認知症の方に本音を伝えた朝
昨夜の夜勤で、
心に深く残る出来事がありました。
介護施設で働く私にとって、
日々の関わりの中には、
うれしいこともあれば、
正直、気が滅入るようなこともあります。
入居者のTさんは、
ニコニコしている時もあるけれど、
職員をにらみつけたり、テーブルを叩いたり、
「バカ!」と暴言を吐いたり、
時には暴力もあります。
でも、そんなTさんが、
ふと手を差し出して
「つないでほしい」と求めてくることもある。
手をつなぐと、
思いっきり力を入れてくるので痛いのです。
“わざと”ではないのだろうとは思っていますが..
慣れたとはいえ、
毎日のように繰り返されると、
心がすり減ってました。
そんな中、
今朝の起床介助のときのこと。
Tさんが、手を差し出してきました。
でも私は、手をつながず
Tさんの目を見てこう言いました。
「Tさん、私も人間なんです。
いっつも、にらまれたり、
テーブルを叩かれたりしていると、本当にイヤなんです。
でも、必要なことはきちんとしますからね。
(手をつながくても)いいですか?」
Tさんは黙っていました。
私も「言っても仕方ないよね」と思っていました。
でも、身支度を整えたあと、
Tさんの正面に立つと
「すみませんでした」と頭を下げてくれたのです。
私は、驚きすぎて、思わず
「いえいえ、こちらこそ^^よろしくお願いします。」と
笑顔で返してしまいました。
気が付けば、表情はやわらぎ、
お互いに頭を下げあっていました。
その時は、ただただ驚いていたのですが、
少し時間が経ってから、
ふと気づいたことがあります。
私は、Tさんを
「高齢者」
「認知症の方」
「介助が必要な人」として関わっていました。
だからこそ、
・理解を示さなくては
・多少のことは我慢しなくては
・やさしく接しなくては
と、どこかで「対等さ」を失っていたのかもしれません。
でも今日、私は介護福祉士としてではなく、
ひとりの人間として「イヤです」と伝えました。
それが、Tさんの「すみませんでした」に
つながったのではないかと思うのです。
「認知症だから、言っても仕方ない」
「通じないから、やさしい言葉でやり過ごす」
あるいは、イヤだと感じても
「そんなことしたら、ダメですよ」と注意していたと思います。
それって、私自身が、
Tさんを「ひとりの人間」と
して接していなかったのだと痛感しました。
高齢者であろうと、認知症の方であろうと、
きちんと本音を伝えてみること。
たとえ「イヤだ」という言葉でも。
今日の出来事は、私にとって衝撃であり、希望の光でした。
個人セッションを受けてみませんか?
身体のシグナルに気づきやすくなれば、
自分の本音がわかってきます。
それを、伝えると今日の出来事のように
思わぬよろこびにつながりますよ^^
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