よく分からないでひまわりの記事を書いてしまって反省です。。
もし、ひまわりで放射性物質除去の記事を書かれていた方がこれを読まれたら是非転載してくださいね
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絶対にやってはならない 菜種等による放射能汚染土壌の浄化現地実験 汚染拡大・深化の恐れ
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/nuclear/tepco-nuclear-disaster/11051401.htm
農水省が「福島第1原発から半径20キロの警戒区域の外側で放射線量の高い計画的避難区域を中心に、放射性物質を吸収するとされるヒマワリや菜種を植える実験に乗り出す」ということである。農水省からの公式発表はないようだから、どこまで本当か分からない。マスコミ報道からそっくり引用すると次のとおりである。
「農林水産省は、福島第1原発から半径20キロの警戒区域の外側で放射線量の高い計画的避難区域を中心に、放射性物質を吸収するとされるヒマワリや菜種を植える実験に乗り出す。放射性セシウムなどに汚染された土壌を浄化する効果を調べ、農地の再生につなげたい考えだ。
来年の作付けに研究成果を生かせるよう、早ければ今月中にも実験を始める。具体的な地域や時期は調整中としている。放射性物質が付着した農地の表面の土を取り除くことで農作物への影響をどの程度軽減できるか、なども合わせて調べる。
セシウムは肥料のカリウムと似た特性を持つとされ、ヒマワリは内部に取り込む吸収力が高いとされる。また、菜種はチェルノブイリ原発事故の汚染地域で土壌浄化対策として栽培されているが、日本での実験では吸収力が弱いとの結果もあるため、吸収力が高い品種がないか調査する。
セシウムを吸わせた植物の処理方法や、ほかに吸収力が高い作物があるかも研究する。まず、計画的避難区域と同区域を除く原発20~30キロ圏の緊急時避難準備区域内で実験。数十アールの農地ごとにヒマワリなどを植え、土壌浄化効果などを調べる。
農水省では、篠原孝副大臣が先月下旬、チェルノブイリ事故現場の西約70キロの地域で行われている菜種の栽培地や、菜種をバイオ燃料に加工する施設などを視察した。計画的避難区域となった福島県飯舘村からの希望もあることから、日本でも作物を燃料として活用することを検討する。
篠原副大臣は「ヒマワリや菜種を植えれば、畑が荒れるのを防ぐのにも役立つ。福島にたくさんの花を咲かせたい」と話している。」
避難地域でヒマワリや菜種を栽培 農水省が土壌浄化実験 河北新報 11.5.14
もし本当だとすると大変なことになる。副大臣が見てきたというチェルノブイリ周辺地域の菜種栽培は、事故後10年以上も経ち、セシウム137がすっかり土壌深くに入り込んでいまったために、これをナタネに吸い取らせ、土壌浄化につなげようという試みだ。福島事故で放出されたセシウム137は、まだ表層にとどまっているはずであり(詳細な調査が必要だが)、これを土壌深く伸びた菜種の根から吸収しようというのは、そもそも的はずれだ。それだけでなく、折角表層にとどまっているセシウム137を、菜種栽培でわざわざ土壌深くに送り込んでしまう恐れがある。
さらに、菜種をバイオ燃料に加工するとなれば、菜種が折角吸収した放射性物質を、再び環境中にばらまくことになる。菜種から絞った油や、これから作ったバイオディーゼルから放射性物質は検出されないとい話も流布されているが、放射性物質が消えてしまうわけがないから、どこかに出ているのは間違いない。
農水省がそれほど非常識とは思わないが、実験とはいえ、また被災地からの希望があるとはいえ、このような軽挙が被災地の畑で行われるようなことは、絶対にあってはならないことだ(実験農場での実施は自由だが)。福島の現状での土壌除染は、あくでも表土の除去よるべきである(農地では、校庭等で認められた「天地返し」が認められないのは当然である)。
農水省は、むしろ、農家や現地市町村が速まってこうした行動にでないように歯止めをかけるべきである。副大臣が本当に「ヒマワリや菜種を植えれば、畑が荒れるのを防ぐのにも役立つ。福島にたくさんの花を咲かせたい」などと言っているとすれば、おめでたすぎる。こういことを何の警戒心もなく伝えるマスコミも同罪である。
関連:農水省 放射性物質汚染農地の浄化技術確立へ 表土除去やヒマワリ等による吸収というが・・・ ,11.5.7
農水省 放射性物質汚染農地の浄化技術確立へ 表土除去やヒマワリ等による吸収というが・・・
農水省が東電福島第一原発事故で放射性物質に汚染された農地の除染にようやく取りかかるようだ。放射能汚染で故郷を追われた人々、震災・津波被災者と異なり、頑張れの言葉をどんなにかけられても、汚染された土地が浄化されて故郷に帰れる日が来ないかぎり、頑張りようがない。「野菜サラダ」で応援しよう、「東北の夏まつり」で応援しよう、「温泉旅行」で応援しよう、等々の政府「復興キャンペーン」にも、人の気も知らないで、なんと「思いやり」がないことか、そんな暇があったら早く故郷に帰れるようにしてくれと苛立つばかりだろう。私までが気がふさぐ。だから、遅ればせながら国が農地浄化に腰を上げたことは歓迎する。ただ、「頑張って下さい」、「応援します」と言えるようになるかどうか、これからが正念場だ。当面、新聞報道しかないので詳しいことは分からず、報道が正確かどうかも分からないが、報道によると次のとおりだ。
「農林水産省は6日、放射性物質に汚染された農地や牧草地の土壌改良に、早ければ月内に着手することを明らかにした。計画的避難区域に指定された福島県飯舘村などが候補地だ。表土の除去や土壌中の放射性物質を吸収するとされるヒマワリやナタネの栽培の実証実験を通じ、土を浄化する技術の確立をめざす。
地元自治体や文部科学省などとも連携し、政府の研究開発費の緊急枠などで予算を確保する方向で調整している。水田や畑、牧草地で土壌の性質が異なるため、どんな技術が最適かをまず確かめる。
重視するのは、放射性セシウムが蓄積した表土を取り除く「即効性のある技術」(担当者)を見いだすこと。放射性セシウムはまだ地中深くまでは浸透していないとみており、除去する土の減量になるからだ。
今後の本格的な土壌改良に向け、ヒマワリやナタネの栽培の有効性も確認。早ければ5月にヒマワリ、秋にはナタネを植える。チェルノブイリ周辺でも汚染土壌で栽培されているが、土の質が違う日本での有効性を科学的に詰める。
除去した汚染土壌の処理方法や、ヒマワリやナタネの油脂などを原料にバイオ燃料をつくる際、放射性物質が混入する可能性がないかも研究する。ヒマワリやナタネの作付けを提案してきた飯舘村の菅野典雄村長は6日、農水省を訪ね、鹿野道彦農水相に対して国家プロジェクトとして土壌浄化を進めるよう重ねて要請した。」
農地の浄化、5月にも開始 植物で放射性物質吸収を実証 朝日新聞 11.5.7
汚染状況の詳細な調査がないから正確なことは分からないが、多くの場所では「放射性セシウムはまだ地中深くまでは浸透していない」可能性が高い。従って、「表土を取り除く」のが一番有効な手段となりそうだ。ただ、福島県で試みられているような平らな校庭の表土除去ようにはいかないだろう(表土除去で放射線量低下 郡山市学校などの結果公表 河北新報 11.5.7)。凸凹の多い農地では、取り除く土の量が大きく増えるだろう。費用はかさみ、土壌の処分場所も前もって確保しておく必要がある。
水田の場合は一層難しい。一旦取り除いても、水を入れれば山など外にある放射性物資を再び取り込み、汚染が却って進むことにもなりかねない。水田に関しては、除染は長期戦になる。
チェルノブイリで試みられているヒマワリやナタネにセシウムを吸収させる方法は、セシウムが既に土中深くまで浸みこんでしまったあとのやり方だ(しかも、土壌に固着して水に溶けだしてこなければ効果はない)。今やることに大した意味があるとは思えない。これらを植えるために耕すことで、表土に止まっているセシウムを地中深くに運び入れる恐れもある。
水田を除く多くの農地は、今なら表土の除去で取り戻せるだろう。ただ、「セシウム137の濃度が10万ベクレルを超える地域があれば、これら地域からの退避は永久的になる」。先ずは、「セシウム137の詳細な分布図」の作成が急務である(放射能が日本に拡散 ”Nature News”の記事の要約紹介 ,11.3.30)。