予約していた本です。
覚悟はしていましたが、
暗くて重いだけではなく、
あまりに凄惨で残酷で、
読み進めるのが辛いところもあって…。
実際にあった事件でもあるので、
余計きついですね。
主題としては、その事件そのものではなく、
こちらはたぶんフィクションの、
3代に渡る母から娘への呪縛。
母性、という言葉が
何度も出てくるけど、
この本の中の母親たちに限って言えば、
これは母性なんかじゃない!と。
子供への愛情ではなく
ただただ自分の都合。
こういう母親たちをまさに
毒親というんじゃないのか、と。
この前に
「母を捨ててもいいですか」熊谷早智子
という本を読みました。
6人の娘たちが、
自分の母親が、
どれほど支配的なモラ母で毒親だったか、
そのために、自分が
どれだけ辛い苦しい思いをしてきたか
を語り、
そして、母親と決別し、希望を掴むまでを
追って、書いてあります。
が、何だか非常に気分が悪かったのです。
その母親たちは、
確かに、少し神経質すぎるような、
細かすぎるような、厳しすぎるような、
ところはあるにしても、
モラ母だ、毒親だ、
その母のせいで自分は今まで、
こんなに不幸だった、
何も出来なかった、と言われると、
ホントにそう?とも思うのです。
支配されて、窮屈だったかもしれないけど、
でももう成人したなら、
自分の生き方は、自分で決めたのでは
ないのかな?
母親に支配された、と言っても、
そうしてしまったのは、やはり
自分の決めたこと、自分の責任なのでは?
と思うのです。
最近、やたら毒親だの、モラ母だの
と、誰も彼もが言い募ってるような
気がして、
あまりいい気がしません。
まぁ、私が母親だからかも、だけど😝
だけど、この「八月の母」の中の
母親たちは、まだ子供が、
どうしても母親を必要としている時から、
ほぼネグレクト状態
最低限の衣食住さえ与えてもいなくて。
そのくせ、自分が立ちゆかなくなれば
母性を、免罪符のように使っていて
都合よく、自分のところに引き留めて
おこうとするし…。
これは確かにあまりにひどいのでは。
美智子、エリカ、陽向、
と3代続く、母と娘のスパイラル。
どうして断ち切れないのか?と
イライラと読んでいって、
やっと最後、
陽向は、母のエリカに
「もう2度と会わない。この螺旋階段から
抜ける」と、母親のエリカに言うけれど、
何だか遅すぎる!と思ってしまって…。
実際の事件が出てくるだけに、
その事件があまりに凄惨だから、
どうしてどこかで止められなかったのか?
と、そればかりをつい考えてしまいます。
辛いお話しでした。