こんにちは、リエートです。
「うれしいひなまつり」の項の最後で触れた
「ハワイ撃滅の歌」ですが、ちょっと調べてみました。
作曲者が同じだったことから派生した話です。
センシティブな話なので先に言っておきますが、
僕は戦争を肯定しているわけではなく、
この歌を「いい歌だ!」と思って採り上げるわけでもありません。
当然、戦争の話をしたいわけでもありません。
単純に、「うれしいひなまつり」の作曲者・河村光陽が
軍歌の作曲もしていたという事実に気づき、
どういう歌だったのか調べてみた、というだけのことです。
感情を交えずに事実だけを書きますと、
「ハワイ撃滅の歌」の詞は、
太平洋戦争の真っ只中だった1942年4月、
日本は戦争に「必ず勝つ」信じられていた頃、
時雨音羽によって書かれました。
前年の12月8日、日本軍が真珠湾攻撃を行ったところから始まっています。
時雨音羽は、戦時中は軍歌の作詞もしていますが、
「君恋し」や ♪山は白銀~で始まる「スキー」の作詞者でもあるんですよ。
しつこいですが、戦争や歌の良し悪しについて議論する気は全くありません。
そういう議論をしたい方は、他の場所を探してください。
というわけで、本題の「曲」の話をしましょう。
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詞先だったか、曲先だったかは分かりませんが、
この歌は、いわゆる「陽音階」で書かれています。
軍歌はほとんどがこれじゃないかなと思います。
この曲も、歌詞を見なくても軍歌であることだけは分かったでしょう。
「レミソラド」という日本伝統の音階ですね。
軍歌でも、音階的にそうではないものもありますが、
リズムやテンポからいうと「ザッ・ザッ・ザッ・ザッ」と
行進していくような拍で書かれているものがほとんどです。
河村光陽も軍歌はそのように作っていますが、
うれしいひなまつりやかもめの水兵さんに関しては
どちらも「(ドミソラド)」の音階で作曲しています。
(うれしいひなまつりはちょっとだけイレギュラーです)
軍歌の作詞・作曲者は、別に軍歌ばかり作っていたわけではありません。
「同期の桜」の作詞者・西条八十なんて、
「青い山脈」や「東京音頭」の作詞もしてますからね。
どうしても、軍歌を作って士気を高める必要があった時代が、
80数年前までの日本にはあったということか……空しいな。
しかし、
もう二度と、どっかを撃滅するような歌が生まれないように祈ります。
それが「歌われて当たり前」にならないように。