2020年9月末に7泊8日の旅程で自転車で訪ねた高知ツーリングの五日目、
ゆすはら座を眺めた後は、近代橋ながら屋根付き橋の御幸橋が目的地です。
ただ、幾つか近代木橋があることは事前に知っていたので、
寄るだけ寄っておこうと立ち寄った橋の1つが六根の橋。
さして面白みのある橋というわけでもありませんが、
木橋だけに、腐食対策を施さないと、私の地元の『とんとんみずき橋』のように、
悲惨なことになってしまうだけに、欄干上部に取り付けられた屋根状の構造が目を引きます。
更に、意図したものでは無いように思われますが、
その欄干上部の屋根状の構造が途中で撓んで上下にカーブしている様子が面白いです。
場所はこちら。
ゆすはら座からは徒歩でも大した距離ではありませんが、
次の目的地の御幸橋は梼原川のもう少し上流になりますから、
橋のための寄り道ですね。
こちらは逆光の振り返り。
この橋は車道の側道橋として、歩行者や自転車のための橋ですが、
お隣の車道橋と比べると、殆ど同じくらいの幅員なのが面白いですね。
さて、これだけだと、最近の近代木橋でとか、わざわざ紹介するほどの橋でもありません。
というか、わざわざ立ち寄ったものの、3枚しか写真を撮っていなかった辺り、
実地で訪ねてもそんな印象だったのでしょう。
ですが、銘板の無かった橋の名前を調べる際に、
そういやこの橋、木橋を調べるときによく見かけるけれど、
今まで1度たりとも役に立ったことのなかった『木橋資料館』で見た覚えがある。
※木橋資料館が良いとか悪いではなく、近代木橋を紹介するサイトなので、
どちらかと言えば古くて風情のある木橋や木造冠水橋に興味のある私の興味をひかないサイトなのです。
と、探してみると六根の橋という名前が判明。
そのついでにもう1つ、無視できない情報が目につきました。
言われてみれば……なのですが、
形式が「ポニートラス」になっています。
一応書き添えておくと、
鉄道橋や1級河川の大きな橋で良く見られるトラス橋は、
鋼製の部材で三角形がいくつも続くトラス構造の桁が左右に立ち上がって、
それが道路の上で接続されている下路式の鋼製トラスになると思います。
こんな橋ですね。
ポニートラスというのは、左右の構造が上で繋がっていないものを言います。
木造の建造物でも、
例えば世界遺産の富岡製糸場などに目を向けると、
屋根を支える梁などの構造が三角形の連なるトラス構造になっています。
こうした構造は西洋の文化が流入した近代化以降のもの。
これに対して昔ながらの古民家や木造の和橋では、
斜めに渡される部材は殆ど無いために、三角形で重量を支えるトラス構造にはなっていません。
近代橋木橋とは言え、
下の構造も確認せずに、単なる合板木橋の桁橋だろうと多寡をくくってしまいましたが、
橋の裏側の構造を見なくとも、きちんと欄干を見ていたら、
ポニートラスと気づけたはず。
ポニートラスだと気づいていたら、橋の裏側に興味を持って、
橋の裏に360度カメラを付けた一脚を伸ばしていたかもしれないのですが、
……残念ながら、気が付けなかったために、
興味も持たずに上だけ眺めて次に移動してしまいました(^-^;。