やられちゃったなぁ・・・というのがクロノジェネシスのラストラン後の率直な感想でした。
それ故にという訳ではありませんが、何をどう書いていいか分からず、今日までブログを更新する気にならなかったのです。
少し身の上話をさせていただきますが、ご興味がありましたらお付き合いください。
自分の医者嫌いが祟ってしまい、突発性難聴で右耳の聴力がほとんどなくなってしまったのは 2017 年 9 月のことでした。
正直、最初の 1 年くらいはある日突然元に戻るということを夢見ていたのですが、現実的にそんなことが起こるはずがないのです。
今となっては右耳が聞こえないことに慣れましたので、ものすごく騒がしい居酒屋などでなければ、普通にいられます。
右側に話し相手がいると、何度も聞き直したりしてしまうので、大切な人にはちゃんと伝えて左側にいてもらうようにしています。
そんな不安でどうすればいいのか分からないような状態の時に、ソーグリッタリングはクラスという名の階段を一歩ずつ上がっていき、一年後の 9 月 2 日にクロノジェネシスはデビューしとてつもない活躍をしてくれました。
そのことが、どれだけ自分にとっての支えとなってくれたのか、計り知れないくらい大きかったです。
何かを得るためには、必ず何かを失う。
常に意識していた言葉なのですが、クロノジェネシスほどこの言葉を強烈に意識したことはないです。
右耳の聴力を失った時は、俺は何を得たんだろうか?と自問自答の日々でしたが、今となってはクロノジェネシスという宝物をすでに得ていたのだと理解しています。
これから先、どれだけの頭数の馬に出資したとしても、クロノジェネシスを超える馬にはおそらく出会えないでしょう。
それほどまでに得難い体験をさせてもらいました。
ディープインパクトなどの有名な種牡馬の産駒ではない為に、2 歳あるいは 3 歳の頃は早熟だの早枯れだのと言われ続けていました。
まだ華奢な馬体をしているクロノジェネシスに対し、何を言っているんだと鼻で笑っていたのはいい思い出です。
数々の思い出がありますが、引退式の時の寒さというのは一生忘れないでしょう。
それくらいの寒さの中で行われましたし、スーツの上のコートを脱いで記念撮影したことをあれ程後悔するとも思いませんでした。
それでも、心の中でですがクロノジェネシスにありがとうと言えただけでも参加して良かったです。
クロノジェネシスというひとつの時代は終わりを告げましたが、まだまだ出資馬はいますしこれからも続いていきます。
こんなに光り輝く馬になって欲しいとは思っていませんが、それぞれがそれぞれの走りをして、常に勝負になるような馬になってくれることを心から願っています。