角田光代さんの本は、
ほぼ読んでいると思いましたが、
この図書館で見つけた本は、
初めてでした。
昨日、仕事から帰り、なんだかやたら疲れていて、
返却期限が近いし、と、
夕飯食べながら、なんとなく手に取ったのですが、
それから一気読みしてしまいました。
主人公の和歌に感情移入してしまい、
このブログを書こうとしても、やたら暗く
理屈っぽくなりそうで、一晩おきました。
「八日目の蝉」「紙の月」に
似ているなぁ、と思います。
先のふたつは、主人公は、どんどん現状の立場が
追い詰められていくんだけど、これは、ただただ
精神的に内面が追い詰められていく様子。
ラストシーンの書き方も、
よく似ています。
18歳から、付き合った彼は、
いつも彼女の先を歩き、
知らないことを教えてくれて、
どう進むべきかも示唆してくれる。
全てのことが彼を通しての基準で、
彼女は、彼と、ただ一緒にいたかった。
結婚してもらいたいと願っていた。
実家の蔵で、祖母の書いたと思われる本を発見し、それを調べていくうちに、彼女は、自分の中にも
「書きたい」という欲求があることに気づいていく。
最初は、茶化すように応援してくれていた彼が、
彼女が、世間から評価されるようになると、
だんだん態度は変化していく。
ただ、彼のプライドから、わかりやすい嫉妬の表現ではなく、彼女をどんどん追い詰めていくような、
わざと罪悪感をもたせるような、
嫌な追い詰め方。
読んでいてもじわっと冷や汗の出るような、
イヤな彼の言葉の怖さ!
彼の抑圧に苦しんでいるはずなのに、
突然、彼から別れを突きつけられると、
彼女は、より混乱していく。
祖母の「書きたい」という欲求、
その気持ちをどう抑え込み、普通の家庭の中に
収まったのか?
自分と重ね、妄想を繰り返し、
もがきながら、自分の道を探していく。
主人公の和歌に感情移入してしまったので、
やたら気分は暗く、混乱してしまったのですが、
ラストシーン、
いつものような、平坦な風景の描写の仕方で、
気持ちは、ぐっと落ち着きます。
彼女は、きっと書ける!
その書いたものを読んでみたいような
そんな気持ちになりました。
久しぶりに入り込んで読んでしまった本
でした。
こういう時は、しばらく自分の問題も
小難しく考えたりしてしまうので💦
今日の休みは、これで何も考えず、
映画でもみて過ごします✌️
お盆で、息子も帰省していますが、
帰った日に夕飯を一緒に食べただけで、
ほぼ家にはいなくて、
夜中と朝、顔を見るくらい🤣
まぁ機嫌良さそうなので、
それで良しとしましょうか😅