息子が、持っていた本。
朝井リョウさん。
「何者」は、読んだ気がするけど、それだけで、
全く縁の無い作家さんだと思っていた。
息子が、どうやら新幹線で読了したらしく、
リビングに置いていたので、手に取って、
パラパラとめくるつもりが、
読みはじめると、なんだかやたら惹かれるし、
刺さるし🤣結局、読んでしまった‼︎
途中で、いったい朝井さんって、何歳なんだろう?と調べてみると、なんと33歳、若い😱
そうだよね、だから縁が無い作家さんだと思ってたんだよね💦
だけど、だから縁がないと、わからないだろうと、
興味を持たないのはやっぱり偏見でした💦
6遍の短編集。
主人公は、30代後半から40代の壮年の男女。
それぞれが抱えたそれぞれの鬱屈の話し。
やはり、確かに今の時代の人の話しなので、
YouTubeやSNSの話しでは、
えっ、そんなことが!と
驚くところもあるけど、
でもたぶんいつの時代も、
人が抱える鬱屈は、同じ様子をしていて、
そして30代後半から40代というのは、
そういえば生きることが一番重かった頃だったなぁ、と。
時々息が詰まるように思ったり、
真剣に逃げたい、と思ったりしていた時代でした。
「面白かったよ」と言ったこの本を持っていた
息子は、まだ独身で20代後半で、
これはまだ未知の時代だし、
とても惹かれて読んだ私は、
もう懐かしく思えるほどの過去の時代で、
だから面白かったと思えるけど、
この時代のど真ん中にいる長男などは、
あまりにリアル過ぎて、
読みたくない本なのかもしれません。
最後の「籤」は、
人生のいろいろな場面で、
当たり籤をひくか、ハズレをひくか?
確かに人生は、そんなことの連続で
成り立っていて、
私も、過去に、あの時たぶんハズレ籤を引いてしまったんだな、と思うこともあるけど
だけどそれがあっての今の私で、
そして今の私は、決して不幸でもないし、
ハズレの人生だとは思っていないし…。
この主人公もそうだけど、
今、ハズレ籤を引いてしまった、と
途方に暮れている人も、
どうしたって生きていくしかない。
不安で不安でたまらないまま、
大丈夫になるまでまた生きていくしかない。
生きていくことで、いつかはちょっとずつ、
大丈夫になっていくから。
ハズレはハズレのままでも、大丈夫に
なっていくから。
そう主人公に、声をかけたくなるような、
頑張れ!と言いたくなるようなお話でした。
私も、まだまだいろんな場面で籤を引き続けて
いくんだろうけど、
ハズレだったなぁ、と思っても、
そこで頑張って生きていくことにします。
なんだか励まされました!