久坂部さん、2冊目です。
これもまた、というか、これの方が、
辛く、思わずため息😰というようなお話でした😵
まだ若いブロ友さん方は、このお話は、
ご両親か義両親さんなどのこととして、やはり、ため息が
出るでしょうけど、ところが、私は、もう幸造さんのことは、自分のこととして、考えてしまいます。
たった10年先なのですから😱
主人公は、五十川幸造、78歳
4年前に妻を、亡くし、一人暮らし。
自分のことは自分で出来ている!という自負が
ある。車の運転もまだまだ大丈夫だ!
ところが息子夫婦が来ては、もう運転は止めろ、と
しつこく言い募る😩特に嫁がやかましい😵
ボケてなど決していない!
今日も、日記をつけて、
宀かんむり、の漢字を10個書いた。
昨日の囗がまえの漢字は、少し手間取ったけど、
宀かんむりは簡単だった!
そこで、不安になり、思わず、
私も宀かんむりの字を
書いてみたりする🤣
だけど、なんということでしょう!💦
8個くらいでもう出てこない😩
幸造さんでさえ、簡単だと言うのに😱
カンニングしまくって、やっと10個.😵はぁー💦
ため息だわ😮💨
幸造さんは、とてもしっかりしているところも
あるけれど、時々道がわからなくなったりは
する。
覚えてないけど、娘が言うには、夜中にトイレを間違えそうになったり、娘を妻と間違えて抱きついたりしたらしい😵車を動かそうとして、
かぎを取り上げられているため、窓ガラスを壊し
外に押して出して、電柱にぶつけたりもした。
そして、息子を強盗と間違えて、包丁を振り回したりも😵
結局、息子に連れられ、病院に行き、
いろいろ検査を受け、
レビー小体型の認知症だと診断される💦
だけど、幸造さんは、自分はまだまだ
しっかりしている、と思っています。
ケアマネジャーが、家にきてくれるようになり、
ヘルパーさんも掃除や洗濯をしてくれる。
ケアマネジャーの本村さんは、優しくて、
どこに置いたか分からなくなった財布を一緒に探してくれ、そして幸造が漢字がすぐ分かるのは
素晴らしい!と褒めてくれる。
本村さんが褒めてくれるから、ストレッチや
リズム運動も頑張れる💪
だけど、そこで、本村さんへの気持ちが募り、
本村さんに突然抱きついてしまったことで、
事態は、より悪化してしまった😱
ケアマネジャーは、男性に交代になり、
施設の入所が息子、嫁、娘の間で極秘裏に
勧められて、幸造は、施設に入ることになった。
お金は、実家を売ることで何とか工面できたのだが…。
幸造は、もう、いったい、どういうことになったのか?はよく分からないのだけど、
どうやら、家にはもう帰れない、
ということは何となく分かり😰
何もかもの気力を失ってしまう😱
それでもまだ、日記はつけている。
「頭がボーとしてゆーうつなきぶん」
もうだれも助けてくれない。しかりしろ」
「歩くのがこわい。あしが前に出ない。
自分はダメ人間、めいやくで厄介なそんざいだ。
せわばかりかけてもし分けない」
ここまで読むと切なさと、幸造さんへの
可哀想という思いでいっぱいになります。
誰だって、ボケたくもないし、寝たきりに
なりたくもないのに😢
幸造さんは、ほぼ寝たきりとなり、
息子も嫁もよく分からない。
だけど、幸造さんの日記を読んだ息子夫婦は、
やはり、せめて最後は自分達で面倒を
みたい!と思い直します。
そして自分達のいえに幸造さんを ひきとります。
若い頃の幸造さんは、
優しくて、愛情深い人だったのです😊
嫁の雅美も、昔、姑から自分を庇ってくれた
幸造を思い出します。
できるだけのことをしてあげよう!と決意
します。
幸造は、もう要介護4になっているので、
毎日ヘルパーさんに来てもらい、洗顔や、身体の清拭をしてもらい、訪問入浴も週2回。
自分がどこにいるのか?幸造はもう分からないし、わかろうとも思わない。
「お義父さん、今日は温かいですよ。
ベランダに出てみましょうね」
親切な女の人の支えで、ベランダにでて椅子に座る。
真っ青な空に眩しい太陽。「気持ちいいですね、
お義父さん」親切な女の人は、笑っているから、
何も分からないけど、きっといいのだろう。
今はつらいことも心配も何もない。
しあわせな一生だったよ。
もう恐れも不安もない。苦痛も嘆きも、喜びも
満足さえない。曖昧模糊の壮大な無に近づく。
全てははじめからなかったも同然。
自分の人生は、これで良かった。だから、今、
こんなに穏やかでいられる。
辛くため息ばかりのお話でしたが、
もし本当に、幸造さんが、最後に、
これで良かった!幸せな一生だった、
と思えたのなら、素晴らしい人生の最後ですよね。
何もかも分からなくなってしまっても、
空の青さや太陽の眩しさが分かるように、
人の温かさも分かる。
人の最期が、もし本当に、こんなふうであるなら、
老いもそれほど悲観することもないのかもしれません。
幸造さんは、もともと、
優しい愛情深い人だったから、
ということもあるのかもしれません。
いろいろ先を憂いて、不安になっても
仕方ありません。
せめて今を、感謝して大事に生きてみましょうか