ザザ…ザザ…

もの心がついた頃から聞こえていた音を辿ってひよこはやって来た…

むせるような汐の香り、青く広がったおそろしいくらい大きな世界

きれいすぎて、こわすぎてひよこは泣いた

空を見上げると海鳥たちが上手に風に乗って舞っている

ひよこは小さな翼をバタつかせた

自分が飛べないことをひよこはまだ知らない

ただこの海の上を飛びたいのだと一生懸命に翼をはばたかせ続けた…

(-_-#)/))


ぼちぼち世間の子どもたちは夏休み…

うらやましい…と、思う反面、大人ってマジになればいつでも夏休み(無職とも言う)取れるんですよね

まあそれはさておき、夏休みと言えばいろんな遊びやイベントがあるわけですが中でも肝だめしはかなり人気のイベントだと思います

なんせ夏休みはお盆に被るワケでお墓が普段より身近に感じられる時期でもあるので否が応でもそっちのイメージに引っ張られて恐怖感三倍増し、まさに肝だめしは大盛況になります

この時期、そんなホラー気分に便乗してかやたら出回る駄玩具に

妖怪けむり

がありました

しみったれた紙になんかが塗られていて、そのヌルッとしたなんかを指につけて親指と人差し指でパフパフさせるとあら不思議、煙とも粉ともつかない白いものが宙に舞うという一発芸なしょうもない駄玩具だったのですが(まだあるけど)大好きでした♪

でも、よく見ると煙としてはあまりリアルで無いのが不満でした…

もっと煙を指から出したい…そんな馬鹿なことを真面目に考えるいたいけな少年、幸い悪い大人ってのがあの時代は結構いてロクでもない知識を子供たちに授けていたのですが家の斜向かいの床屋の若旦那が

マッチ箱の擦る方の紙を皿の上で燃やして残ったヤニを指につけてこすってみな♪

と、教えてくれたので親の目を盗んでマッチとおかずを乗せる小皿を持ち出してやってみたワケです

マッチ箱から擦り面の紙を半分ちぎり皿の上で燃やすと焦げ茶のヤニが残りました

それを指で拭い取り人差し指と親指で擦り合わせると見紛う事のない煙が指と指の間から立ち上るではありませんか

興奮して再び家に折り返すとさらにマッチ箱を持ち出してアホみたいに

リアル妖怪けむり三昧

に、浸ったのでした…その見返りは指が燻製臭くなることと擦り面を無くした数個のマッチ箱、そして親のせっかんでしたww

今も子供のライター遊びが問題にされますが同じようにあの時代はマッチ遊びは大変な問題でした

旧来の村社会を引きずる自治体だったので自分たちの家から火事を出して隣家にでも燃え移ったら土地にいられなくなる…そういう考えの場所だったので子供のマッチ遊びなんてのは言語道断だったのです

それだけに大人たちはマッチの置き場所に気を配り眼を光らせて子供が持ち出さないように気をつけていたんですね…そんな大人の目を欺いてマッチを持ち出せたヤツはヒーロー扱いされたもんです

大人たちの目を盗んで爆竹遊びやたき火して川で釣った魚を焼いて食べたり、提灯をぶら下げて蛍を捕まえに行ったり夏の思い出は火の思い出でもあります…

今こうしてブログを書きながら思い出していてもあの『リアル妖怪けむり』の燻製みたいなプンとした鼻をつく匂いがするような気がします

やっぱり夏休みっていいな…火遊びはもうしないけど違う火遊びはしたいなww

(-_-#)/))


人間がいなくなった世界…

ひよこの頃からアヒルはロボットの後をついて旅をしていた

ロボットは何も言わず歩き続けるだけだった、アヒルはロボットをひたすら追いかけ続けるだけだった

ロボットは昔、人に仕えるために生まれてきた

だから人が飼う動物たちの面倒も見ることができた

アヒルが疲れると立ち止まりアヒルを休ませ、アヒルが腹をすかせると食べ物のありそうな水場を見つけた

ロボットには心は無かった

けれどアヒルはロボット信じて一生懸命後ろをついて行くのだった

その旅の向こうには何があるのかわからないけれど『ふたり』の旅は今もつづいている…

(-_-#)/))