【6月9日】
今日から私の膀胱がん再発予防標準治療としてのBCG膀胱注入がスタートになる。

前回ブログで触れたがBCG膀胱注入療法は表在性がん(筋層非浸潤性膀胱がん)でリスク分類小中高のうち中リスク高リスクに適用される。
具体的には
《筋肉層のひとつ手前にあたる粘膜下層に腫瘍が入り込んだ深さT1》
《膀胱内に悪性度は低いが多発している》
《前回BCG治療を行わずに再発した》
《悪性度が高いG3》(グレード3段階中いちばん高い)
《平べったくナメクジのように粘膜にへばりつく上皮内がん(CIS)》
などに対しての標準治療だ。




特に上皮内がんの場合、現在のところTURBTで全てを削り取るのが難しいため(内視鏡的手術で原発巣と深さの特定ができない)予防ではなく治療になる。上皮内がんをBCG注入療法により根治できる確率は70〜80%とかなり期待ができる数字が出ている。
もしBCGの効果がでなければその上皮内がんは免疫耐性がある悪性度の高い腫瘍ということで膀胱摘出になる。

予防治療として表在性がんにBCGを注入する場合も再発率が0にはできない。
ネットで閲覧した色んな臨床データを見る限りT1高リスク非浸潤性膀胱がんでBCG注入療法を実施した場合の再発率は20〜30%、BCGも抗がん剤も無注入の場合の再発率は60〜70%というところになる。
もっとも膀胱がんは『空間的・時間的な多発性』が特徴なので再発は想定内ではある。
では再発時の特徴はというと筋層浸潤性がんとして再発する確率は10%前後。
この確率は低いともいえるが3回再発した場合には30%、6回再発したら60%に上がってくる。
ほとんどの患者は3ヶ月に1度の定期膀胱鏡検査を2年、以降も半年スパンで検査を続けていくのはずなのでT1G3超ハイリスクといわれる群でBCGを実施する場合(BCGをする時点で膀胱全摘手術に切り替えてもおかしくない状態)を除けばたとえ再発しても再びTURBTを実施していけば膀胱温存は可能だ。

【TURBTを繰り返すと膀胱粘膜が弱まって筋肉層へ浸潤しやすくならないか?】
私が読んだ泌尿器がん全般の本にそのような患者の質問があった。泌尿器科医師の回答は「膀胱の粘膜はとても丈夫です。TURBTで粘膜層を削り取ってもすぐに元の状態へ再生するのでご心配には及びません」だった。

そのため「BCG注入したって3割4割再発するなら意味ない」とは考えずに積極的に受けたほうがよいと私は思います。
副作用が強ければ医師判断または患者が医師に相談のうえでBCG治療を中断、中止もできますので。

【長い通院治療の1日目】
8時半にS総合病院へ到着。

さっそく尿検査を行った。
BCG注入後は尿を2時間我慢しないとならないためBCG諸先輩方のブログを参考に私は病院に着く2時間前から水分を控えた。
尿検査後は診察室に呼ばれる9時45分までに2回トイレに行き排尿。
量はいずれも少量だ。今の膀胱内はかなり隙間がある。

9時45分に診察室に呼ばれて尿検査結果は良好、副作用に備えて抗生剤と痛み止めを処方しておく説明を受けた。
あとは準備ができるまで待合室待機。
念のためもう一度トイレをすませたがほんとに少量だけ。あとは刺激症状での尿意がこわい。

10時10分
診察室奥の処置室に呼ばれていよいよ20回以上にも及ぶBCG膀胱内注入維持療法の初回が始まった。

膀胱鏡検査の時と違い簡易ベッドに横になり先生が細い管のついた注射器を持って現れた。
尿道カテーテルを抜く時の痛み以来1ヶ月ぶりの尿道への管。やはり痛いかな?
先生は先に痛み止めと思われるゼリーを塗ってくださるが量はたいしたことない。
その代わりBCGの管は細いように見える。
そしていよいよ注射器の管が尿道へ入ってくる。

痛みの頻度を微痛・普痛・激痛に分けるなら普痛だ。いてっと体に力が入る。そして痛みを感じているうちに管は膀胱に達する。挿入から痛みを感じて痛みが取れるまでは約10〜15秒。終始痛いのではなく尿道の部分部分という感じ。
痛みはツンとした感覚。BCG自体が熱を帯びていたのか分からないが管が通る間は熱さを感じた。
先生が「大丈夫ですか?」の声に私は「大丈夫です」とやせ我慢ながらしっかりと声を出して答えられた。

膀胱鏡検査の時に比べるとだいたい同じレベルの痛み具合か。
挿入された管が膀胱内にある時は痛みはない。
そして先生から「注入しまーす」の声。
次の瞬間熱い液体が放たれた感触があった。
管を抜く時はそれほど痛みはなく済んだ。
長々実況したが一連のこの注入劇は1分あったかどうかだった。

BCG注入が終わると院内で自由にすごしてよいこと、1時間半から2時間を目安に再度処置室に来て排尿することだけ指示をいただいた。
ちなみに1時間半もたずに尿意が出たらその時点で排尿してもよいそうだ。
BCGの膀胱滞流時間は仮に30分しかなくても効果がある場合もあるし2時間でも再発リスクをゼロにはできない。あくまでエビデンスに基づくということなのだろう。

また、処置室に残り身体をうつ伏せにしたり横にしたりすることをしたというブロガーさんもいたがS総合病院では5年以上前にその方式は廃止したらしい。
これも結局はエビデンスということで注入後は座位だけでも膀胱全体にBCGは行き渡るという。

10時20分過ぎに処置室を後にしてまずは待合室でこのブログの下書きをして時間を稼ぐ。

やはり2時間はトイレを我慢したいのでおしっこから気をそらすために集中してやれることをやってみる。

下書き作業をしているうちに早くも40分が経過してくれた。

11時過ぎ。
注入から40分が経過したが尿意はきていない。
BCG治療経験者の皆さんのブログのおかげで私は朝から水分少なめにしておき排尿はBCG注入直前まで出し切れるところまで出しておいた。
あとは残り1時間20分をどう過ごそうか。
尿意がない分身体に余裕があるので私は一度病院の外に出て音楽を聴きながら病院周辺を歩いてみることにした。
座して待つのもよいが普段は身体を動かす仕事をしているだけにどうせなら『歩いて膀胱内にBCGを染みわたらせてみよう』と300メートル位歩いてまた院内に戻った。

11時45分 残り30分。
ここからは少し尿意がきたが私の前立腺炎発症時の頻尿ぶり(15〜20分後に尿意→少量排尿のループ)からすれば序の口レベルだ。
食べ物制限はないので院内コンビニでメロンパンを購入して食べながら時間を稼いだ。同時に排尿30分前から水分補給しておくのがよいという経験者のブログに倣い紅茶もたくさん飲んだ。

残り10分は院内の階段脇で20回位ジャンプしてみた。
効果の程は不明だがとにかくBCGの結核菌を膀胱に行き渡らせて免疫細胞に叩いてもらおうという気持ちから出た行動だった。

【2時間我慢できた】
今日のミッションの中で1つ目はBCG注入時の管の痛みに耐えること、もうひとつは注入後初回排尿まで2時間我慢することだった。
2つのミッションは無事クリアできて気分よく泌尿器科受付へ戻る

処置室前に設けられたトイレで紙コップに排尿する。
BCG注入後最初のおしっこは結核菌を排出するため私は透明手袋をした手で紙コップを持ち尿を出す。
排尿時痛は出ていない。
色はやや黄色がかっていたがBCG液の色が不明なので良いのか悪いのかは判断がつかない。
量は300ccほど。かなり出た。

紙コップに出した尿は処置室のほうに回され濃い血尿など重大事案がないことを確認したうえで今日の受診終了が伝えられた。

今日は通常の外来受診されている患者さんとは別行動といった感じで診察室にはほとんど行かずに処置室と併設トイレのみ使用の通院だった。

12時半に精算を済ませて車で薬局に寄り抗生剤と痛み止めを受け取り自分へのお疲れ様という名目で味噌ラーメンで有名な田所商店で遅めのランチをして帰宅した。

帰宅後はゆっくり過ごした。
副作用が予想される排尿時痛、頻尿、発熱はまだない。
まあこればかりはBCGに限らずコロナワクチンでも高熱が出たし重度のライター症候群にまでならないならよしとしよう。

夕方はアマオウと遊んだり夕飯を作る元気があった。

ご拝読ありがとうございます。