桐野夏生さんの本は
後味が悪い、という感想も見るけど、
私は、割合スカッとするけどなあ、
と思っていました。
「OUT」「柔らかな頬」「だから荒野」
など、女性が主人公の本は、
主人公は、それまでの窮屈な、暗い、閉塞された生活を、突然全部振り捨ててしまって、
どんどん思いもかけないようなことを
やっていく。
犯罪にまで進んだりもするけど、
その、もう何もかも振り払って、
まるで裸で全力疾走しているような感じが
胸のすく思いがして
爽快感を感じていました。
今日読んだ「猿の見る夢」
これは、確かに後味が悪かったです💦
主人公は、還暦間近のアパレルの会社員。
一応重役。
10年も不倫関係の女性がいるけど、
そろそろ他にも目移りしている。
計算高く上手く立ち回ることばかり考えているけど、そんなにうまくいくわけはなく😵
特に母親の遺産問題は、
主人公も欲深くて汚いけど、
10年も私が介護したんだ、と遺産を全部
独り占めしようとする妹も汚い。
つまり主人公も、その周りの誰もかも
みんなただただ、自分の得だけを考えていて
くだらなくて汚い。
結局、主人公は、
妻にも離婚を言い渡され、
愛人にも去られて、
妹にも、二度と会わない、と言われ、
その上、会社も大手に吸収されることになり、
何もかも失うんだけど…。
全く同情はできない💦
と言っても、ざまあみろ、とスカッともしないし
ホントに、皆さんおっしゃる通り、
後味の悪い小説でした。
が、主人公がどんどん追い詰められる様子は
ちょっと面白かったかな😎
余談ですが、
昨日「ベイビーブローカー」のいろいろな
ネット記事を読んでいたところ、
是枝監督は、やはり
「マイディア ミスター」を観て、IUを
選んだ、とのことでした。
あのドラマにハマってしまって、後半は
IUが出ている場面ではずっと泣いていた😂
と語っていて、
私とおんなじじゃーん😆
と嬉しくなりました❗️