★原発を語ると道理が引っ込む | きじとら☆茶とら+はちわれ

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※不妊治療は限定記事にしています。

カレイドスコープさんからの転載記事です。


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原発を語ると道理が引っ込む

http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-523.html


福島第一原発事故が起こってから、東海地震が今後30年以内に起こる確率が87%に引き上げられました。
私の記憶が正しければ、つい数ヶ月前までは70%台ではなかったかと。

いずれにしても、87%などと言わずに「確実に起きる」と断言したほうがいいのです。それは明日かも知れません。

菅直人は、なぜ今頃になって、浜岡原発の停止要請をしたのか。遅すぎるから唐突と受け止められるのです。
原発推進派、原発文化人は「唐突」という言葉を使って、浜岡原発停止措置が、いかに菅直人の思いつきで不当なものであるかを印象付けようとしているというのに。

それも「防潮堤ができるまで」と期限まで言明してしまいました。
まあ、私たちは、じっくりと「完全停止→廃炉」に向けて訴えていけばいいですね。

案の定、中部電力は、早速マスコミを使って「今期、原発の停止によって赤字の見込み」と発表しました。
そして、政府に対して早速、補償を求めているようです。

菅直人の、この”思いつき“に経団連、各自治体の首長は、「なんらかの根拠を示して欲しい」と言っているのですが、これはもっともなことです。

自治体の首長たちは、菅直人ならいつ何時、自分のところの原発を「止めろ」と言ってこないとも限らないからです。
そうなれば、首長としては、住民に対して説明する説得論理が欲しいところです。
当の国が示さないのですから、首長も困惑させられるでしょう。

そもそも福島第一原発事故が起こってすぐに浜岡原発停止要請を出すべきだったのです。「なぜ今頃になって」と、いぶかしく思うのは当然です。
もちろん、浜岡原発は是が非でも止めなければならないのですが、きちんとした根拠を示さないことには、自治体の首長たちも政府に協力のしようがないのです。

なぜ、今になって…

大マスコミは、菅直人が、社民党の福島瑞穂氏から「弁護士グループが浜岡原発差し止め訴訟を準備していることを電話で知らされて、あわてて対応した」 と書いています。
「次のターゲットは浜岡原発だ」。菅直人がやっと気付いたからだ、と。

大マスコミは、分析能力がないのか、それとも勘が鈍いのか、それとも、真実を隠しているのか、そのいずれかでしょう。

どうも米軍からの要望らしい、という線が濃厚になってきました。
浜岡原発で放射能漏れが起これば、横須賀の米軍基地は機能しなくなってしまいます。第七艦隊も入港できなくなるかも知れません。

米政府は福島第一原発事故後、すぐに駐留米軍の家族(そしてその他の米国籍人にも)に安定ヨウ素剤を配りました。
また、福島第一原発から半径80km以遠に避難するように勧告していました。

また、米国原子力規制委員会(NRC) なども動いたものと思われます。
NRCは、当初より福島原発事故をかなり深刻に受け止めており、最悪の予測をしています。それは現在でも変わっていません。

NRCのような組織は米政府から完全に独立していますから、米政府がパニックを抑えるために発表を控えるように言ったところで言うことを聞くような組織ではありません。

そうした四方八方からの防衛上の“外圧”によって、菅直人も浜岡原発停止に踏み切ったものと思われます。


菅直人は、福島第一原発事故、そして日本の原発が国土防衛、ひいては日米安保に影響を与える重要な問題であることに思い至らなかったのかも知れません。

しかし、原発を54基も持っている日本であれば、国民を守るだけでなく周辺国、そして世界の安全を守るという観点から、いつでも原発を停止できる根拠を用意してしかるべきです。
とんだところで、「脇の甘さ」を露呈してしまいました。

菅直人が野党時代に女性記者とのスキャンダルを週刊誌にすっぱ抜かれたとき、奥方の伸子夫人に「あなた、脇が甘いのよ」と窘められたのですが、それは今でも変わっていないようです。

経産大臣の海江田は、さっそく中部電力の脅しに屈してしまったようです。
今日現在で、全国にある原発54基のうち31基が点検などで停止しているのです。

なぜ浜岡原発を停止したから、すぐに中部電力が赤字転落するのか。
そして、またまた電気料金に跳ね返るのか、きちんと検証してから中部電力に要望を出すべきだったのです。

いつもいつも準備不足だから、原子力マフィアに恫喝されてしまうのです。

御前崎市長の石原茂雄 が銭ゲバ市長と揶揄されています。
昨夜、「先ほど、海江田大臣から電話がありまして、交付金は100%やる、と言っていました」と、喜びを押し殺した表情でテレビの記者に話していました。

また、御前崎市民も「浜岡原発停止は遅すぎた」と、菅直人の決定を「英断」とする人もいる一方、「浜岡原発が今のまま動いて損する人は誰もいないんじゃなかい」という福島第一原発事故を他人ごとのように言う人もいます。

一方、福島の原発被災者の中には、このように言う人たちがいます。
「もともと福島原発の電力は東京で使うものでしょうに。なぜ私たちが、東京の人たちのためにこんなひどい目に遭うのか。補償しろ」と。

何でも補償、補償。
もちろん補償はされなければなりません。
しかし、他に言うべきことがあるのではないでしょうか。

この国の人は、日本人の心を失ってしまったのか。

原発特需で一度は、「日本一裕福な町」と町や村を挙げてのお祭り騒ぎをやっていた人たち。
政府からの原発交付金のほか、盆踊りなど、町のイベントがあるごとに東電から多額の寄付金を受け取ってきた町民たち。

原発作業のほうが割がいいと、農業を止めてしまった人たち。
あぶく銭を握り締めて、福島のナイトクラブで豪遊していた町民たち。

そうした金は電気料金に含まれて東京などの人口過密地域に住む人たちから調達されて来たのです。

そして、今また私たちは、後始末のために増税の危機に直面しています。

東京のような高密度の経済集積地に高度に安定した電力供給を行なうため、原発の必要性が正当化されてきたわけですから、悲しいかな、原発を語るときは、まずは都会ありきになってしまいます。

福島の被災者の心中は察するに余りあるものですが、かと言って、補償、補償では厳しい都会の競争で疲弊している人々はたまったものではありません。

浜岡原発にしたところで、何も御前崎市が首都圏の人口4千万人の生殺与奪を握ってるわけではないでしょう。
地元静岡県はもとより、愛知県、神奈川県、東京都の住民も「浜岡原発停止」を訴える権利があります。

特に神奈川県には原発はありませんから、原発反対派の知事が生まれやすい土壌があります。
神奈川を選挙区とする自民党の河野太郎は、堂々と反原発を標榜していますし、今度の統一地方選で知事に選ばれた元民放キャスター、黒岩祐治などは、公約どおり「浜岡停止」を働きかけて、その通りにコトを運ばせました。

原発のない神奈川県に浜岡原発停止などという権利はない、という人がいますが、まったく道理を逸脱しているとしか言いようがありません。

電力会社の地域独占は、こうした大いなる問題を次々と惹起するのです。
特に、原発は国民の間に対立と確執を生み出します。
これでは、日本中が不幸になっていくでしょう。

金、金、金。補償、補償、補償。
福島の人も、御前崎の人も、原発などによって人の心を捨てしまうようなことがあれば、原発という「悪魔」を忍び込ませた存在の思う壺です。

福島第二原発を受け入れた自治体が、今、どうなっているか見るといいと思います。
自然の恵みを十二分に受け取って生活していた人々は、それを投げ出して多くの人たちが原発に職を求めました。
「原発がある限り、豊かな生活が保障される」という幻想に惑わされていたのです。

原発交付金頼みの行政は、独自に地域興しをするという気概を失い、今では市長、町長の報酬さえも払えないという有様です。

福島県前知事の佐藤栄佐久氏は、「原発を誘致してから最初の30年は人口も増えて、町は栄える。しかし、その後は衰退の一途をたどる」 と言っています。

原発を導入すれば、「美味しいものを先に食べられるけれど、後になって食中毒で苦しむ」ことになるのです。

福島の人たちには、辛いでしょうけれど、早く夢から覚めて本来の元の日本人の心を取り戻して欲しい、と言わざるを得ません。
また、それこそが本当の復興だと思います。
酷な言い方でしょうけれど。

原発に命を捧げ、過酷な環境で働く人たちを、以前は「原発奴隷」などと言っていた時代があったようです。
私は、被災者の人たちには「心の原発奴隷」になって欲しくないと思います。

苦しくても原発に頼らない街づくりを考えていくべきです。

原発利権を絶対に手放したくない原子力マフィアの本山、電気事業連合会はホームページの中で、ウランの可採年数を100年 と見積もっています。

これは嘘の数字です。まったくのペテンです。
多くの学者がウランの可採年数は60年と見積もっています。ある学者などは、たったの40年。

福島第一原発事故で、各国が原発の建設を凍結したものの、中国、インドでは、どうしても原発に頼らざるを得ないでしょう。近い将来、ウランの需給は逼迫し、ウラン争奪戦が展開されるでしょう。

そして原発頼みの町は、たちまちのうちにゴーストタウンになるのです。

嘘のデータまで信じ込ませて、何が何でも原発を推進したいと考えている電気事業連合会は、私たちをマインド・コントロールしているのです。
いち早く、脱原発を表明して、「原発麻薬」と手を切った自治体こそが将来の繁栄を約束されるのです。

ところで、いつも何かあると必ず吼える東京都知事は、今度はどうしたことでしょう。
福島第一原発事故でも、浜岡原発運転停止でも発言しませんね。

東京都は、東電の株を保有している自治体の中でも、ダントツの1位ですから。そんな関係もあるのでしょう。
石原は野放図な銀行経営で都民に多大な損害を与えていますから、東電株で、さらに損害を出せば、厄介なことになるでしょう。

「日本を支えているのは東京だ」と日頃から口癖のように言っているのに、その東京が放射能に汚染されて機能しなくなってもいいのでしょうかね。

川勝静岡県知事や、黒岩神奈川県知事との温度差は大きいようです。
きっと東電に親子ともども、かなりの借りがあるのでしょう。