こんにちは、リエートです。
ピエーノが探してくれた春の歌の中に、
「越天楽今様」というのがありましたので、
それに関するお話をしたいと思います。
<越天楽今様(えてんらく いまよう)>
雅楽「越天楽」の旋律に歌詞を付けたもの。
現在残っている中では最も古い日本の歌とされている。
というわけで、説明は以上です。
でも、これではなんのことか分からないので、
元になっている「越天楽」について。
越天楽、という曲はきっと皆さん聞き覚えがあると思います。
ジャンルとしては「雅楽」。
その中では最も有名な曲で、
かつては舞も存在していたようですが、
今は曲のみが伝承されているようです。
曲は平調(ひょうじょう)という旋律で演奏。
平調とは主音の最初の音が「ほぼ、ミ」だそうです。
「ほぼ」というのは、正確にはミではないから。
確かに……雅楽ってドレミファソラシドでは表せない音、
いっぱい出てきますもんねー。
……。
雅楽の説明って、本当の専門家にしかできないし、
聞いても「???」ということも多いので、
僕からの説明はここまでです。
この越天楽に歌詞をつけたものが「今様」で、
「今様」というのは現代風のという意味ですが、
現代といっても平安~鎌倉時代を指すので、
僕たちから見たら「昔」ですね。
でも、いろいろな歌詞をつけ、舞に用いたりした「今様」は、
当時大変流行し、後白河法皇もこれを好んだと言われています。
ご、後白河法皇!!
直近では「鎌倉殿の13人」の西田敏行さん!
この「越天楽今様」、「レミソラシ」という音階になっています。
この音階は民謡音階とも言われ、日本の伝統音階です。
例えば宮城道雄の「春の海」の中では、
まんま、この音階が出てくる部分があります。
西洋的には5音で成り立たせた旋律を
「ペンタトニックスケール」と言い、
日本のわらべ歌にも見られますが、
西洋音楽でも幅広く用いられています。
ジャズの即興演奏なんかがいい例です。
「ミ」と「ファ」、「シ」と「ド」のような半音がないこと、
音同士の間隔が「完全5度」となることから不協和音になりにくく、
即興演奏にはもってこいのスケールになるというわけです。
おお、こういうふうに見ていくと、
越天楽今様が本当に「現代風」に見えてきた!
では聴いてみましょうか。
まずは先輩・越天楽です。
そして、後輩・越天楽今様です。
歌詞は七五調。
この動画では輪唱になっていて、
よくよく聞けば合唱とは違った音の重なりがあります。
人によっては聞きづらい重なりかもしれません。
あれ? なんでこの曲の話をしてたんだっけ?
あ、歌詞が春だったからか!