「祠堂を卒業した3月の末です。新さんに別れると言われた一週間後位です。」
俺の答えにギイ先輩は
「真行寺、これから俺が話すことだが・・・
三洲はお前に知られる事を望んではいない。」
俺から目をそらさずに話しを続けた。
新さんが俺に知られたくないと思っている事・・・。
「お前が信じていたものがすべて崩れる事になるかもしれない。」
ギイ先輩の視線が・・・
まるで獲物を捕らえた鷹のような鋭い目に体が震えた。
「それでもお前は・・・
真実が知りたいか?真行寺。」
「真実・・・。」
新さんが俺に知られたくない真実。
「知った所で過去を取り戻すことはできない。自分を責める事になるかもしれない。それでも・・・、それでもお前は知りたいと思うか?」
ギイ先輩は少し間をおいて
「三洲がお前に別れを告げた理由を。
三洲があの時考えていた事を。」
腕を組んでそう言った。