こんにちは。
震災前の話なので10年以上前の事です。
沿岸の町へ仕事に行った時に建物は古いのですが、ラーメン屋さんがオープンしていました。
どんなラーメンだろう?お昼だったので入ってみました。
引き戸を開けて入ってみるとお客は一人のみ、店員も一人でした。
オープンしたばかりなのにどうした事だ?
私が着席したのと同時に先に来ていたお客がテーブルを叩き怒鳴って出て行きます。
「もう待ってらんねえ!」
オイオイ穏やかじゃねえな、一体どんだけ待たされたんだ?
水を持って来た店員さんにラーメンを注文して待っていると・・・・・
「イテッ、指切った!」厨房から店員さんの声が聞こえました。
見ると店員さんは切った指にサランラップを巻いています
カットバン無いのかよと思っていると、店員さんが私の所にやって来ます。
「ネギ切らしたんでちょっと買ってきます」
こういう事か、だから客がいないんだ。
直感で待ってて食べる位じゃないと判断した私は急いでいるふりをしてお店を出ました。
車の中でネギが無い事に気付かないなんてある意味スゲーなと思いつつ、あの店絶対持たないなと考えていましたが、案の定翌月通りかかったら閉店していました
結局幻のラーメンになってしまい、美味しかったのか不味かったのかも分からず終いでしたが、恐らくは食べたらガッカリするラーメンだったと今でも思っています。
ではまたごきげんよう(END)