皆さんこんにちは
がん告知後の1週間
(3月1日〜7日)
【※今回の記事は筋層非浸潤性膀胱がんについての話をメインにしております。筋層浸潤性膀胱がんの疑いを現在持たれている方、罹患中の方、すでに罹患され治療中、治療後の方、ご家族の皆さまにとってこの記事は不快に感じられるかもしれませんので筋層非浸潤性膀胱がんに関心を持たれていない皆様はこの記事は見ずにスルーしていただければと思います】
【膀胱がんを徹底分析】
私がとことん膀胱がんを調べた理由のひとつは前回ブログで書いた「この病気をよく知ることで検査、手術に対する恐怖心や不安を軽くする」ことは間違いない。
そしてもうひとつは
「死だけは避けたい」というもっとも単純な理由から調べ始めたのだと思う。
最初は「死亡率」や「5年生存率」なんていう不吉で見たくないデータを嫌々ながら見ることにした。
膀胱がんの概要
統計情報のまとめ 診断される数 (2019年) 23,383例(男性17,498例、女性5,885例)
死亡数 (2020年) 9,168人(男性6,244人、女性2,924人)
5年相対生存率 (2009~2011年) 73.3 %(男性76.5 %、女性63.0 %)
〘国立がん研究センター調べより引用〙
おや?早期や末期すべてひっくるめての5年生存率が73%って意外に期待持てるデータじゃん。
だったらおれはその73%の中に入れるのかどうかを徹底的に調べてみよう。
それがスタート地点だった。
望みが持てそうだから都合よいデータを引っ張り出して検査、手術の前に心の拠り所にしてやろう。
そんな心境で始めたデータ収集だった。
【膀胱がんの特徴を掴み私の腫瘍タイプを分析】
・膀胱腫瘍は悪性腫瘍が90%以上、良性腫瘍が10%以下となっている。
つまり膀胱内に腫瘍が見つかった場合、良性の可能性はかなり低い。
〘膀胱がん3つのタイプ〙
乳頭状がん→正式には筋層非浸潤性膀胱がん。
こちらは腫瘍を内視鏡手術で切除して以降は低リスクなら再発予防の注射を入院中に1回だけ打ちその後は3ヶ月に1回の通院膀胱鏡検査で再発がないかをチェック、中リスクなら退院後も6〜8週間連続で週1通院または短期入院して膀胱内に抗がん剤またはBCGを注入、高リスクだと浸潤リスクをはらんでいるため治療方針検討だが2回目切除手術、3回目切除手術を実施して根の部分を断ち後は中リスク同様に膀胱内に抗がん剤またはBCG注入を複数回行う治療が基本。多発性や再発時や腫瘍の悪性度が高い場合は膀胱摘出+新膀胱設置手術も検討となる。
このタイプはカリフラワー状、イソギンチャク様とも言われ表面に乳頭状のボツボツしたものがあり膀胱がん患者の70%がこのタイプ。
浸潤性膀胱がん→粘膜より深い筋肉層まで腫瘍が侵入した状態。「転移のリスクが高い」と考えられる。
粘膜層は膀胱のいちばん内側を囲っている層でここまでの深さなら転移のリスクはあまりない。筋肉層は血管がたくさん走っているため転移リスクありとなる。
同じ筋層浸潤性膀胱がんでも筋肉層にとどまらずさらに下の脂肪層まで浸潤していた場合は転移しているものとしての治療が基本となる。
筋層浸潤性膀胱がんの場合は膀胱摘出+新膀胱設置手術が標準治療になる。
ただし、罹患者、家族の希望により膀胱摘出を望まない場合は先進治療・自由診療としての「膀胱温存療法」という選択肢もある。
この筋層浸潤性膀胱がんは膀胱がん患者の20%を占める。
上皮内がん→膀胱粘膜に扁平上にへばりつき発見しずらいのが特徴。浸潤リスクはあるがBCG注入の効果が期待できるためまずは温存療法になる。ただしBCG療法の効果は70〜80%のため効果がない場合は筋肉層への浸潤、転移リスクが高まるため膀胱摘出+新膀胱設置手術が適用となる。
【初めて膀胱腫瘍が確認された時の腫瘍形状が私の心の拠り所になる】
2月28日に地元の泌尿器クリニックで初めて腫瘍の存在が分かったあの時の診察室内での膀胱鏡画像説明で「このイソギンチャクみたいな形のものが腫瘍です」と先生は言われた。
他の言葉はあまり覚えていないがこれだけははっきり覚えていた。
形的には膀胱内にイソギンチャクがゆらゆら動いているようで正直気持ち悪い腫瘍に見えた。
だがこのイソギンチャク様の腫瘍(通称・乳頭状表在性がん)は膀胱がんにあっては「悪さをあまりしないタイプ」であることが調べるほどに理解できた。
乳頭状表在性の膀胱がんは放置していくうちに筋層に浸潤していくとも説明されているので浸潤リスクはあるものの浸潤性がんの形状は乳頭状とは異なりもっと岩のような形で表面に乳頭状のようなつぶつぶがないのも特徴になる。
私の腫瘍は明らかに乳頭状だったので3月7日の検査前までに安心材料は得られたかなと思えた。
それでも不安であることには違いない。
「がんはそもそも細胞のエラーで発症してくるのだから乳頭状=浸潤はないとはいいきれないのではないか?」
「私はタバコは吸ってなかったしまだ50歳前なのに膀胱がんになった。このタイプは突然変異でやっかいな腫瘍になりやすいのではないか?」
ほぼ根拠のない憶測も考えるほどに「もしかしたらありえるかも」と思うと居ても立ってもいられない気持ちになる。
仕事には集中していたが自宅ではとにかく例外的な浸潤リスクはないのか?を調べもした。
膀胱がんのフォーラムで泌尿器科医師が一般市民向けにわかりやすく講演している動画も何本か見た。
結論は出ないし検査や手術後のほうがよほど真実がはっきりするのだろうが膀胱がん発症後1週間は相当気持ちが動揺して葛藤もしていたことがわかる。
そんな時期を経て次は3月7日の受診記録に続きます。
ご拝読ありがとうございました。
