図書館に行き、

何か軽く読めるようなものは?

と思い探しました。

原田ひ香さんは、

「三千円の使い方」を読んでいて、

読みやすかったし、面白かったな、と思って

この本を借りました。


「彼女の家計簿」

軽く読めるなんてとんでもない!

とてもとても深くて重くて考えさせられる

お話しでした。

一気に読んでしまいました。


男と駆け落ちして心中した、と

聞かされていた祖母。

その祖母の戦中戦後時代の暮らしの家計簿が、

突然送られてきて…。

世代を超えた女性たちの物語。


その祖母から捨てられたと思い込んでいる

母親は、偏狭で、かたくなに家族を否定し続け、

娘である里里は、温かい家庭を知らないまま、

自分もシングルマザーとして生きている。


家計簿を送ってきたのは、

NPO法人の代表をしている女性、晴美。

彼女もまた壮絶な過去を持ち、

ストイックに仕事だけに生きている。


NPO法人の事務所は、

祖母が営んでいた定食屋の建物を、

祖母の死後譲り受けたもので、

改装するための整理で家計簿を

見つけたという。


晴美の助けを借りながら、

祖母の真実を知っていく。

そして何もないと思っていた

過去と現在のつながりを見つけていく。


全ては、彼女が、ひとりで

必死に生きてきた証。

そのおかげで今自分が、ここにいる。

私もまた、

誰かにつながるような生き方をしたい。


里里の最後の思いに

なんだか励まされました。

誰かの中に、ほんのカケラでも

私が残って繋がっていく、

それが縦にも横にも広がっていく。

そう考えると、

生きていることは、

とても明るくて、力強いことです。