「荒北、遅いぞ。」
風呂から上がると仁王立ちで俺の前に立ちふさがる東堂。
「はあ?普通だろ。」
「いつまで待たせるんだ。まったく・・・。」
そう言って背を向けると歩き出す東堂。
ったく・・・
相変わらずわかんねー奴だぜ。
「もうそのままでよいから福の部屋に行くぞ。」
「なんで福ちゃんの部屋なんだよ。俺はこれから新開と」
「新開もいる。」
・・・もしかして俺が遅いから買い物に行ってきたのか?
そう思いながら俺は東堂の後に続いた。
「はやく開けんか。」
そう言う東堂に何だよこいつと思いながら福ちゃんの部屋のドアを開けると・・・
「おめでとう、靖友。」
新開がそう言って俺にクラッカーを向けた。
「はあ?」
「誕生日だろ、荒北。」
はしゃぐ新開の後ろ、座ったままの福ちゃんがそう言った。
「何をしている。はやく中に入れ。」
東堂に背中を押され部屋の中に入ると、テーブルの上にはケーキと料理が並んでいた。
「実家から持ってきてやったのだよ。荒北の為にな。」
ふっと髪をかき上げながら言う東堂。
「靖友、ほら座れよ。俺腹減ってんだよ。」
クラッカーを片付けながらそういう新開。
「荒北、ここに座れ。」
自分の隣を指差す福ちゃん。
「おめーら・・・。」
なにやってくれちゃってんだよ。
「はやく座れ荒北。お前が座らん事にははじまらん。」
東堂にそういわれ福ちゃんの隣に座る。