子供の頃から思ってることをベースに
拵えてみました
↓↓↓
真似事ばかりしてた小学生時代
中学に上がり必要なことを調べ始め
高校では無理矢理頼み込み
近所の美容院で受付のバイトをして
バイト代のかわりに色々と教わった
専門学校に入り必死に勉強して首席で卒業した
様々な資格ももちろん一発で取得
そして
表参道にある美容院に就職できた
晴れて念願の美容師になったのだった
だからといって
すぐにお客様の髪を切れる訳ではなく
所謂下積みがあるわけで
そんなある日の閉店後
練習で同僚の髪を切ってるときだった
そのときは会話はしてなかったのだが
ふと同僚の
「そこそうじゃねんだよな…」
という声が聞こえてきた
「ごめん。違った?」
そう同僚に言うと
同僚はキョトンとした顔で
「口に出てた?」
「え?あ…うん。」
「じゃあ、こんな感じにして」
「わかった」
そんなやり取りをした
そのときはそれで終わったのだが
髪を洗ってるときだった
「腹減ったな…」
ハッキリと同僚の声が聞こえた
そのときはたまたま顔を見ていたから
喋ってないのはわかっている
不思議には思ったが
そのときはとりあえず一通り終わせた
それから数日後
今度はお客様のシャンプーをしてるときに
同様なことが起きた
ただ周りの話が聞こえたのだと流したが
やはり気になった
そしてその後もしばしば
似たようなことが起きた
なので同僚にお願いして
練習で髪を切ってる間
とりあえず何か考えてもらうことにした
そして髪を切ってるときに
さりげなく頭を触った
声が聞こえるのは
頭を触ってるときだからだ
ゆっくりと同僚の頭に触る
「あー、コンサート行きてぇ!」
やっぱりそうだった
他人の頭に触れると
その人の考えてることが
わかるようになっていた!
動揺を抑えつつ
練習を最後まで行った
同僚はなんであんなお願いしたのか
聞いてきたが適当にごまかした
初めはこの能力が楽しかった
有名人のお客様もご来店するので
そんな人種の心の中を覗けることが
とてもたまらなかった
しかし
周りに話すことは
やはり憚られるので得た情報は
一切漏らさなかったのだが
それはそれでかなりのストレスが溜まる
言ってはいけないこと程
言いたくて仕方がない
すごい言いたいがこういった話が
どこにどう流れるかわからないし
そのことで
店や従業員に迷惑をかける可能性もある
そして…
ストレスがピークに達する前に
店を辞めることにした
迷いに迷った苦渋の決断だ
しかし
精神的にかなりキツかったのも確かだった
辞めてからも大変だ
ずっと憧れてた仕事の為に
子供の頃から時間を使ってきたので
それを辞めてしまったことで
何をすればいいのか何がしたいのかが
全くわからない
そんな無為なときを過ごしてたある日
なんとなくペットショップに入った
そしてそこにいた犬の頭を撫でた
すると
「撫でるの下手だな」
なんと声が聞こえたのだ
それは鳴き声的な感じではなく
ハッキリと日本語で聞こえたのだ
驚き過ぎて直ぐにペットショップを出た
「動物の声まで聞こえるのかよ…」
自分自身に気持ち悪さを感じつつ
しかしそれでいて
なんとなく光が見た気がした
そして…
今は獣医を目指している
会話を出来るわけではないが
声を聞くことが出来るのは
大きく役に立つのではと思ったのだ
だがもちろん
簡単になれるものではない
自分は今
新しい目標に向けて日々勉強している
「誰か試験中頭を触らせてくれないかなぁ」
半分本気だ
髪切られてるときに
「考えてることを読まれてたらどうしよう?」
ってこと思ったことありません?
自分は未だに思います 笑笑笑