図書館に予約していた本。
津村喜久子さんは、
芥川賞をとった、
「ポトスライムの舟」からのファンです。
津村さんの本は、
何か特別の事件が起こるわけでもなく、
ただ淡々と静かに何でもないお話が、
続くのですが、
私にはそれがとても心地よいのです。
この「水車小屋のネネ」も、
たぶん半分くらいの人は、
随分退屈なお話しだ、と
感じるのではないかと思います。
でも、おきている事は、
かなり大変なことではあるのです。
18歳の理佐と8歳の律という姉妹が、
母の新しい恋人に、
姉の理佐は、
大学への入学金を使い込まれ、
大学には行けなくなり、
妹の律は、暴力を受けたり、
家から追い出されるなどの虐待を受けていて、
そして理佐は、妹を連れて、
ふたりで家を出る、という決断をするのです。
ふたりで家を出て、
理佐は、住むアパートのついている
蕎麦屋のホールと、それと、
「鳥の世話じゃっかん」という仕事を見つけ
そこで働き始めるのですが、
その「鳥の世話じゃっかん」というのが、
蕎麦粉をひく水車小屋にいる
ヨウムのネネなのです。
こういう経緯も、
もっと激しい言葉で、文章で書けば
お話はずっと刺激的になるとは思いますが、
津村さんはいつも、
その出来事を、淡々と出来るだけ感情を
入れず、起こっている事だけを、
書いているように思います。
そして例えば、働いている蕎麦屋さんの
お蕎麦の美味しさ、を書く時も、
別の店のお蕎麦を食べながら、
「このお蕎麦も美味しいけど、これを食べると
あそこのお蕎麦の美味しさがより分かる
気がするね」
というような言葉にするところ。
美味しくない、というような
マイナスイメージの言葉を使わないという
ところ。
そういうところもとても好きです。
私は特に、津村さんの書く
幼い女の子が大好きです。
大抵、その子は、本とか図鑑とかが好きで、
そしてとっても空想家で、
半分ちょっと異次元で生きているような
そんな子です。
何だか、大昔の私を見ているようで、
懐かしく愛おしく感じます。
この本では、8歳の時の律もそうですし、
とても賢いヨウムのネネにも、
同じような愛おしさを、感じました。
40年にもわたる、
壮大な?姉妹と、周りの人たち、
そしてヨウムのネネのお話しなのですが、
そしてかなり長編ではあるのですが、
私は、充分な津村ワールドを
堪能できて満足しました😊
今日は、お休みだったのですが、
近所の昔からの友達が、
お休みなら、ちょっとお昼に行くね!と
連絡してきてくれたので、
昨日、ラタトゥイユと鯛のあら煮とかを
作っておきました。
その友達は、
4年前から、難病のご主人の介護をしていて、
この1年は、症状が進んだご主人の介護で
ほぼ外には出られない状況です。
ヘルパーさんも、いろいろ入ってもらっては
いるようですが、やはりご主人は、
友達に診てもらいたいようです。
だけど、時々、レスパイト入院といって、
介護している人のケアのための入院を
してくれていて、その時に、実家に、
帰って高齢のお母さんを見舞ったり、
していました。
そのお母さんも施設に入られたので、
時々は、今日のように、ふらっと遊びに
きてくれます。
一穂ミチさんの「スモールワールズ」の中の
「魔王の帰還」に、すごく感情移入して、
泣いてしまったりしたのは、
その魔王というあだ名の岡山弁のお姉さんの
夫は、たぶん友達のご主人と同じ病気で、
その病気の残酷さが、分かるだけに、
どうするのだろう、と思って読んだのです。
本当に辛い病気だと思います。
病気のご主人も当然ですが、
介護している友達も、
どんなに辛いかといつも思っています。
何もしてあげられないけど…。
今日は、葡萄を沢山もらったので
お裾分け、と持ってきてくれたのですが、
せめてお昼ごはん食べていって、と
簡単に用意しました。
あまりご馳走を、並べると負担に思うか、と
本当に質素に、とは思いましたが、
一番、美味しい!と喜んだのは、
豆苗のお浸し😂
本当に質素なところに💦
ちょっと写真撮るね、と撮った時は、
一応、久しぶりに作ったラタトゥイユを
メインに撮ったのに😅
豆苗のお浸しは、
ちょっとゆがいて、ごま油、鶏がらスープ、
チューブのニンニクで和えただけ、です🤪