熊本・宮崎ツーリングダイジェスト 五日目 坂本~人吉。(2/2) | 水辺の土木遺産

水辺の土木遺産

水辺の土木遺産、冠水橋や流れ橋、石橋やレンガ樋門など、自転車で見て回りながら、ついでに狛犬なんかも追いかけています。

前回は適当なところで終わりにしましたが、

引き続き、球磨川沿いの一般車はできるだけ右岸を通るようになっている辺りで、

左岸の肥薩線の線路沿いを熊本豪雨災害跡を走ります。

 

 

こちらは吉尾駅。

この辺りでもホーム前の線路の路盤が仮設道路として舗装されていますが、

元の道路の整備が一段落したらしく、現在は道路側が通行路線にされています。

 

そして、

この辺りまではトンネル部分では頑なに元の道路を通らせてきたわけですが、

それが難しいほどに道路が被災したという事でしょうか?

 

 

この辺りからは仮設道路は肥薩線のレンガ隧道に飛び込んでいく形になります。

ただし、見ての通り、仮設の信号による交互通行ということになります。

 

 

本来であれば一般人は通行どころか車窓以外からは見ることもできないレンガ隧道を、

自転車で何本も堂々と通行できるのは、不謹慎ながら少し嬉しいところですが、

交互通行でいつ自動車がくるかもしれませんし、

それを警戒しなければいけない程度の交通量はありますので、

立ち止まって眺められないのは、残念です。

 

 

そして見えてくるのは、木像駅舎の白石駅。

なのですが、特急の通過路線からの眺めでは少し残念。

仕方がないので、この先で一般道に出られる部分から回り込んで、

 

 

ひとしきり駅舎を楽しませていただきました。

なお、ポストは投函口に使用中止の張り紙がされています。

ありがたいことに、駅舎はかぎが開いており、中やホームも見学することができました。

 

 

暑かったし、立ち止まることのできる場所もありませんでしたから、

ここでミニアンパンをかじってお昼ごはん。

 

困ったことに、朝の道の駅遺構は水道も自販機もありませんでしたから、

ボトルの水はあと200mlほど……困ったものです。

 

 

その後もレンガ隧道を通過して、

 

 

線路と並走する区間を通り、

 

 

道路に覆いかぶさるようなオーバーハングを潜り抜け、

……これだけ高さのある半洞門も珍しい。

 

 

こちらは球泉洞駅。

Googleの航空写真地図などで見ると、球泉洞に渡る吊り橋は経路がひしゃげているのですが、

私が下を通過した時には修繕が住んでいるようでした……が、通行止め(T_T)。

 

 

駅のホームの端に立ってみると、

トイレの下水の浄化槽が無kだしになっている辺り、

この駅がどれほどの水流に晒されたのかがありありと伝わります。

 

 

竜泉同駅の先で再び線路の路盤の仮設道路を通行しますが、

これを最後に、人吉まで一般道を通行することになります。

 

 

 

久しぶりに家が見えましたが、

家が流されない程度に水流にさらされたのでしょう、

打ちっぱなしのコンクリートなどがむき出しになったまま、ドアや窓の開いた家は、

生活感などはありません。

 

この先では、

家があったのだろう道路よりも5mほども高い位置にある平場にのぼる階段で、

記念撮影をしている家族連れをみかけました。

 

楽しそうにはしていましたが、

家のあった場所を久しぶりに訪ねたようでした。

 

さて、

喉がからからに乾いた辺りで、一勝地駅付近の集落は被災を免れたらしく、

郵便局脇の自販機で水分を補給して人心地ついたところで、

 

 

こちらは一勝地阿蘇神社。

球磨川沿いを人吉方面に向けては、

ところどころの神社で鳥居の変額が横書きです。

珍しいなぁ……。

 

 

一勝地駅はホームや休憩スペースも開け放たれて、

小さな商店が入っていたのでアイスを買って一休み。

 

 

肥薩線がまた右岸に渡っていく橋梁跡では、

橋の代わりに流木が載ったままになっていますが、

ここを過ぎればすぐに人吉です。

 

 

と、高台から見下ろしたところで、

通過した橋脚二つが仮橋脚だった橋で右岸に渡らないと、

この先は左岸が通行できないことに気づいて、登ってきた道路を戻ります(^^;)

 

 

人吉盆地に入ってすぐの辺りにある通行止めのこちらの橋。

 

 

一部の方にはお馴染みの、

アニメ『夏目友人帳』の1,2,3,5,6期に夏目の通学路として登場する天狗橋。

一部の準レギュラーキャラクター以上の登場率かもしれない準レギュラーな橋梁です。

 

左岸付け根の橋台部分が石垣だったこと、橋の付け根付近でも越流するほどの水量だったことから、

橋台がくずれる形で被災しました。

 

橋梁好きとして補足すると、

被災した1年後くらいまでは、写真中央の橋脚の向こうには旧橋吊り橋の主塔が残っていましたが、

TVアニメでは背景の情報量過多で騒がしくなるのを嫌ってか、省略していたその主塔跡、

劇場版のうつせびに結ぶで、ちょうどこのアングルで出てきたときには、

きっちり描かれていたりもしたのですが……残念、撤去されてしまったようです。

 

すぐ下流の紅葉橋もTV版の劇中には登場するのですが、

抜水橋なのに冠水する被害に遭い、欄干などが完全に造り直されたようで、

劇中での雰囲気は皆無でした。

 

その先の毘沙門堂も土手を越流した水流で床上浸水で立て直されましたが、

 

 

五輪塔越しの田んぼと山並みは、劇中での雰囲気がかろうじて。

 

 

来た道を振り返りまして、

こちらはアニメでは七辻屋付近の背景として登場する風景ですが、

水も澄んだ、とても良い用水路でした。

 

 

さて、日暮れ前に神社を参拝しつつ石橋を眺め、

 

 

神社を参拝しつつ石橋を眺め、

 

 

ついでに楼門の中の随身様と木彫り狛も眺めて、チェックイン

 

 

チェックイン後に途中で見かけた大分風唐揚げのお店で食べようとおもったら、

弁当専門で、イートインもあと10分で閉まるという事で、

ホテルに持ち帰っての食事になりましたが、おいしかったです。

 

当初、ここからは南にえびの市に抜けるルートを想定していたのですが、

今年の春先に地図を眺めていて、湯前町から小林市に抜ける道中に、

個人的には外せないものを見つけてしまいました。

 

そのため、その後で慌てて人吉盆地を東に抜けるルートを想定し、

周辺の寄り道を探すことになりましたが、

先ほどの天狗橋や五輪塔の風景、今風にいうと『夏目友人帳』の聖地巡りは、

その過程で見つけた風景になります。

(まぁ、天狗橋はそれがなくても被災橋としてターゲットでしたが)

 

翌日も、アニメ『夏目友人帳』の景色を挟みつつ、

人吉盆地の土木遺産をめぐります。