【令和3年度入試】宗教系学校における大学入試合格実績② | 大納會/大納会

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【令和3年度入試】宗教系学校における大学入試合格実績 | 大納會/大納会 (ameblo.jp)

 

【躍進校まさかの1!? 極めて厳しい入試結果に】

下馬評通りというべきか、ざっと合格校を眺めて文句なしの躍進といえる学校は残念ながらありませんでした。

 

創価は京大に1名合格者を出すも前年の東大1、東工大1が続かず、最難関国立大においては▲1、そうした中で全国公立で考えると前年9に対して本年13は健闘と言えるでしょう。

 

関東勢はもともと偏差値の高い学校が少ないという点もあり、その他の学校から最難関国立大の合格者は0。

幸福の科学学園(那須)もついに東大合格者が途切れました。

幸福那須校はもう一つ特徴があり、これまで明記していた卒業生数を非公開にしています。

「高等宗教教育機関」と名付けたハッピーサイエンスユニバーシティ(HSU)へは2019年度から69→67→65と若干下降傾向にありますが、卒業生数を隠すほどではないとも思われます(ちなみに2019年度の卒業生は98、2020年度は94です)。

一方の幸福の科学学園(関西)は卒業生数94名と明記しています(同じく2019年度は91、2020年度は97)。

例年合格実績用のpdfを作成する同校であることから、意図的に卒業生数を削除したのは明白です。次年度も目が離せません。

 

関西校の実績は前年の東大1に対して本年0、その他最難関国立大への合格者も出ておらず、関東と比べてやや苦戦している印象があります。

とはいえ国公立合格者は前年15に対して本年も15と同数をキープしています。

 

関西での健闘校は天理です。国公立前年35に対して本年45と大幅増。関関同立も前年26に対して本年24とほぼ同数の合格者を出しています。

一方で天理大への進学者が2019年度から137→130→107と、今年大きく減らしているのが気がかりです。卒業生数は前年410に対して本年415とほぼ変わっていません。

 

関西の進学校の雄である智辯学園はどうでしょうか。

辨天宗本部傍の智辯学園は、国公立大学前年54に対して本年57で微増、神戸大に2名合格しています。

関関同立も前年54に対して本年63と着実に伸ばしています。

卒業生数が前年187に対して本年159なので、今年の入試情勢を鑑みても躍進と言えるでしょう。

 

次いで智辯和歌山です。

国公立大においては、前年171に対して本年141。総数は減らしていますが、東大が前年5に対して8、京大も前年8に対して15と増やしています。

関関同立は前年175に対して本年176と、こちらも健闘しています。

 

2004年に開校した智辯学園奈良カレッジは、国公立大前年47に対して本年42、関関同立は128に対して53と苦戦しています。関西、立命館の合格者が半数以下に落ち込んだ点が大きく影響しています。

 

金光学園の進学校である八尾高校は国公立54に対して43と苦戦していますが、昨年出なかった京大合格者が1名出ています。

関関同立も169に対して151とやや減らしています。

 

以上のように、総じて前年よりも厳しい結果になった学校が多く、前々年と比べても年ごとに微減傾向が続く学校が多くあります。

これらは冒頭にも上げたように、必ずしもその学校の学力が下がっているとは言い切れません。

入試に関する様々な情勢が、宗教系学校のみならず全ての高校に対して合格者減という現状を突き付けられています。

大学入学共通テストもいよいよ始まりましたが、その制度・仕組みについてはまだ模索中といえるところもあり、受験生の安全志向・総合型選抜をはじめとした推薦入試へ流れる傾向はまだ続くと予想されます。

加えてコロナ禍における影響は昨年に留まることはなく、基礎学力を学ぶべき高校2年・1年次に影響を受けた今年・来年の受験生の方がより深刻だとみることもできます。

 

果たして来年度はどの学校が躍進するのか、今年一年の学校運営のあり方が問われるとともに、全受験生の健闘を願っています。