まさきとしかさんは、2冊目。
皆さんのブログで知り、
図書館で予約して、
「あの日、君は何をした」から、
やっとこの「レッドクローバー」と、
「彼女が最後に見たものは」が、
2冊同時に届きました😂

この「レッドクローバー」は、
桐野夏生さんが帯を書かれていて、
もうそれに、抗い難く🤣
「レッドクローバー」を先に
読んでしまいました。

久しぶりの、ガツンとくる
重く暗く深いミステリーでした。

北海道灰戸町

社会に対する、運命に対する、怒りが、
どんよりと沈殿している
そんな灰色のフィルターがかかったような
何もない閉じた小さな田舎の町。
そしてその町で、
ヒ素による一家殺害事件が起こる。
一家のただ一人の生存者の長女が、
犯人だと噂され、そして姿を消した。

12年後.、
東京のバーベキュー場で起こった
同じヒ素による大量殺傷事件。

犯人は、その場で逮捕されるが
その男は取り調べで、
「ざまあみろって思います」
と、それだけを言う。
殺される前に殺す、という論理を
彼に教えた少女は
灰戸町で一人生き残った長女なのか?

何より印象に残るのは、
この灰戸町という町の気味悪さ。

町全体が大きな罠か?と思うほどの
閉じこもった閉塞的な町。

その中だけの価値観で生きていかなければ
ならない窮屈さ、苦痛。
そこに生まれてしまった運命への恨み。
自由な裕福な恵まれた者への妬み。
不公平な世の中への怒り。

親ガチャ、というなら、
生まれる場所のガチャというのも
当然あって、
そういう場所の
そういう親の元に生まれたという
どうしようもない運命というものへの
抑えきれないほどの怒り。
全編を通して、
そんなものがずっと漂っていて…。

過去と現在と
交互に語られるそれぞれの真実。

そして、桐野夏生さんの
帯の言葉のとおり、
まさかこんな展開になるとは、
というような結末。
読み応えがありました✌️


まさきとしかさんは、
皆さんの紹介で初めて知った作家さん
なので、きっと若い方なのだろう、と
思っていたのですが、
いろいろ検索してみると、
そんなに若い方ではなくて、
むしろ私の方に近いくらいの方
なのでした。
ぐっと親しみが湧きました✌️


そして、
親ガチャだの、地域ガチャだの、
と言っていますが、
だけど、15歳にもなれば、
後はやはり、運命、ではなく、
自分が決めているんですね。

これは私に向けて言ってるのですが😅

親の言う通りにするのも、
世間の常識で動くのも
結局、自分がそれにあがらう
勇気も、知恵も、なかった、という
ことなのでしょう。

それと、
時代がそうだったもの、という言い訳。
雇用均等法がまだなかったもん、とかと
いう言い訳。
これもやはり、完全に言い訳ですね。
そんな中で、ずっと頑張り続けた人も
いるのですから。

だけどまぁやっぱり
東京に生まれたかったなぁ😝
というのは、この歳になっても
まだ思いますけど🤣

これから
「彼女が最後に見たものは」を
読みます✌️