終焉!? | 仁輔友以|俳優・大門正明

終焉!?

時を経て何度となく読み返す愛読書?に
《自我の終焉》(J:クリシュナムーティ著)がある。
30年以上前から手の届く場所に置き、折りに触れて開くのだが長い時間は読めない…つまり私大門にとっては面白くない…それなのに常に枕元にある本、不思議な本である。
インドの偉人の思想に翻訳者の力を借りて触れてみるのだが…未だに絶対自由への道には程遠い自分が居る。

終焉の文字は同じでも…男の子も60代半ばを過ぎると寂しいモノである。
生業にしていた仕事(俳優)は減って、その分、人との接触も減ってくる。
人間は本質的に群れるモノ。
よって年をとり寂しい思いを強いられる。
だが私の場合は俳優以外に会社を起こして、今もそこには若い仲間達が存在しているのだ。
創業者としても年齢からしても、仲間を若者を指導しなければならぬ立場に居るのだが…我が輩は如何なものであろうか。
最近、戦後我が国で優れていた宰相として田中角栄が話題に上っている…
彼の言葉に
「優れた指導者は人間を好き嫌いはしない。能力を見分けて適材適所に配置する。肝心なのは大事を任せられる人を見つけることだ。」
がある。

ホントに全くその通りだ。
身に沁みて、心して拝聴仕る言葉である。

話は変わるが、今、人生何度目かに読み返している本は…
9月にやる予定の芝居《ハムレット》。
私大門はハムレットの年齢ではない。
私の役はデンマーク国王クローディアスだ。
物語はデンマークではなく日本、戦国時代、甲斐の国。
芝居は遠征先で武田信玄が火縄で撃たれる場から始まる。
ハムレットは信玄の息子武田勝頼、クローディアスは信玄の死を隠し影武者になる信玄の弟、武田信兼である。

乞うご期待!

正明