この本もたぶん随分待ちました。
最初に、桂望実さん、という作家さんを
知った本です。
この「息をつめて」を
複数の方が紹介されていて、すぐ
図書館に予約したのですが、
相当の予約数で💦

それから図書館で、本棚にある桂さんの
本を次々読んでいって、
ブログにも感想を投稿しました。
楽しい本もけっこうあったけど
これは😰


「息をつめて」

親ガチャとさんざん言われるけど、
それなら、子ガチャ、というのも
あるのでは、と思います。
それは言ってはいけないことのように、
思うけど、だけど、やはり、あるのです。

自分の子供が、人を殺した。 

幼い頃から、この子はおかしい、と
気がついていた。
息子は、うまく人を操り、君臨し、
人気者になっているけど、
どこかおかしい。
普通ではない、と思える。
医者にも相談したこともあるけど、
まともに取り合ってはもらえなかった。 
夫でさえ、育児ノイローゼだと言う。

母親なのに
息子が、おかしいなんて、
そんなことを言ってはいけないのか?
母親なのに
自分の子供に疑問を持つなんて、
酷い母親なのではないか
そう思ってきたけれど。

息子は、14歳で
同級生2人を殺害した。

その時から、母親の、主人公麻里は、
世間からマスコミから
逃げ続けている。

パチンコ屋で、ホテルの清掃員で、
惣菜屋で、介護センターで、
息子のことがバレそうになるたび
仕事も次々と変わり、住む場所も変えて。

犯罪者の家族が、
追い詰められることは、
よくあることだけど、

ましてそれが、
まだ14歳の少年の重大犯罪なら、
その少年の母親という立場は、
やはり、何もかも、本人と同等程の
責任を背負わされる。
産んだのだから、育てたのだから。

もともとそうだったのだ、
育て方ではない、
私のせいではない、とは
言わせてはもらえない。

麻里もそうして、
ただ世間から逃げることだけを
してきたけれど、
たった9年で、
息子が、少年刑務所から出所し、
同居を始めると、
やはり息子は、更生はしていない、
変わってはいない。
必ず再犯を犯す、と確信するようなことが
おきる。
息子は、サイコパスだ。

そして麻里は、最終決断をする。

私は息子を捨てる。
亡き夫の残した保険金で、
もう2度と犯罪を起こせないように
隔離された施設に閉じ込める。
私は息子が嫌いではない。
私は息子を愛している。
だけど、私は、息子を捨てる。


これは、殺人というような究極の犯罪を
犯した息子のことで、
特別のことなので、
物語として読めますが

この中にも出てくる「ひきこもり」の
問題は、もっと身近な、もっと大きな切実な
親にとって、大変な問題になっている、
と思います。

この中で、30年ひきこもりの息子に、
父親が、
「母親は、亡くなる直前まで、
お前のことを、すみません、すみません、と
俺に謝り続けて逝った。
それなのに、そんな母親の葬式にも
お前は出てこなかった。
お前のせいで、俺の人生は、滅茶苦茶だ。
何でお前が俺の息子なんだ。
もう解放してくれ。
お前の父親から降ろさせてくれ。」

と息子が閉じこもる部屋に向かって
話す場面がありますが、

これは身近にたくさん見ている
切実な問題で、
この父親と同じように思っている人も
もしかすると、
たくさんいるのではないでしょうか?

親が問題があるのなら
(虐待やネグレクトなど)
それは発覚さえすれば、
何とか子供を助けることはできるし、
その親から逃げることはできるけど、

子供に問題がある場合、
親は、その子から逃げられる術を
持たないし、
それを許されてもいない。

どうしたらいい?

しっちゃかめっちゃかの子育てを
したのに、大きな何事もなく、
子供4人育ったのは、
私は運が良かった、ということ
なんだなぁ、と。

まさに、息がつまるようなお話しでした。



なんとなく楽しいことをしたくて、
久しぶりに、家で、たこ焼き作りました。


結論は、ひとりでするなら、

買ってきた方がいい😑

     美味しいたこ焼き屋さん 

      近くにいっぱいあるから🙄