シメチジンが効くのは「シアリル-ルイス抗原XとAの高い患者さん」ということみたいですね。腎細胞癌にも効果があるよう。
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腎細胞がんにも胃薬が効果 広く使われるシメチジン 再発、転移を抑制
http://www.47news.jp/feature/medical/news/0207igusuri.html
http://www.cancerit.jp/cancer_references/archive/No29_cime.html
Cimetidine increases survival of colorectal cancer patients with high levels of sialyl Lewis-X and sialyl Lewis-A epitope expression on tumour cells
S Matsumoto1, Y Imaeda1, S Umemoto1, K Kobayashi1,2, H Suzuki1 and T Okamoto2
1Department of Surgery, Second Teaching Hospital, School of Medicine, Fujita Health University, 3-6-10 Otohbashi, Nakagawa-ku, Nagoya 454-8509, Japan
2Department of Molecular Genetics, Nagoya City University Medical School, 1 Kawasumi, Mizuho-cho, Mizuho-ku, Nagoya 467-8601, Japan
サマリー
シメチジンは、シアリル‐ルイスX抗原とシアリル‐ルイスA抗原の発現が高い患者の生存率を向上させる。
本文
シメチジンは大腸がん患者にとって効果があるとの結果が示されている。
本実験においては、64人の大腸がん手術を受けた事のある患者に対しシメチジンの有効性をテストした。
シメチジングループは、一日に800mgのシメチジンを200mgの5-FUとともに服用
する一方で、コントロールグループは5-FUだけを与えられた。本治療は術後2週間目から開始され、1年後に終了した。
以下の通りの非常に良好な効果が示される結果となった。
シメチジングループの10年後生存率は84.6%であるのに対し、コントロールグループは49.8%であった(P<0.0001)。
シメチジンが血管内皮のEセレクチンの発現や、がん細胞の内皮への癒着傾向を阻止するという我々の以前の観察結果
に基づき、我々はシアリル‐ルイス抗原XとAの発現レベルに応じて患者を階級分けした。
シメチジン治療は、特にシアリル‐ルイス抗原XとA値の高い患者に対して効果的であった。
たとえば、腫瘍にシアリル‐ルイス抗原Xが認められ、高いレベルのシアリルLeX抗原染色のあるシメチジングループの10年間の累積生存率は95.5%である一方、コントロールグループは35.1%であった(P=0.0001)。
対比的に、シアリルLeX抗原染色のない、あるいは低いレベルの患者グループに対しては、シメチジンは突出した効果を示さなかった(シメチジングループの10年生存率が70.0%であるのに対し、コントロールグループは85.7%であった(P=.有意差なし))。
これらの結果は、大腸がん患者のシメチジン治療が、その腫瘍がシアリル‐ルイス抗原XとAにおいて高いレベルを示している場合において劇的にその生存率を高める事を明らかにしている。
British Journal of Cancer
http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/bjc/journal/v86/n2/abs/6600048a.html