こんばんは、(F)です。
昨日は災害のダメージの少なかったと思われたK市に行ってきました。
お客様もほとんど無事でお互いの安否を確認することができました。
続いて隣町のN村に行ったのですが、町の入り口に瓦礫の山が
うずたかく積まれていました。
しかし、どこにも被害の跡が見受けられません。
それもつかの間、信号をひとつ曲がった途端に、光景が一変しました。
見慣れた商店街のあちこちが瓦礫にまみれ、商店の2階のガラスも
割れていました。
瓦礫の片付けをしていたお客様にお見舞いを渡し、次のお客様へ、
すると、「この先をみてきたか?」とのこと。
「いえ、まだです」と言うと、「あんたの知っている景色はもう無いよ」
と言われました。 そこに行ってみると、本当に何も無くなって、
泥にまみれた更地の様な光景が広がるばかりでした。
そこにはお得意様もおりました。友人がおいしいと薦めてくれた食堂も
もうありません。
防風林も無くなり、防潮堤も一部破損していました。
私がこの仕事に就き十数年、毎月かよい見慣れていた景色が
跡形も無く消え去ってしまいました。
なんともいえない脱力感が襲ってきました。
もう、あの景色は私の心の中にしか無い物となってしまいました。
そこに住まわれていた皆様の無事を願うばかりでした。 (END)