★セファランチン | きじとら☆茶とら+はちわれ

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うちの猫達と他所の猫達のことなどあれこれ書いてます。
※不妊治療は限定記事にしています。

セファランチンは一昨年に寅が白血病を発症した時に調べて知ったお薬。

寅は骨髄が血球を作れなかったのであまり打つ手がなかったのですが、ハチは骨髄には今のところ問題は無さそうなので効果に期待してます。

抗がん剤治療による白血球の減少の軽減、貧血、口内炎、皮膚炎、食欲不振、ステロイドの副作用軽減、抗がん剤と併用すると効果を高める働き、がん細胞にアポトーシスを起させる働き、などがあるそう。

何気に凄い万能薬って感じですね。

しかも安い!


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ツヅラフジ科植物のアルカロイドであるセファランチンは、当院の治療の特色のひとつにあげられます。

●皮膚病(アトピー、アレルギー、ホルモン性等)
●貧血(自己免疫性・バベシア症)
●マムシや蜂・ムカデなどの咬傷等
(人間の医療機関での最も多い使用例で、血清と共に特効薬として使用されます)
●肝疾患・腎不全
●猫のエイズ・白血病(口内炎や貧血に対して)
●フェレットの副腎疾患
          

以上のような様々な疾病にこのセファランチンを用いて素晴らしい効果を得ています。

毎年行なわれる人医向けのアルカロイド研究会(セファランチンの臨床使用報告、医学的検証例などが発表されます)に今年も院長と松田獣医が参加してきました。

平成18年6月10日
今回は皇居や靖国神社に程近い科学技術館サイエンスホール(東京)での開催でした。

昨年もご一緒した福岡市のドリトル動物病院の綿貫先生と。大変勉強熱心な先生で、免疫療法やセファランチンも治療に積極的に取り入れられています。

写真はかの有名な靖国神社での一枚。
首相の参拝で物議をかもし出している戦没者ではなく、院長たちは軍用犬や軍馬の慰霊碑があるのに感銘を受け、その前での記念撮影です。獣医ならでは!?
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綿貫先生(左)と院長(右)


今回は、『放射線治療の進歩とがん治療』、『骨粗しょう症』のテーマが主なものでした。

セファランチンは、抗癌剤との併用で、抗癌剤の感受性を高めたり、癌細胞の自滅(アポトーシス)を誘発する働きがあることが新たに発表されました。

また、特発性血小板減少性紫斑病(ヒト)において、主な治療薬であるステロイド剤の副作用として重要な骨粗しょう症に対して、セファランチンは有意に骨塩量の低下を防ぐことが実験で証明されています。

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最新の症例のパネルを前に

その他、すでに当院でも実証されている口内炎や歯肉炎に対する抗炎症効果も発表されています。
セファランチンは植物由来の成分で単一の組成ではないため、作用機序のすべてが解明されているわけではありませんが、長い使用歴からほとんど副作用がなく、新たな可能性も秘めた、これからの研究がさらに期待される薬でもあります。

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口内炎に

また、当院での使用例の多い皮膚病に関しても、ステロイドを体内で調節することで、ステロイド投与量を減量でき、炎症性浸潤が減少するといった病理学的な発表もなされていました。

実際使ってみて、注射や薬の使用量がぐんと減った動物たちを見ていますから、この研究発表にも納得!

最近では、アトピー性の皮膚炎や、真菌性の皮膚炎に対しても、ステロイドを極力使わずに治療する方法に切り替えつつあります。

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皮膚炎に

そして忘れてはならないのが、血液疾患におけるセファランチンの役割です。
特に貧血に対しては、臨床研究が進んできています。

この子は、かれこれ一年以上セファランチンとステロイド、強肝剤を併用して、難治性の自己免疫溶血性貧血(自分で自分の血液を破壊してしまう病気です)と戦っているミッチーちゃん。

今では元気で食欲ありすぎて困るほどとのことです。

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セファランチンの十八番

治療開始時、10%と致命的に低かったヘマトクリット値(貧血の程度を示す値(通常40%くらい))も、現在30%まで回復しています。写真の赤芽球は、若い赤血球です。

セファランチンは、赤血球の膜安定化効果や、ステロイドの副作用軽減、強力な活性酸素除去効果などが貧血に効果を表すと考えられています。

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ミッチーの血液像

松田獣医師の恩師でもある北里大学獣医畜産学部獣医放射線講座の夏堀雅宏先生と会場内で。

アメリカのテネシー大学への赴任直前の貴重なお時間に獣医学、放射線学について価値あるお話をさせていただき、大変有意義な時間をすごせました。

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北里大学の夏堀先生と