「とりあえず、一度会社に戻ってこの仕事だけは片づけて来い。ネットでできる仕事じゃない。」
「昴流・・・。」
「敵に回したくない会社だろ?相手はあのFグループだぞ?」
「ああ・・・。」
「急げば翔の演奏が終わるまでに戻ってこれるはずだ。必要なものはすべて凛に渡してある。」
昴流はそう言うと俺の荷物を持って部屋のドアを開けた。
「翔の為にも・・・仕事片づけて戻って来いよ。」
「わかった。」
俺は荷物を受け取ると、昴流と楽屋を後にした。
翔の為にも今はこの仕事を片づけることが先だ、そう考えて。
まさか・・・
これから会う人達が
翔と俺達の関係に大きな影響をもたらす相手だとは知らずに・・・。