」と敏感になり常におしっこは息を止めて尿道に力を入れておいて不意打ちの痛みに備えています。
まあこれはメンタルもあるでしょうね。
梅干しを食べずにじっと見ているだけでも唾液が出てくる現象と同じです。
【関節炎もあり】
BCG治療では膝や腰、背中の関節痛が起きるとも言われていますが私は第1クール後半に左手第一指(親指)に痛みが出たのと両膝も痛みが出ました。
駅の階段も手すりにつかまりながら昇り降りしていました。
両膝の痛みは1ヶ月後に消滅しましたが左手親指は半年以上経過した現在もまだあります。
日常生活には大きい支障はないですが立ったまま左足の靴下を脱ぐ時の動作は左手親指が痛くなるのでしてないです。
また、第3クール中に左手第五指(小指)にも関節痛が出て今も続いてます。
抗がん剤でもBCGでも「末梢神経」に副作用が出やすいそうなので指の関節炎は理にかなった副作用といえるかもしれないですね。
でも今はそのぐらいです。
おしっこの痛みや炎症感もないので仕事もふつうにしています。右の尿管にステントが入っているのですが影響は感じないので順調かなと。
あとは3月の膀胱鏡検査まで束の間の安心期間になるため食事と運動を気をつけながら仕事&趣味に励みます。