VEMURAM Jan Ray クローンを作る #2 パクリ騒動の本質 | 冷や汗かいても後悔せず

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できそうな気もするが、どうなっても知らないよ。

Jar Ray の自作で回路図探すと必ず目にする有名な言葉。
 
"Note similarity to Timmy."
 
やはりこの言葉は避けて通れないということで、今更ながら考察してみます。
 
 
 
 
Jan Ray の全てのパーツは、基盤に組み込まれています。

 


 

この基盤は配線レイアウトがわからないようマスクされており、さらに重要な部分?はモールドされています。

 

 

 

モールド部分は、砂をまぶせたようなザラザラでカチカチに硬いことから、熱にも強く剥離困難といわれる Impei Black というコーティング剤が使用されているのではないかと思います。

 

さらに オペアンプやコンデンサの型番や値も塗りつぶされてます。

 

 

さらにさらに、ポットの下に使われているパーツの存在までも。

実はただのクリッピング用のダイオードなんですけどね。

 


 

マジック6を研究して開発した回路だけあって、「回路コピーはさせない」というような思いが伝わってくるかのようじゃないですか。

 

ところがこれが Vemuramの悪質なマーケティング戦略によるハッタリだというのです。

 

 

 

解析困難と思われた Jan Ray の自作を可能にした、あの回路図は。。

freestompboxes.org の mmolteratxさんが、自分の Jan Ray のモールドを剥がし、パーツを取り外し、テスターで一つ一つ値を調べ、導通確認して基盤のレイアウトを解析し、ついに書き上げた回路図をネットに公開されたものです。

 

freestompboxes.org にその様子が書かれています。

 

回路図を見た人が、「Timmy?」と嘲笑のコメントを書き込んだ瞬間からパクリ疑惑が始まるわけですね。

 

それにしても、人気ペダルのクローンやカスタムペダルを作るメーカーは珍しくありませんよね。

なのになぜ、Vemuram には悪評が起ってしまったのか。。

どうやら回路のパクリ行為そのものが原因ではないようです。

このページの前段に書かれていることが、問題の本質と思われます。

 

The Jan Ray overdrive is one of the many scandals that shook the boutique pedal community recently. Indeed, the Jan Ray has been proven to be a Paul C. Timmy slightly modified as we will see by studying the circuit. However, Vemuram pretended that it was an original design he made up listening to old Fender amps during 3 years... And sold the pedal at an indecent price for an analog pedal: 370 euros (400 dollars) ! This is a typical marketing strategy: "the price represents the quality", which is totally absurd for a basic electronic guitar pedal... He sold a lot of them whereas Paul C. produced the same pedal for 120 dollars. This a pedal that deserves to be cloned, and if you want to buy this sort of overdrive, go for the Timmy!

要点を意訳すると

  • Vemuramは、3年間古いフェンダーアンプを研究した結果のオリジナルのデザインであると偽った。
  • 実際は120ドルのTimmyをちょこっとイジっただけの製品なのに、400ドルで販売した。
  • 「価格は品質を表す」という典型的なマーケティング戦略で購買者を錯覚させた。
  • Jan Ray の正体はクローンなので、この種のオーバードライブを買うなら Timmy をどうぞ。

 

クローンならクローン、カスタムならカスタムと言えば良かったものを、思わせぶりなモールドとかして、さもオリジナルであるかのように手の込んだ見せかけまでして騙しやがったな!ということなんでしょう。

Vemuram が Timmy をベースにマジック6を追求したと言っていれば、TS や ケンタ と同じようにオリジナルのポテンシャルも評価され、気分の悪いレッテルもつかずに済んだのかもしれませんね。

 

 

すいません、次回は作ります。。