Rangemaster の重要部品、ゲルマニウムトランジスタ OC44。


Wiki でトランジスタを調べてみると、トランジスタ発明のきっかけが書かれてます。
文章が硬いので噛み砕くと、
「ゲルマニウムの近くに2本の針を立てる。片方の針に電流を流すと、もう片方にもっと大きな電流が生まれる。」
こんなイメージなんでしょうか?
おぉ!まるで真空管のようではないですか!
トランジスタに親しみが湧いてきましたw
欠点として、ゲルマニウムが気温によって性能が左右され、耐熱性が低いんだそうです。
こういうとこもアナログっぽさが濃いw
トランジスタの歴史の最初期に造られたのが、ゲルマニウムトランジスタなんですね。
【OC44って?】
OC44 というのは 真空管の 12AX7 みたいな型番のようです。
型番によって、耐圧、入力容量、損失などや構造の仕様が異なるようです。
OC44 は本家のPhillips社をはじめ、多数のイギリスメーカーが生産しています。
メーカーが異なっても、同じ仕様で作られたものは同じ型番となってます。
同じ型番の真空管でもメーカーによって特徴があるように、OC44 もメーカで音が違うようです。
面白いのは増幅率で、同じメーカーの同じ型番であっても個体によって増幅率にバラつきがあるということ。
ファズなど複数のトランジスタを使用するものは、増幅率が同じものが好まれるようです。
真空管のマッチドペアみたいなもんですね。
【OC44を選ぶ】
増幅率の単位は hFE。
御本家の Rangemaster は Mullard製OC44。
同じ Mullard製の OC44 でも hFE が 30〜150 くらいの範囲でバラつきがあるようです。
個体によって性能差が5倍もあるということですかね。。
真空管よりいい加減なよーな。。
トランジスタ=安定感 みたいに思ってましたが、まだ初期の頃は同じ性能のものを作るのが難しかったんですねぇ。
性能差5倍といっても、Mullard製OC44 はだいたい hFE:110 程度が多いらしいので、このあたりが Rangemaster的には目安かもしれません。
【OC44の増幅率は高けりゃイイってもんじゃない】
デジマに興味深い記事があります。
『ゲルマニウム・ファズの音は温度によってどう変わるのか?』
ゲルマニウムトランジスタは温度によって hFE が上下するらしいのです。
つまり、同じ OC44 でも hFE の違いによってサウンドも異なるということでしょう。
エフェクターには一般的に hFE が高いものが好まれるらしく、ebay でも hFE があるほど値段も高いようです。
でも Rangemaster の場合、hFEが高すぎるとノイズが出やすいという意見を見つけました。
自作記事には、「ノイジー」という意見もあれば「意外にノイズがない」という意見もありで。
人によって印象は違うんで「ノイジー」=「意外にノイズがない」かもしれませんが。
にわか仕込みでの知識でも、理解が深まると自分でも作ってみたくなります。
というのも、このコピーペダルはフルブーストに近くなるとノイズが実用に耐えないんです。
もぉ作るっきゃないって気になってますw