遊泳場止水堰跡の冠水橋を訪ねた後は、
入間川沿いに1㎞ほど移動すると、次の目的地の本郷浄水場です。
場所はこちら。
日本の近代化は特に上水道と下水道から進んでいったため、
古い浄水場などは良い雰囲気の近代建築がよく見られる場所なのですが、
残念ながら、セキュリティの面から、遠くから柵越しに眺めるしかないために、
消化不良気味になりがちなのも浄水場の特徴で、ここもまさしくそんな物件です。
昭和7年竣工の建屋は、まったくメンテナンスも受けずに放置された結果でしょう、
みるも無残でありながら、なかなかに印象的な建物です。
崖っぷちの川岸で、周囲よりも低い位置にあるために、
入間川と並走する県道70号線からは下り坂でアクセスすることになり、
その先にある建屋は、写真の通りに周囲をぐるりと囲う柵よりもさらに低い位置に建てられています。
そのため、建物の正面玄関は2階に設けられていて、
おそらくは竣工当時からのものなのでしょう、鉄製の高欄の渡された
鉄筋コンクリート製のアーチ橋でアクセスする形です。
可能な範囲で横にずれてみると、
玄関の下には車寄せを思わせるスペースがありますが、
柵越しに覗き込む限り、一階には正面扉は存在しないように思われます。
ですが、
見切れている通り、
これ以上左に移動すると、貯水池で建物が見えなくなります。
なお、最初の写真よりも右に移動しようとすると、今度は浄水池の柵に邪魔されて移動できません。
痛みが激しいとはいえ、
なかなか良い感じの近代建築物だけに、消化不良気味で残念なのですが、
浄水場の方が見回りをしていましたし、お仕事をじゃましないためにも、
早々に立ち去りました。
それにしても、
飯能河原の遊歩道整備をするくらいなら、
遊泳場の止水堰とか、こちらの浄水場なども、
少し手を入れて、市の歴史として、大切に保存してほしい気がします。