今日は隣の市の道場との合同練習だった。
だいちはあまり合同練習の経験がない。出稽古の時はお休みをもらっていたし、ゴールデンウィークにあった合同練習では午前中で集中が切れてしまい・・・見学となった。あると言えばお正月明けにあった市内の鏡開きの合同練習くらいだった。
いつも通りのメニューが別の道場の子を相手に練習が行われ、だいちも投げ込みまでは特に目立つこともなく、真剣に練習に取り組んでいた。
練習相手の道場はうちの1.5倍の人数で・・・しかも同じ低学年でも技が多彩でみんなうまかった。
乱取りが始まり・・・まるで投げ込みかと言うほど投げられ続ける・・・だいち。
しばらく経つと鼻をすする音が聞こえてきた。誰か泣いてるのか?と思ったけど、まさかだいちとは思わなかった。
何故ならば、だいちは人前で泣くことがほとんどないからだ。だいちは家では些細のことですぐ泣くんだけど、外ではどんなに先生に怒鳴られても、転んですごく痛い時もまわりに家族以外がいる時は泣くことは滅多にない。過剰歯の術後の泣いてた時も決してベッドの周りのカーテンを開けることを許さなかった。
そんなだいちが泣いた。わたしも正直驚いたし、周りの柔道会のママさんたちも「だいちが泣くなんて、今までないよね?大丈夫かな?」と心配してくれた。
会長の先生も気づいて、わたしのところに「だいち泣いてるけど、どうしたの?」と聞いてきてくれたので「解らないんですよね、滅多に人前で泣くこと無いんですが・・・」と言うと、乱取りしているだいちのところに行って声をかけてくれていた。
「なんだかわからないけど涙が出てくる」とだいちは言ったそうで、会長の先生が「それは悔しいから涙が出てくるんじゃないか?」と聞くと「そうかもしれない・・・」と答えたそうだ。
だいちが悔し涙を流すなんて、わたしは初めて見たよ。。
会長の先生が見かねて「だいち、見学してろ!」と言われ、わたしのところに戻ってきた。会長の先生が「だいち、悔しいか!それは成長したってことだ!その気持ちがあれば強くなれるぞ」と言ってくれた。
その後もしばらく涙が止まらない、だいちだった。
投げられっぱなしで、自分の技は一つも出せなくて、悔しかったんだね。今回の合同練習はだいちにとって、とてもいい刺激になったようだ。。
泣くほど悔しいと言う思いを持ってくれたことをわたしは嬉しく思った。これをバネにまた頑張ってほしいな