「本当ですか?ありがとうございます。」
別れる、そう告げると真行寺の母親は涙をこらえてそう言った。
「三洲さん、辛い思いをさせてすみません。
でも、あなたにとってもこれはいい事だと私は信じてます。」
その言葉に頭を下げて俺はその場を後にした。
これで・・・
これで真行寺が両親と幸せに暮らせるなら・・・。
そう思って身を引いたはずだったのに・・・。
「別れてくれるそうよ・・・ええ・・・そうあっちから切り出してくれるそうだから。
大丈夫よ、兼満がフリーじゃないと困るのはあなたと私よ?」
俺が帰った後真行寺の母親が誰かにそんな電話をしていたとは知らず・・・。
「真行寺・・・ごめんな。」
空を見上げそう呟いて・・・
俺は葉山の元にむかった。