パドックでの気配は前脚の出がかたく、後脚の踏込も浅く、おそらく前走より出来は下向きなように感じられました。
これは掲示板がやっとかなと思われましたが、返し馬での走りのフォームが非常に綺麗だったので、スムーズに走れれば馬券圏内には入れるというところまでは確信しておりました。

レースでは、スタートはきちんと出ましたが、先行することなく中団に位置しました。
そのままの位置で進めればと思っていた矢先に、7 番が失速してきて行き場を失い、前走のリプレイを見ているかのように位置取りが悪くなり、4 コーナーでは最後方で、これはちょっととどかないかなと思わせる状況になっていました。

しかし、そこからが圧巻でした。
ここしかないという進路を見つけるとあっという間に馬群を抜け出して先頭の 2 頭に並びかけ、突き放してくれたのです。
抜け出してからは遊んだというか気を抜いたというか、自ら失速したので最後詰め寄られてしまいましたが、差しかえされることなく勝ち切ってくれました。

未勝利戦で終わるレベルの馬ではないということは以前にも記述しましたが、これほどの勝ち方をしてくれるとは思ってもみませんでした。

3 戦連続して最後に必ず脚を使ってくれていますので、昇級しても十分に通用する器です。
願わくば、3 戦連続して走破タイムが平凡ですので、次走の 500 万下では人気が無いという状況になっていたとしたら、馬券でも勝負できるのになと考えております。

その次走ですが、おそらく 4 月末からの東京開催になると思われます。

すでにレース後のクラブからのレポートで、NF 天栄に放牧に出すと萩原調教師からのコメントがありましたので、成長を促す意味でも 1 か月~ 1 か月半は放牧するでしょう。
ですから、4 月の上旬~中旬にかけて入厩して、早ければ 4 月 26 日の 500 万下芝 1600m に出走するのではないでしょうか。

個人的には未勝利戦よりペースが速くなる 500 万下のレースの方が、かかることもないでしょうから追走も楽ですし、道中で失速してくるような馬もいないはずなので、競馬はしやすいのではないかと考えています。
後は直線に入ってから、いつも通りの脚を使って差してきてくれるでしょう。

ブレイクザポケットは道中の走り方は他の馬と変わりないですが、追いだしてから前脚をあまり前に出さなくすることでストライドを狭くし、脚の回転力を上げることでスピードを出している感じです。
ディープ産駒で末脚が素晴らしい馬の多くは、ハープスターのようにストライドが大きく、一完歩毎に前との差を詰めてくるような走り方をしますが、ブレイクザポケットはそれとはまったく別のスピードの上げ方で走っているように見えます。

馬体が成長して完成されてきた時に、どのくらいのクラスまで通用することができるのか、非常に楽しみです。
大きな怪我をせずに、順調に成長してくれることを願っています。