寺地はるなさんは、まだ3冊目くらい

ですが、優しいお話しを書く人なのですね。

登場人物も、いつも私達のすぐ近くのの普通の人

いやむしろ、私?というくらい近い人です😃

この主人公は、40代の主婦、希和。

会社員の夫と小学生の息子がいて、

自分は、パートタイムで働いている。

産まれて育った地方都市で暮らしている。

暫くは市外にも出たのだが、結婚し、子供が産まれて、

マンションを買う、となった時、夫は、

「子供を育てるのには、君の実家に近い方が

良いだろう」と言ってくれた。

その時は、それは夫の優しさだと思ったけれど、

結局それで夫は、子育てということに全く関わらないで済む立場になってしまった🥲

そして希和は、その産まれて育って、

誰もが昔から知り合いの、小さな街から、

出ることが出来ず、閉じこもり、

目立たないように、はみ出ないように、

息を詰めて、声を呑み込んで、生きている😞

自分によく似た息子は、

おとなしく繊細で、声も小さく、

ミミズの這ったような字しか書けないし、

絵も下手くそだ。

スポーツ全般苦手で

劇などでは、たいてい通行人みたいな役をあてがわれている。

一年生のころから、今も変わらず

ひょろひょろの痩せっぽちで、

去年の相撲大会では、

体格の良い女子に突き飛ばされ、

あえなく一回戦で敗退していた。

自分によく似た息子。

ところがある日、

希和は、新しく出来た学童保育の庭を覗いた時、

その庭の木に、

吊り下げられた木の札に目が止まる。

それは、子供たちの夢が書かれたものらしく

アイドルになりたい、だの、

クロールがはやくなりますように、などと

書かれているのだけど、

明らかに希和の息子の晴基の

ミミズの這ったような字で、


「こんなところにいたくない」


と書かれている札を見つけてしまう。

「こんなところにいたくない!」

それは、希和の心の奥深くに

ずっと隠されていた思い🥺

いつもいつも、夫にさえ、言いたいことも言わず、

ただ誰かの大きな声に同調するだけで

自分の考え、自分の言葉を、

持たない人間になってしまっていた。

不甲斐ないと思っていた、

幼いままと思っていた息子の

切実なメッセージで、

やっと気がついた希和、

それから、希和は、

行きつ戻りつしながら、手探りで

自分の言葉を探して、

声を出してそれを言えるように、

ほんの少しずつ成長していきます🤨


希和のその成長の仕方、

決してすぐ、大きな声で自分の言葉で

話せるようになるわけではなくて、

言いかけてやめたり、

口ごもってしまったり、

つい、言ってしまって、ママ友の輪から

はじかれたり、

それを気にすまいと思いながらも、

クヨクヨ考えたり、

そんな希和の成長の仕方が

とても身近で、よく分かって、

いじらしくて、

ちょっと涙が出るようでした🥺

これも良い本でした。


今週は、万博は、さすがに謹慎しています。

この暑さでは、高齢者がのこのこ出かけて

迷惑をかけてはいけませんので😓

そう言えばこの間、

万博でお昼過ぎ、突然、

「ライオンが近づいております。

直ちに大屋根リング、憩いの森の観覧は

控えて下さい」とアナウンス。

そして暫く後

「ライオンが遠ざかりましたので、

大屋根リング、憩いの森の観覧も、大丈夫に

なりました」と?またアナウンスが😎

「ライオン」??と暫くライオン🦁

と戸惑って、やっと、

あー雷音ね👍

と分かった😝

だけど、ただのカミナリでよくない?

ライオンって言われると、ホント、ライオン🦁が

入ってでも来てるのか?と思った😛


今日は七夕🎋


「  この夕べ 降りくる雨は  彦星の    

     はや漕ぐ舟の  櫂の散りかも  」

         

                          「万葉集」  よみひとしらず               


毎年で、申し訳ありませんが、

またまた「万葉集」の、この歌を載せます。

この歌を、読むたびに、人間の感情の

あまりにもの変わらなさに、驚いてしまいます。

もう1000年以上昔なのに、

その頃、七夕祭りをしていたのかどうか?は

わかりませんが、少なくとも、

天の川を挟んで彦星と織姫が一年に一度会う日

ということは言われていたのでしょうね。

せっかくの七夕に、雨が降ってきたけれど、

だけど、

この雨は、織姫の元に急いで、

天の川を舟で渡っている彦星の、

その舟の櫂の水の散りかも、

と思う。

なんてロマンティック😍

何というみずみずしさ🥰