親しらず抜歯の件では、皆さまにいろいろ

お見舞いの言葉を頂き

ありがとうございました😭

後は来週の抜糸だけです!



 


図書館の本棚で見つけました!

浅田次郎さん、

一昨年の発行

小説新潮に連載されていたようです

知らなかった!


不思議な設定

最初は、その設定に胡散臭さを感じ

浅田次郎さん特有のコメディが入ってる?

などと思いながら、

ホイホイと読んでいたのに

やっぱり何度も泣いてしまった🤣




ブラックカードを持ち、

その中でも年会費35万という

プレミアムクラブに入っている

特別のランクの人たち


その人たちに届く特別の案内

「ふるさとをあなたへ」

一泊2日、50万円


東京で生まれ育ち、

もう両親も亡く

故郷を持たない人たち


食品会社社長 松永徹

製薬会社役員 宝田精一

女性医師 古賀夏生


その誘いにふと心惹かれ

その故郷を訪れてみた人達



松永徹

結婚もせず、独身のまま、

野心のかけらもなかったのに、

いつの間にか社長の座についてしまった

東京生まれ東京育ち

両親は若くして亡くなった


故郷という寂れたバス停を降りると

後ろからきた軽トラックの農夫に

「じゃじゃ、松永のとおるちゃんではねがか」

と声をかけられる

「なんもはァ、お久しぶりだなっす、

おかさん、首さ長ぐして待ってるど」と


そして茅葺き屋根の曲がり家に

老いて小さく腰の曲がった

ひとりで暮らす母という人が待っていた

「きたが、きたが、よくけえってきた、

おめはんの好物のひっつみばこしェてるべ」

と迎えてくれる



宝田精一

退職した途端、妻に離婚届を

突きつけられた

娘はもう結婚しており寄り付きもしない

そしてひとりになった


故郷というバス停に着くと

綿入れ半纏を着た老人に声をかけられる

「あんヤァ、やっぱす宝田のセイちゃん

ではねがか、なんもはァ、

おしゃすぶるだなっす」


そして母は

「もうはァ、嫌なことは忘れて、

のへらほんとしてくなんせ、

何があっても母は、おめの味方だがらの」



古賀夏生

施設に入っていた母を亡くしたばかり

医師という仕事の忙しさで、充分の

介護生活はできなかったことを

後悔している


故郷だというバス停で

村のよろず屋の女に声をかけられる

「おめはん、古賀のなっちゃんでねのすか、

わたすだよォ、同級生の佐々木サチコ」

「おかさん、なっちゃんが帰ってくるって

あっつこっつ触れ回ってたよォ」


そして母という人は、

「よくけえってきてけだなァ」と

言いながらも、突然キチンと正座をし、

「古賀先生、このたびァ、ご愁傷様で

ござりあんした」とも言ってくれた

そして、母という人に戻ってからは、

もう60歳だから、医者を辞める、という

夏生に、それはわがままだ、と叱ってくれる


自然があふれる中で、

自然に包まれながら

母という人の手作りの料理をたべ、

虫の声を聞きながら眠る



田舎生まれで、

つくづく田舎は嫌だ!と今でも思い、

その故郷の家をどう捨てようかと思ってる

私でさえ、

こんな母や、温かい懐かしい人たちが

待っている故郷なら

帰ってみたいと思ってしまうほど、

まさに理想の故郷☺️


何と言っても、

60年あまりの自分の人生を

まるごと肯定してくれる母って、

なんて温かく優しいんだろう

実際の母親ってなかなか

そういう訳にはいかないものです😓



父親の墓前で


「徹は、立派な会社に入って、

この上はねぇ社長さんにまで出世すた、

お父さんも鼻高々じやった、

おらは果報者じゃ」

 

「お父さん、精一が会社ば勤め上げて

帰ってきたど。よく効く薬をお医者や病院に

届けでな、大勢の病人を助けたのす、

褒めてやってくんなんせ」


「神も仏もねぇ世の中でも、人はおるでねぇか

ますて夏生は、病人が神や仏とおがむお医者様ではねぇか、べそべそすていてはあがねど」



全て、お金を払って買った

エンタメだとは思っても

それでも、この「母の待つ里」は、

実際の故郷だと信じたいほど温かく

3人はまた何度もリピートして

この故郷を訪れることになる


主人公たちは、皆、60代

どんなに立派な人でも、ふと、

自分の人生に虚しさを感じたりもする🥲

「後悔などあろうはずがない!」

などと言えるのは、イチローだけ🤪

 (イチロー引退会見での言葉)


全てを肯定してくれて、

包み込んでくれる故郷

そしてそこで自分を待っている母

確かに天国👍


このたぶん岩手の言葉は、

「壬生義士伝」でさんざん読んで、

そして映画も何回も見たので、

浅田次郎さんの本なら

ぜんぜん違和感がなく、むしろ懐かしい

「おもさげながんす」なんて

私の中では、ポピュラーだわ😆


過疎の進む限界集落と

故郷を持たない都会のエリートたち


これを結びつける画期的な事業

のようにも思えるけど、

だけど村人はともかく、

この肝心の母、は、なかなか難しい😓

ですよね💦

だけどこの偽の母親に

何度も泣かされました🤣


浅田次郎劇場、でした😊





 

朝顔

もうベランダに出ると、

もわっと草いきれを感じるほどです

花はまだまだ😎



明後日は七夕

いつも雨が多いけど、

今年は暑くて晴れるみたいです🤓

雨の七夕の方が好きなのに💦


また今年も大好きなこの歌を


「この夕べ

  降りくる雨は彦星の

     はや漕ぐ船の櫂の散りかも」


     「万葉集」よみびとしらず