「何で教えてくんなかったんだよ、福ちゃん。」
「こういうものは黙っているから驚くと東堂に言われてな。」
「サプライズだよ、荒北。」
自慢げに話す東堂。
「そんな事どうでもいいから早く食べよう、靖友。」
「どうでもいいとはなんだ、隼人。こうして俺が準備したからこそお前達が」
おめーがはやく座れ。
「荒北、これは俺からのプレゼントだ。」
マイペースな福ちゃんはそう言って俺にリボンのついた袋を渡した。
福ちゃんがリボン・・・
( すみません、これをプレゼント用に・・・ )
「ぷぷっ。」
だめだ、笑える。
「こら福。それは後だと言ったであろう。まったくお前達は・・・。」
大きな溜息をついて、東堂はケーキのろうそくに火をつけた。
「荒北、おめでとう。」
そう言って笑う東堂。
「靖友、おめでとう。」
得意のポーズを俺に向ける新開。
「荒北、おめでとう。」
ぶっきらぼうに言う福ちゃん。
「お、おお。ありがとう。」
照れくさい俺はそう言ってろうそくの火を消した。
「なんだら荒北、照れているのか?」
「うるせーよ、んな訳ねーだろーが。」
「そうか?おめさん顔が赤いぞ?」
「うるせ、ほらはやく食べようぜ。」
ごまかすようにそう言って俺は皿に料理を取った。
まさかこうして3人に誕生日を祝ってもらえるとは思ってなかったぜ。